出版社 : 講談社
赤壁の大敗で、曹操は没落。かわって玄徳は蜀を得て、魏・呉・蜀三国の争覇はますます熾烈にーー。呉の周瑜、蜀の孔明、両智将の間には激しい謀略の闘いが演じられていた。孫権の妹弓腰姫(きゅうようき)と玄徳との政略結婚をめぐる両者両様の思惑。最後に笑う者は、孫権か、玄徳か?周瑜か、孔明か?一方、失意の曹操も、頭角を現わし始めた司馬仲達の進言のもとに、失地の回復を窺う。
「三国志」をいろどる群雄への挽歌が流れる。武人の権化ともいうべき関羽は孤立無援の麦城に、悲痛な声を残して鬼籍に入る。また、天馬空をゆくが如き往年の白面郎曹操も。静かな落日を迎える。同じ運命は玄徳の上にも。--三国の均衡はにわかに破れた。このとき蜀は南蛮王孟獲に辺境を侵され、孔明は50万の大軍を南下させた。いわゆる七擒七放の故事はこの遠征に由来する。
曹真をはじめ多士済々の魏に対して、蜀は、玄徳の子劉禅が暗愚の上、重臣に人を得なかった。蜀の興廃は、ただ孔明の双肩にかかっている。おのが眼の黒いうちに、孔明は魏を叩きたかった。--かくて祁山の戦野は、敵味方50万の大軍で埋まった。孔明、智略の限りを尽くせば、敵将司馬仲達にもまた練達の兵略あり。連戦7年。されど秋風悲し五丈原、孔明は星となって堕ちる。
将門は著者の最も食指を動かした人物の1人である。反逆者としての歴史の刻印を除きたい気持もあったが、純粋で虚飾のない原始人の血を将門にみたからだ。都にあっては貴族に愚弄され、故郷(くに)では大叔父国香に父の遺領を掠められ、将門はやり場のない怒りを周囲に爆発させる。それは天慶の乱に発展し、都人を震撼させる。富士はまだ火を噴き、武蔵野は原野そのままの時代だった。
優美かつ艶やかな文体と、爽やかで強靱きわまる精神。昭和30年代初頭の日本現代文学に鮮烈な光芒を放つ真の意味での現代文学の巨匠・石川淳の中期代表作ーー華麗な“精神の運動”と想像力の飛翔。芸術選奨受賞作「紫苑物語」及び「八幡縁起」「修羅」を収録。 ●紫苑物語 紫苑物語 八幡縁起 修羅
彼女と一緒に犬探しに没頭した二日間、ぼくは自分の部屋へも戻らなかったかし、酒も飲まなかった。生活がいつもの単調さを失ったおかげで、アルコールの助けを借りなくても眠れたのだ。たった一晩の禁酒で、ぼくの体は見違えるように軽くなった。いつもの朝、起き抜けに胃の腑から背中にべったりと張りついている泥。その汚れた重みが、ぱさぱさに乾いて剥げ落ちたような感じだった。ところが実際にはぼくの体はひどく病んでいたのだ。本人であるぼくですら分からなかったのだが。もちろんマリノレイコも、ぼくの体の異常には気付かなかった。知っていたのは、犬だけだったのだ…。
世界を闇から支配する四人姉妹ですらひれ伏す黒幕が、ついに動き出す。恐るべき某殺指令が、竜堂四兄弟の長兄・始に向けられた。そして、火と化した続、風を呼んだ終、水を奔らせた余に続いて、最後に変身する長兄は、どんな竜になって天を翔けるのか?ノベルス界に大衝撃を与えた超人気シリーズ、熱望の第4弾。
夕里子の恋人・国友刑事がやむなく射殺した少年は、服役中の大物・永吉の一人息子だった。脱獄に成功した永吉、国友を仇と狙えば良いのに(!)、殺し屋をやとい、卑怯にも三姉妹の命を狙った。綾子はライフルで、珠美には毒、夕里子は永吉に誘拐され…。三者三様の絶体絶命だ。三姉妹探偵団、いまや風前の灯。
丘の上の高級マンションを眺めて暮らす老人の異様な行動の秘密とは?都心の地下街やデパートをさまよい歩くピエロの目的は?江戸川乱歩と奇妙な建物が写った古い写真は何を語る?-雪の夜、北の海に沿って走る湧網線で起こった不可解な惨劇が、四十年後に再現された時、一挙に立ち上がる驚愕の真相。