出版社 : 講談社
友と学園に別れを告げ、日本脱出をした大学生「私」と、イングランドのファーム・キャンプに集う季節労働者たちとの出会い。“リンゴ園”に汗する日々のなかで熱い議論と友情が育まれ、愛が生まれた。人と国家の哀しい現実を描く、青春コンモポリタン・ストーリー。
弦之丞を恋するお綱、お綱を追うお十夜。弦之丞はお千絵を想い、お千絵は旅川周馬に迫られる。恋と剣のまんじ巴は、木曽から鳴門の汐路へとつづく。阿波藩を動かす勤王の大立て者竹屋三位卿は、弦之丞の前に立ちはだかる強敵であり、剣山の間者牢に年久しくつながれる甲賀世阿弥の死命をあずかる非情の人でもあった。いま、山頂の牢を前にして、幕府方、勤王派の最後の死闘が展開される。
謙信を語るとき、好敵手・信玄を無視することはできない。精捍孤高の武将謙信と千軍万馬の手だれの武将信玄。川中島の決戦で戦国最強の甲軍と龍攘虎搏の激闘を演じ得る越軍も、いささかもこれに劣るものではない。その統率者・謙信と彼の行動半径はーー?英雄の心事は英雄のみが知る。作者が得意とする小説体の武将列伝の1つであり、その清冽な響きは、千曲・犀川の川音にも似ている。
義経必死の腰越状も、兄頼朝の勘気を解く手だてにはならなかった。義経斬るべしの声は、鎌倉方の決意となってゆく。そして堀川夜討ちは、両者決裂の烽火であった。頼朝は大軍を率いて黄瀬川に布陣。運命の皮肉と言おうか、あのとき手を取り合った弟を討つための夜営になろうとは!この日から義経は失墜の道を歩む。波荒し大物の浦、白魔に狂う吉野山。悲劇は義経1人にとどまらない……。 時の流れが、頼朝・義経兄弟の溝を深くする。義経必死の腰越状も、頼朝の勘気をとく手だてにはならなかった。義経斬るべしの声は、鎌倉方の決意になってゆく。そして堀川夜討ちは両者決裂の烽火であった。
平家が西海の藻屑と消えてわずか半年後、武勲第一の義経は、それまで指揮下にあった頼朝の兵に追われる身となった。吉野から多武ノ峰、伊勢、伊賀ーー息をひそめて主従7人、平家の残党の如く生きる。静(しずか)を見捨ててまでの潜行につぐ潜行。義経はひたすら東北の空に仰ぐ。そこには、頼朝の最も恐れる藤原3代の王国がーー。人間の愚、人間の幸福をきわめつづけた吉川文学の総決算、ここに完結。 息をひそめて潜行する義経主従の行く先は? 平家が西海の藻屑と消えてわずか半年後、武勲第一の凱旋将軍義経は、それまで指揮下にあった頼朝の兵に追われる身となった。愛する静を見捨ててまでの潜行が続く。
〈異来邪〉を名のる人物から届いた死の予告状どおり、地上80メートルの密室から消失した甲斐辰朗。4時間後、マンションの1室で発見された首なし死体は二重生活を営んでいた辰朗のものなのか。なぜ犯人は首を持ち去ったのか。息つぐ暇もなく繰りひろげられる推理戦の果てに、閃光のごとく顕れる度胆をぬく真実。
21時00分東京発ひかり323号。この最終ひかり号新大阪行グリーン個室に、毎夜乗り込む若い女がいた。そしてある夜、最終ひかり号個室で会社社長が刺殺される。現場には香水のかおりが漂っていた!その夜限りで姿を消した謎の美女を追う十津川警部の秘策とは…。新鋭車両を舞台にした最新傑作ミステリー集。
窓際の中年社員が楽しむ唯一の趣味はプロはだしのハーモニカ演奏。ブルース・ハーモニカの魅力にとりつかれた男はコンテスト会場で妙齢の婦人と知り会い、ラブロマンスに発展した。50万円のハーモニカを買うため、男は社長と業者の罠に落ちたかに思えたが…。中年社員のほろ苦い抵抗劇(表題作)。おしゃれで懐しい味の7つの恋物語。
北海道大雪山麓。苛烈な自然と貧因に怯えつつ暮らす両親と6人の子供。生活の辛さ、女教師への憧れ、淡い性の日覚め、そして何より自然と人情の美しさの中で、少年は成長していく。その目は、重い真実と胸底の暗い澱みを見据えながら、爽やかな明るさを失なわない。まさに、著者が“ぼくの原風景”と呼ぶにふさわしい感動的な長編小説である。
人生の機微、男と女の心理の綾を、心憎いばかりのみごとな筆致で浮き彫りにするショー。訳すのは、私小説の世界に新しい地平をひらいた直木賞作家。この日米の短編小説の名手がコンビで贈る“人生模様”。「心変わり」「かなしみの家」「不道徳な話」「ニューヨークの喧騒」など、珠玉の13編を収録。
読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。(講談社文庫) 読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。
悲惨な爆発は信じられない人為的ミスで惹き起こされた。だが、その事故がさらに恐ろしいものになることを防ぐために、幾百人もの人間が命を捧げた。献身と勇気、人間愛が、官僚性と無気力にいかに立ち向かい、打ち勝ったか、米国著名SF作家が刻明な取材と極秘に入手した資料をもとに描いた傑作長編小説。
三題噺とは客席からの出題に即席で演じる窮極の話芸。すこぶるつきの美女からお題を頂戴、文学界の真打連中が高座ならぬショートショートで腕をふるいます。吉行淳之介から村上春樹、高橋源一郎ら若手まで20人が、起承転結の妙、かくし味をピリッときかせて、読みごたえ十分。さて勝負はいかが?
親友ユミの結婚式に出席したのが縁で麻矢はユミの義兄杉原太郎と結ばれる。豪華な挙式、京都に一泊して外国へのハネムーン。麻矢は幸せだった。ところが初夜が明けると、太郎がベッドで毒死していた。初めに疑われた麻失だが、嫌疑が晴れると、再婚の太郎が過去に持った女性関係を自ら追及する…。愛をテーマにした、本格長編推理。
地球上の数十億の人間のなかからただ1人選ばれて、スーパーマンになった男。ところがこれが、高所恐怖症やら対人赤面恐怖症などなど、欠陥だらけの実験用だった!が、人類の幸福と正義のために、猪突猛進あるのみー。ハチャハチャの元祖による、珍無類、涙と笑いがいっぱいのスーパー騒動譚。
致命率70パーセント、エイズよりも恐ろしいという国際伝染病“エボラ出血熱”の男性の真性患者が東京で発見された。さらに疑似患者も次々に出た。第一次感染者と思われる女は行方不明。国立微生物医学研究所内部の人間によるウイルス漏出説を探る新聞記者は殺されてしまう。綿密な取材と完壁なデータに裏打ちされた俊英の都会派ミステリー。
奇妙な噂を追う情報の犬・堂田将司。悪徳役人をつぎつぎに暗殺する都市ゲリラ雀部隊。解放の神学を唱え浸透する新人民軍。復活祭の主役・黒いキリストにしかけられた大陰謀。俳優、ジャーナリストの中村敦夫が書下ろす国際情報小説第3弾。
他国者は容易に近づけない、密国阿波に潜入した幕府隠密・甲賀の宗家、世阿弥が消息を絶って10年。家名の断絶を目前にして、悲嘆にくれる娘のお千絵を見かねて、二人の男が阿波渡海をはかった。だが夜魔昼魔、お十夜孫兵衛、見返りお綱が二人の邪魔に入る。講談社創業80周年記念出版。