1982年発売
桃園で誓いを立てた劉備・関羽・張飛が、黄巾の賊を破り、漢室復興への第一歩を印す、壮大な大河ドラマの開幕。──元禄2年(1689)の序がある湖南文山訳の『通俗三国志』に150年後、二世葛飾戴斗が挿画を付し、天保12年(1841)に『絵本通俗三国志』は完結した。本書はこれを底本とし、原文の味わいをそこなわない範囲で新たな校訂を加えた。
曹操は呂布を破り、帝を迎えて権力を掌中にする。曹操の横暴に対して、玄徳は秘計をめぐらし、静かに時をうかがう。──元禄2年(1689)の序がある湖南文山訳の『通俗三国志』に150年後、二世葛飾戴斗が挿画を付し、天保12年(1841)に『絵本通俗三国志』は完結した。本書はこれを底本とし、原文の味わいをそこなわない範囲で新たな校訂を加えた。
著者の霊覚にうつし出された、釈尊の法話、精舎での日々、阿難を中心とする沙門たちの解脱から涅槃まで、治乱興亡の世に救いを求める人々の群等を、清明な筆で綴る叙事的ロマン。 一読、自分の心奥の変化に驚く名作。
王朝貴族の間に広く愛唱された、白楽天、菅原道真の詩、紀貫之の和歌をはじめ東西の珠玉の歌謡集である。詩歌管絃に秀でた藤原公任の洗練された感覚で選びぬかれた俳句秀詩は、自然の美をあまねく歌い、男女の愛怨の情(こころ)を綴り、千年経た今日なお人々の心に共感をいざなう。詩を口ずさめば平安宮廷の美とともにシルクロードの遠いかすかなため息も聞えてくる。『平家物語』以下中世文学に多大な影響を与えた文芸史上権威ある作品でもある。 1 巻上 1.春 1.立春 2.早春 3.春興 4.春夜 5.子日(ねのひ) 6.若菜 7.3月3日 付桃(さんぐゑつさんじつつけたりもも) 8.暮春 9.3月尽(さんぐゑつじん) 10.閏3月(うるふさんぐゑつ) 11.鶯 12.霞 13. 雨 14. 梅 15. 紅梅 16. 柳 17. 花付落花(はなつけたりらくくわ) 18. 落花 19. 藤 20. 躑躅(つつじ) 21. 款冬(くわんどう) 2.夏 1.更衣(かうい) 2.首花 3.夏夜 4.端午 5.納涼(だふいしやう) 6.晩夏 7.花橘 8.蓮(はちす) 9.郭公(ほととぎす) 10. 螢 11. 蝉 12. 扇 3.秋 1.立秋(りつしう) 2.早秋(さうしう) 3.七夕(しつせき) 4.秋興(しうきょう) 5.秋晩(あきのくれ) 6.秋夜(あきのよ) 7.15夜付月(じふごやつけたりつき) 8.月 9.9日付菊(くにちつけたりきく) 10. 菊 11.9 月尽(くぐゑつじん) 12. 女郎花 13. 萩 14. 蘭 15. 槿(あさがほ) 16. 前栽(さんぜい) 17. 紅葉 18. 落葉(らくえふ) 19. 雁付帰雁(かりつけたりきがん) 20. 虫 21. 鹿 22. 露 2
死の直前に編まれた著者自選の第三短編集。三島文学の中心的なテーマをなしたロマネスクな世界への憧憬と日常世界との関係を、反時代的な主人公によって象徴的に描き、現代における貴種流離や異類の孤立の意味を追求した作品を集める。子供から大人へと成長していく精神の軌跡と、倒錯した性にからむ肉体的嗜虐の世界を描く表題作や『獅子』『三熊野詣』など9編を収める。
麻雀は自信だ。若者はそう信じていた。初めての他流試合、若者は麻雀業者の看板を揚げているプロに戦いを挑んだ。勝負は半荘四回。若者のすべり出しは順調だったが。勝負の凄まじさと怖さを描く傑作短編集。