出版社 : 集英社
今、君よりも一緒に居たい人がいるー。夫の大滝悟は、そう言って家を出て行った。憎しみに燃えながらも妻の芙佐子は残された三人の娘を育てるのに必死になった。芙佐子母娘を物心両面から支えたのは、彼女の親友・邦枝だった。邦枝も離婚経験者である。苦しい試煉を超えて生身の女として生きようとする彼女たちの姿を描く著者初の長篇小説。
真面目で教育熱心な中学教師・大滝は、教え子の母・祐子を愛してしまった。彼女には夫も子供もいたが、愛を貫こうと二人は駈け落ちする。その経緯を書いた小説で、祐子は女流作家の道を歩き始めたがー。一つの愛が様々に波紋を広げて、男と女、親と子の絆を激しく揺する。新しい女性の生き方を探る問題長篇小説。
時は南北朝、熊野太地湊で謎の渡来人・首比達と絶世の美女・於兎との間に、異形の子が生れた。肌の色・顔つきから、仇名を鴉と呼ばれて育った。その鴉こそ、全国3万6千の熊野神社末社を諜報網とする忍者組織“神鴉党”の初代頭領となった。爾来、忍者鴉は代々その血を絶やすことなく、時代の表に出ぬ陰の存在として活躍するー。奇想天外のストーリーで読者を魅了する伝奇小説の秀作。
徳川の世となって間もなく、豊臣家の恩顧を忘れ、徳川方についた大名の夫人や娘たちが次々に犯されていった。女たちの下腹には必ず奇妙な文字が記されー。服部半蔵と母影の血をひく若き忍者“影”の復讐を描く時代伝奇(「南国群狼伝」)。大岡忠相の片腕・南町奉行の与力・石子伴作、蝋燭ざむらいと称する男、闇法師を名乗る男…いずれも異能の男たちが江戸市中で巻き起こす事件はー。推理手法で描く痛快時代小説。(「私説大岡政談」)。
昭和11年2月26日午前零時、22名の陸軍青年将校に率いられた1500名の蹶起部隊は「昭和維新」の名のもとに雪降りしきる帝都に躍り出た。政治と国策の失敗で貧困と不安にあえぐ国民を救うために。弱冠20代の青年将校達の怒りと鉄壁の意思を笠原イズムで描いた“青春のバイブル”。松竹富士映画原作々品ー。
デパート業界の名門、大松屋銀座店の法人外商第一部第二課長・津川直二郎は、自ら開拓した大口ユーザーの東邦建設から、突然、2億円の取引き停止の通告を受け、窮地に陥った。懸命に巻き返しを図るピンチは続く。さらに、娘の万引事件、妻の浮気と家庭の危機が重なる。〈会社〉と〈家庭〉の両面から、苦悩するビジネスマンの姿を共感をこめて描く。
作業中事故に遭った宇宙飛行士ふたりを乗せた着陸船は、なんとか上昇はしたものの操縦不能におちいり、月面にたたきつけられた。壮大な宇宙に共通の夢を抱きつづけた人びとは、この大事故を契機に方向の転換をはからざるをえなくなっていく。挫折してなお不滅の愛と希望を求めてやまない、人間のドラマを描いた感動ノンフィクション・ノヴェル。
恋さがし、いい男さがしの旅にもちょっぴり疲れてしまった我らが星子サン。そろそろ宙太との結婚を本気で考えはじめたその矢先、「美空宙太氏の正体をあばく旅に、あなたをご招待します」という謎の手紙とともに届いた1枚の指定席券。目的地・仙台で待つ、宙太の恐ろしい血の秘密とは?恐怖の殺人事件の中で、今ひとつひとつの謎が明らかになる。
バレンタイン直前の夜、南子の自宅に泥棒が入った。盗られたものは何もない。犯人も侵入経路もわからないまま迎えた2月14日。憧れの清水先輩にフラれ、さんざんの南子の前で毒入りチョコレート殺人事件が起こった。ああ、呪われた男女相愛の日。おなじみ探偵クラブの面々に北野+明石刑事コンビ、そして、ちょっとE男の達也クンを加えて、爆笑ドタバタ大捜査の始まり始まり!
