出版社 : 集英社
人はそれぞれ、他人には決して理解しえない自分だけの憂鬱(ささやかな悩み)を持って生きている。日常の生活の中で確かに悩みのタネはあちこちに転がっているだろうが、嫌いな物を工夫して食べるように、それらの憂鬱も工夫しだい、気の持ち方で全然苦にならなくなるはずである。どれだけ人生を楽しく生きられるかは、この憂鬱とうまく付き合い、おいしくいただくかにかかっているのでは?
バラの匂いのするウチカワくんは、500kmも離れた町に転校していった。スズコはそれが哀しかった。彼女は大人たちが忘れかけたなにかを大切にする女のコ…バラモンは、そんなスズコが大好きだった。ある日、スズコの家の電話機が突然話しだした。「オイラの名はバラード。ヨロシク」それにつられるように、身のまわりのものたちがいっせいにしゃべりだした。なにかが起こり始めたのだ。
“新人類刑事”五月千春の友人、警視庁の中根刑事が、フラワーショップ店員の圭子と結婚。しかし、晴れがましい日というのに、中根ヘ顔はなぜかすぐれなかった。二人は当夜、ブルートレイン「出雲1号」でハネムーンに旅立ったが、翌朝、車中で、新婦が射殺体となって発見された。新郎の中根も失踪、五月はその謎を解くべく、錦由多加と出雲へ飛んだー。
近世ヨーロッパを恐怖のドン底に陥れたあの“吸血鬼”が現代に再び姿を現わした…しかもワタシラ日本の地に。セイシュンしている若者たちの前に、彼等は憂いを含んだ淋しく優しいしぐさで手招きをする。知らぬまに、ワタシラは彼等と日常なに気なくつきあっているのかもしれない。これを読むと何かが気になり眠れなくなる、作者新境地の傑作連作集。
遠州灘を見下ろす古い瀟洒な別荘。わけありの三人が偶然顔を合わせた。父が自殺、母は癌で死亡、十五歳で中絶手術した自殺願望の紗耶。養家の家族五人に睡眠薬を飲ませ、火をつけてきた加奈子。母の情人を殺害してきた星野。互いの傷をかばいあった三人は、二年後の同じ日に、同じ場所で再会することを約束する。…複雑にからみあった人間の感情をスリリングに描く、著者会心の書下し長篇小説。
航空ブームに日本中が沸き立つ昭和九年。“怪盗鳥人”南谷が2年ぶりに訪れた妻の部屋には男の死体と模型飛行機が転がっていた…。南谷から懇願され、彼の無実と妻の素行を調査開始した秘密探偵的矢健太郎は飛行機製作所の新発明に絡む連続殺人に巻き込まれていく。美貌の混血飛行家、パラシューター・ガール、学生鳥人など時代の先端をいく、空の夢に憑かれた人々の野望と挫折を描くネオサスペンス長編。
夜ごとあやしげな灯のともる街に群れる飾り窓の娼婦たち。放浪の果てにボン引きをはじめた「私」たちとのあいだに暖かな交流が芽ばえ、ふくらむ。国境をこえた性のかたち、こだわりのない愛の豊かさを描く傑作。他に「砂漠の舟」「72時間の母国」「落日」を収録。
アメリカ合衆国情報部Rセクションのエージェント、デヴェローは、同僚ヘイスティングスと接触するためイギリスへ飛んだ。しかし、そこに待っていたのは、ヘイステイングスの死であり、IRAとCIAの不可解な関係だった。調査をすすめるうちに、彼は、IRAがエリザベス二世の従弟スラウ卿の暗殺をもくろんでいることを突き止める。暗殺阻止に走るデヴェローの前に立ちはだかったのは、あろうことか、味方のはずのCIAだった。その目的は何か?ヨーロッパ経済の覇権をめぐって、米英がしのぎをけずる…。
ある夜、花子探偵は男のヒトとお酒をいっぱい飲んじゃった。酔ったあげく、彼の部屋で朝を迎えるとそのヒトがバスタブで死んでいた。花子の体にはユビ1本触れず、何者かに殺されたそのヒトのために体を張って犯人探しをする花子クン。ご存知南条、青野両刑事の活躍もあいまってホシは追いつめられた。ホシはオシャレで変質者という意外な事実も分ってくる。花子探偵の腕のふるいどきだー。
どーしよう、どーしようっ、どーしようったらどーしようっっ!スープを飲んだ途端、突然苦しみだして倒れた蕗子さんたち、それに、ああこともあろうにあの美女丸までが、意識不明の重体にっ!事のはじめは親友カバちゃんの「ミーシャを守って!」という切なる頼み。ところが、その夜のうちに白〓@51B3の美少年は水もしたたる焼死体に!いったい犯人は何者?そして、皇帝の財宝とはっ?
