出版社 : KADOKAWA
近畿地方の田舎町。長命商店街の娘、田中景子は、京美の“グループ”に入りたくてたまらなかった。“可愛い女子のグループ”に。Jみたいな子が入れて、なぜ自分は入れないの?私とJは何が違うの?同級生Jへの嫉妬に苛まれながらも、初恋にときめいたあの頃を景子は回想する。「青痣(しみ)」。『ツ、イ、ラ、ク』のあの出来事を6人の男女はどう見つめ、どんな時間を歩んできたのか。表題作「桃」を含む6編を収録。
アルテミス・ファウルは、伝説的な犯罪一家に育った12歳の天才少年。「妖精の書」を解読したアルテミスは、妖精の黄金を手に入れようともくろむが、本物の妖精たちは、ハイテクで武装した危険な集団だった!
始まりは深夜の電話だったー。七年前に別れた久瀬の息子の慶太が誘拐された。犯人から身代金の運搬係に指定されたのは探偵の久瀬だった。現場に向かった久瀬は犯人側のトラブルに乗じて慶太を助けることに成功するが、事件の解決を待たずに別れた妻・恭子が失踪してしまう。久瀬は恭子の行方と事件の真相を追いながら、再会を果たした慶太との共同生活を始めるが…。
『千里眼の水晶体』で死線を超えて蘇ったあの女が東京の街を駆け抜ける! メフィスト・コンサルティングの仕掛ける罠を前に岬美由紀は人間の愛と尊厳を守り抜けるか!? 新シリーズ書き下ろし第6弾!
荒廃した平安京の羅生門で、死人の髪の毛を抜く老婆の姿に、下人は自分の生き延びる道を見つける。表題作「羅生門」をはじめ、初期の作品を中心に計18編。芥川文学の原点を示す、繊細で濃密な短編集。
無頼の生活に明け暮れた太宰自身の苦悩を描く内的自叙伝であり、太宰文学の代表作である「人間失格」と、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描き、命日の由来にもなった「桜桃」を収録。
妹の婚礼を終えると、メロスはシラクスめざして走りに走った。約束の日没までに暴虐の王の下に戻られねば、身代りの親友が殺される。メロスよ走れ! 命を賭けた友情の美を描く表題作など10篇を収録。
昭和のはじめ、瀬戸内海の小島に赴任したばかりの大石先生と、個性豊かな12人の教え子たちによる人情味あふれる物語。戦争のもたらす不幸、貧しい者が常に虐げられることへの怒りを訴えた不朽の名作。
おれは産業スパイとして研究所にもぐりこんだものの、捕らえられる。相手は秘密を守るために独断で処罰するという。それはテレポーテーション装置を使った地球外への追放だった。傑作ショートショート集!
大政奉還から戊辰戦争へ…。幕末の争乱は最後の激動を見せ、慶応は明治と改元された。中村半次郎、改名して桐野利秋。日本初代の陸軍少将として得意の日々を送るが、国情はなお不穏。征韓論をめぐって新政府は二つに分かれ、西郷は鹿児島に下った。その後を追う桐野、刻々と迫る西南戦争の危機…。城山での壮絶な最期を終章に中村半次郎の後半生を描き、爽快な感動を呼ぶ完結編。
「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと…」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に“唐芋”とさげすまれる貧亡郷土の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である。時は幕末、ふとした機縁で西郷吉之助に見込まれ、国事に奔走するが、卓抜の剣技は血なまぐさい暗殺を重ね、“人斬り”の異名は、次第に高まってゆく。激動する時代の中に一快男児の熱血の半生を描く、傑作小説の前編。
辻山は探偵事務所に勤める43歳。責任感もありまじめだが、やることはドジばかり。そんな彼が命令された仕事は、あと5日で親のいるアメリカに出発する、元気が過ぎる女子大生直美の監視兼ボディガードとおもり。気づかれないように後をつけるが、あっという間に尾行はばれてしまう。直美に翻弄される辻山の許に、元妻の幸子がギャングに追われ飛び込んで来た。跡取りを殺した疑いをかけられ、狙われているのだというー。
近未来、急速に軍国主義化する日本。少女だけで構成される武装組織『プロメテウス』は猛威をふるっていた。戒厳令下、反対勢力から、体内に爆弾を埋めた3人の女性テロリストが首相の許に放たれた……。
傾きかけた船の修理工場の息子・神崎弘人は、横浜のジュエリーショップのお嬢様・月丘菜緒と出会う。冷たくかじかんだ弘人の心は菜緒の真っ直ぐな笑顔に溶けていくが、ふたりを引き裂く事件が起こり……。
小さな地方都市で起きた、アパートの全焼火事。そこから焼死体で発見された少女をめぐって、明帆と陽、ふたりの少年の絆と闇が紡がれはじめる──。あさのあつこ渾身の物語が、いよいよ文庫で登場!!
超有名進学校が武装集団に占拠された。人質となった教師を助けたければ、広大な校舎の各所にばらまかれた2000ものピースを探しだし、パズルを完成させなければならない!? 究極の死のゲームが始まる!
僕は《在日韓国人》に国籍を変え、都内の男子高に入学した。広い世界へと飛び込む選択をしたのだが、それはなかなか厳しい選択でもあった。ある日僕は、友人の誕生パーティーで一人の女の子に出会ってーー。
池田小学校事件の衝撃から一気呵成に書き上げた表題作はじめ、ささやかで力強い回復・再生の物語を描いた必涙の短編集。人生の道程は時としてあまりにもハードだけど、もういちど歩きだす勇気を、この一冊で。
脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女の心に残されたのは、幼い頃に経験したという「凄まじい恐怖の記憶」だけだった。突然の白い閃光、ショウリョウバッタの飛ぶ音、そして大勢の子供たちの悲鳴ー。死を目前にした母を今なお苦しめる「最後の記憶」の正体とは何なのか?波多野森吾は、母の記憶の謎を探り始める…。名手・綾辻行人が奇蹟的な美しさで紡ぎ出す、切なく幻想的な物語の迷宮。