校内スキー大会で滑降の三連覇を狙うぽぷらに、新聞部の美少女・霜山さんが密着取材。彼女、“P・N”ってイニシャルの入ったセーターまで編んでるらしい。いっぽう、わたしにも、女生徒にモテモテの三浦君が「ケーキの作り方を教えてほしい」って大接近。でも彼は今度のスキー大会で、ぽぷらのライバル。しかもこともあろうに遼とも三角関係?そんな、ねじれにねじれた関係が大会当日…。
そのひとから初めて手紙がきたのは2年前、あたしが小学5年生の夏休み。『とつぜん、すみません。…いつも、あなたのことを心にかけています…』そんな文面で、『倉島水帆様』あてさきは、たしかにあたし。だけど、差出人の住所も名前もない。それからも何通も届いたそのひとからの手紙。その、あたしに対するやさしさ、思いやりに心うたれあたしはそのひとに恋してしまったのです。
あたし、吉田日和。琢磨とカップルになれて初めての夏を迎えたの。一応受験生だけど、せっかくの夏だもの、明るく青春しなくちゃねーのはずだったのに、近頃出るのはため息ばかり。琢磨はバンドに夢中でちっともかまってくれないし、好青年・八木橋くんの優しいアプローチは少しずつ心を揺らしてくみたい。あたし、このまま琢磨とすれ違っていっちゃうの?「きらきら星をあげよう」の続編。
「お姉ちゃんは県立高校行ってくれたのに、ななほはお金がかかって…」愛する娘の晴れの入学式だというのに、母のセリフに心がしずんでしまう。希望校を落ちたから、仕方なしに私立に行くんだから、わかってよね。私の苗字は寿っていうんだけれど、クラスにもうひとり同姓のコがいる。寿ナツミ。はっきりいって、かわいい。もう完敗、大敗、惨敗。これからの学園生活が思いやられるわ。
フェリーから身投げした男、飛び降り自殺した弁護士、時計台から助教授が…。3人と関わった彼女は!『クルト・フォルケンの神話』。地球は7人の大陸指導者によって支配されている時代ー聖家族の一員である達郎にとって、大切なことは…『眠り姫の目覚める時』。お祭りの夜、金魚すくいの夜店ではじめて逢った小田くん。こぼれるような微笑みが素敵だった。あれは5年生の秋…『祭りの時』。
クラスメートとのおしゃべりや心の中でつい「あいつ」と呼んでしまうーあなたにもそんな男の子がいませんか?本当は気になるくせに、なぜか素直になれず「あいつなんて」と口にしてしまうとき、もしかしたら恋ははじまっているのかもしれません。この本で描かれるのは、8通りの恋のはじめの物語。あなたの「あいつ」にいちばん似ているのは誰でしょうか?恋の入門短編集「あいつ」パート2。
若いギター弾きの男が、年上の不可思議な女性と彼女の家でベッドをともにしたとき、そこには不可解な異様な恐怖が…(表題作)。保険金殺人をめぐる男女の駆け引きを、ユーモラスにして皮肉な結末で綴る『サバイバル・ゲーム』など、全8篇、女性を主人公に描く異色のミステリー集。
大企業「ニッポンバイク」の本社宣伝部でバリバリの企業戦士だった義明に出た突然の左遷辞令は、片田舎での一販売部員というものであった。いったい何があったのだ!でも負けはしないぞ。きっと立ち直ってみせる。翌日から展開された強引な販売作戦。著者の体験にもとづく異色のサラリーマン青春小説。
タツミには確かな目標があった訳ではない。たどり着いたのがロンドンだったのだ。ナン焼きのためにケロイドができた左手をいつもポケットに入れて歩くネパール人グルン。子守りとなって挫折してゆく日本人女子留学生ナオコ…。白人から「黄色人」と軽蔑されながらもしぶとく生きる若者達をタツミの目を通して爽やかに描いた「すばる文学賞」入選作。他に「光の休暇」「闇の喜劇」を収める。