春休み、3人娘はスキー場の近くにある舞の叔父の家へ。とは言っても…高級ホテルのような家とハンサムなおじさまに、由美とおケイはうっとり。同じころ、ゲレンデでは…。人気シリーズ第5弾。
受験シーズンのさなか、ケンイチとミサコが通うS高に起こったのは、進路指導室の放火事件。現場には、ジェームズ・ディーンの肖像が描かれた1冊の『ライ麦畑でつかまえて』が残されていた…。ふたりが犯人さがしをはじめた直後、今度は2年B組の窓ガラスが割られるという事件が発生。そしてそこには、ディーンの絵と謎の暗号文が…!ケンイチとミサコのユーモア・ミステリー第5弾。
幼なじみのマコに“思い”をつげてから、俺の世界は変わり始めた。いつもそばにマコがいるーそれが、今はたまらなくいとおしく思える。だから、なんとしても一緒に高校に…との願いも空しく、俺たちは別々の高校に通うことになってしまった。そんなとき俺は、凍えた色の瞳の少女・唯と出会い、その兄貴代わりになることになってしまったのだが…。続「キミのハートを追いかけて」。
やあ、みんな、ひさしぶり!ぼくたち魔訶不思議研究会のことは覚えているね?今回マカフシ研のメンバーは、ここ御殿場の、とある山中に春合宿にやってきている。実は、サヨリンのおじさんの経営するペンションに出るという幽霊の調査を兼ねているんだけど…。そこでぼくを待っていたのは世にもおぞましい恐怖の体験と、そして…胸の痛くなるような切ない思い出だったんだ…。
紋間公平は私立西陵武蔵野高校の学校医を務めている。もちろん本業は病院勤めの外科医だ。その病院へ、西陵の女子生徒・坂巻由美が救急車で運ばれてきた。由美は学校でも手に負えない生徒の1人。階段をふみはずしてケガをしたというが、由美は何かを隠している、と公平は思った。由美の見舞いに訪れたのは、非行少女3人組、そして、真面目な真由美という対照的な生徒たちだった。
百合子の修学旅行はメルボルン。向こうの生徒の家にお世話になるホーム・ステイ形式。生徒たちはそれぞれの家庭に迎えられた。百合子の相手はロバート・ウェリントンだが、歓迎会にも姿を見せず、誰も彼について話そうとしない。そんな時、友達のひろ子から、ロバートはもう死んでいる、と聞かされた。ウェリントン家には、重大な秘密が…。やがて百合子に恐ろしい出来事が待っていた。
留学中の夏休み、バイクでイタリアを旅行することになった美也子。目的地はローマ、パートナーはもちろん瞬。一度は想いをふっきったはずのひとと一緒に走るのを決めたのはバイクが好きだから、そしてやっぱり瞬が好きだから。陽気なイタリアの風の中を走るふたりに訪れるいくつかの旅のハプニング。この旅の終わりには一体何が待っているのだろう?瞬と美也子のバイク物語、第3弾。
ワ〜イ、今日から高校生!新しい制服に身を包み、美少年との恋の予感に心ときめかせていた15歳の高倉泉。ところがチカンから助けてくれたのはいいけれど、失礼なことをズケズケいうヤツ、北見悠紀が同級生とわかって気分はダウン。しかもコイツ、あこがれの美形、北見政弘と双子の兄弟なんだって!?衿子という友だちはできたけど、初日から泉の学園生活は、恋と友情に波乱ぶくみ…。