出版社 : 講談社
鎌倉東慶寺、男子禁制の山門を血で染めた「会津七本槍」の七剣鬼。暗愚な藩主加藤明成を使嗾し、硬骨の家老堀主水一族を鏖殺した暴虐に今天誅が。万斛の恨みに燃える堀家の女七人を助くべく、徳川千姫の命により、柳生十兵衛見参。
怨敵「会津七本槍」の四人までを討ち果たし、明成に迫る復讐の刃。だが見よ、七本槍衆の総帥、不死身の妖人芦名銅伯の自信に満ちた不敵な笑いを…。敵陣会津に乗り込む十兵衛と堀一族の七美女を待つは、驚天動地の地獄の幻法「夢山彦」。
山河に囲まれた地方の高校に通う女子高生、布施直見。平凡すぎるはずの少女の日常は、妖しの美青年不見知の一言により変貌した-「世界はあなたのものだからだ」。世界の崩壊とともに、六億五千万年にわたる二つの勢力の激闘が再開される。玉を持ち集まる「八犬士」とは何者なのか。そして少女直見の真の姿とは。
井伏鱒二の色紙にある“捷平はげん人(げんじん)なり”のように、つつしみ深く、含羞のある、飄々たるユーモアに遊ぶ精神。掘り返された土に陽があたる田園や、父母や妻子の風景を、いわば“魂の故郷”を、都市の文明に決して汚されぬ眼で、こよなく暖かく描き続けた、作家・木山捷平の自由なる詩心。正に“人生を短篇で読む”絶好の初・中期珠玉の飄々短篇集。 ●初恋 ●子におくる手紙 ●一昔 他
国際結婚に破れたキャリアウーマン日下八重が、妻ある男との恋愛で別れ話がもつれているとき、彼女の前に全身で愛を訴える年下の青年が現われた-。求めあいつつ、どこかズレてしまう二人の愛の行方は。新しい物語構成で展開する恋愛小説。
夏の日、沼のほとりで消えてしまった姉。黒人リーグの伝説的大打者の打った白球。すべてはどこへ行ってしまったのだろう。吉目木晴彦のみずみずしい抒情と感性が鮮やかに伝わる待望の長篇小説。
再会-黒く塗り潰された電話のメモ。再会した同級生の中に、妻を死の淵へ追いやった者がいる。漏水-新築したばかりの家を訪れた怪しげな男。漏水調査係と名乗るが、男には別の目的が…。タンデム-ライダーの命を奪い、男女の仲を引き裂いた一本のワイヤーロープ。暴走族グループの犯行か。私に向かない職業-ナイフで刺された男を見て、私は立ち尽した。組事務所の屋上を訪れたしがない探偵のとる道は。秀作ミステリー5編。
欲望が種を発芽させ、希いは光にむかって葉をひらかせる。作中人物それぞれの思いの照り返しを受けて繁茂する、緑なす木々たちの肖像。芥川賞、三島賞に輝く著者が、樹木をキー・イメージに放つ物語の群落、出色の10篇。
江戸日本橋の袂で晒し者にされた3人の女の肌に朱書された「公方様御側妾棚ざらえ」の文字。将軍吉宗に赤恥をかかせんとする尾張宗春は、甲賀忍者御土居下組と尾張柳生に密命を下す。対するは江戸柳生と伊賀忍群。幻怪眼を奪う忍法戦。
徳川治世転覆を狙う森宗意軒の大陰謀に対決しうるのは十兵衛のみ。生前の剣豪の面影など微塵もなく、殺戮マシーンと化した「転生衆」たちの凶刃に如何なる技で立ち向かうか。忍法帖の金字塔、壮絶無比の大死闘は、いよいよ最高潮に。
故国フランスを逃れて、アンジェリクは新教徒たちと共に、海賊レスカトールの船で新天地に向ったが、船の行き先をめぐって、海賊と新教徒の間に不穏な空気が生じる。苦悩する彼女を船室に呼んだレスカトールは、不意に黒い仮面を外した。恐怖の声を上げたアンジェリクが見たその人の顔は。
氷の海、嵐、新教徒の反乱…。多くの危機を乗りこえ、アンジェリクたちの船は、虹のかなたの約束の地にたどり着いた。船上で再会した最愛の夫、ペイラック伯爵ジョフレの指揮の下、未開の土地で新しい苦難に満ちた生活がはじまるが、そこにはまた、二度目の奇跡の出会いが待ちうけていた。
1930年代、アメリカは貧しかったが人々の心は暖かった。レキシントン通りの半地下で育ったクロード坊やはアパートの窓から道ゆく人の足を眺めて大きくなった。部屋にはなぜか白い小さなピアノと壊れかけたラジオが置いてあり、少年はやがて不思議な音楽の世界へと引き込まれていく。やがてー。
タクシー・ドライバーをしている逞しい母の手で育てられた天才ピアノ少年クロードは、近所の楽器店の主人の手助けで著名な音楽家の知遇を得、世界的なピアニストに育っていく。美女との目くるめく愛、ライバルとの確執、そしてカーネギー・ホールに至る華やかな道程を描く愛と感動のサクセスストーリー。
祖国が分断され、まだ多くある差別の中で、若い青春を、本当の生きかたとは何か、を真摯に問いながら生きる群像。李恢成の初期中篇「われら青春の途上にて」「青丘の宿」ほか父親の死を契機に、対立し、相反する二つの組織が手を結ぶ僅かに残された“黄金風景”を描く「死者の遺したもの」収録。