1987年発売
強力な魔法を使って旅行者を襲うファイアーロードを倒す、というのが今回の任務だ。厳重な防備がほどこされたファイアーロードの砦には、これまでに何度も遠征隊がさし向けられたのだが、すべて砦にたどり着くこともできずに全滅させられてしまっていた。あなたはたったひとりでこの恐怖の砦に乗り込み、みごとファイアーロードを倒せるだろうか?
本書は、平安朝初頭以降、鎌倉初頭以前に成った日本漢文学作品に見える語彙の中、日本人名・外国人神仏名・官職名・地名・建造物名・書篇名・詩題・年紀の8部門につき、各別個に作製した索引である。
男の肌はいとしい。そして、男の吐息が調合する空気はかけがえのないものだ。愛しているという言葉、それはただの音楽だ。美しい音楽。軽々しく使われるべきあどけない言葉。私はこの島で決して性愛に不自由していなかった。けれど、恋することに不自由していた。
「私」は北満・孫呉を守る上等兵。同じ中隊に貴三郎と名乗るテキ屋上がりの初年兵が入隊してきた。坊ちゃん育ちの私は驚くばかり。その貴三郎の生活訓練を私が受け持つとは!入隊式の日、貴三郎は早速、暴れた。が、私は彼に人間的な愛を感じていく。中隊に移動命令が下った。「列車を切り離して脱走を」と考えた2人は…。
どんな不幸にも決しておおらかな気持を失わず、馬鹿がつくほどの正直者で他人のためにただ働きばかりしているお人好しの老婆。無限のいつくしみをもって描かれたこの『マトリョーナの家』の主人公の姿には「古き良きロシア」のすべてがぬり込められている。ほかに『クレチェトフカ駅の出来事』『公共のためには』など珠玉の3篇。
徹夜の訊問明けに舞いこんだ手紙を読んで、ウェクスフォード首席警部は怒りに震えた。十六年前にヴィクターズ・ピースという名の屋敷で発生した女主人殺し。初めて担当した殺人事件ながら、彼が絶対の自信をもって解決したこの事件に、手紙の主である牧師は真っ向から疑問を投げかけたのだ!過去の殺人をめぐる意外なドラマを鮮やかな筆致で描いた、レンデル初期の傑作長編。
湘南海岸にある古めかしい西洋館。館につきまとう過去の亡霊たちはいま青い灯をともす。自動車事故で演奏活動を断たれたヴァイオリニスト霧生冴子はこの館の主の一人娘美也のレッスンを頼まれた。破格なレッスン料、閉ざされた秘密の庭園、館の中でおこる数々の不可解な出来事。冴子の周囲は次第に暗い炎に包まれる。
南仏、地中海のフローラル島。岬の突端にある別荘で、宝石が盗まれ、女主人由衣子が殺された。前夜、友人たちを集めて28歳の誕生日を祝った彼女は、宝石デザイナーとして成功し、東京にも店を置こうとしていた矢先だった。招ばれて現場にいたミスティ・ガール紅子が事件を追う。次々と現れる意外な事実。グランプリ受賞の宝石をデザインした謎のデザイナーは…?
鎌倉時代前期、武家階級に活力ある政権を奪われた京都では、古来の政治・経済の基盤を失いかけた貴族たちは退廃的な生活にひたっていた。この風潮の中で、家柄と容色と才智にめぐまれた、久我雅忠の女がその異常な生涯を自らの手で記したのが『とはずがたり』である。14歳の春、無理に後深草院の後宮にされて一皇子を生みながら、複数の男性とも愛欲の生活を続ける大胆・奔放な生き方、体験を露骨に記述する文学史上特異な作品。
切りたった断崖から、美貌の人妻が消えてしまった!莫大な遺産相続にからむ欲と殺意。アメリカから一時帰国した彼女は誰に呼び出され、そして突き落とされたのか。死体なき殺人事件に隠された恐るべき陰謀と、鉄壁のアリバイ。意表つく大トリックと手書き地図の謎-。国鉄ダイヤ最後の事件、書下ろし本格推理!
寝台特急「富士」に乗っている男が、この殺人現場に立てるか?日向・札幌・東京で起った殺人事件の真犯人を追って、黒江壮・笹谷美緒の探偵コンビが犯人のめぐらした緻密で巧妙、大胆なトリックに挑戦し、鉄壁のアリバイを打ち崩すスリルとサスペンスあふれる本格長篇書下ろしミステリー。
東京・世田谷で白昼、弁護士夫人が絞殺された。最重要容疑者は夫・三田村行雄だったが、犯行時刻、彼は1000キロ離れた鹿児島におり、秘書からの電話を受けていたことが確認された。転送電話を使ったりはしていない。警視庁“独立捜査班”高月圭一は、三田村夫婦の過去の秘密に迫り、鉄壁のアリバイに挑むが…。
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。
ユーモアと恐怖が交錯するミステリー傑作集。親友の夏美が引越したばかりのアパートで殺されてしまった。前夜泊まり込んでいた悦子は、警察の鈍い捜査にいらだち、自分で犯人捜しに乗り出した。なぜ犯人は密室の鍵を開けていったのか。表題作など、軽やかな都会派ミステリーの魅力があふれる6編を収録。
少年は人のこころを読みとることができた…。少年は空を飛ぶことができた…。少年はいくさの中で人々に勇気を与えた…。自らの死を通して、人人に「生きることの美しさ」を残して逝った少年“あいつ”は、今はあなたの心の中で生きている。著者初めての日本語による書下ろし長編ファンタジー。
ふつう鬼というと、まず地獄の赤鬼あたりを連想するんじゃないかな?ところがどっこい!物語は、雨の夕刻、六本木交差点の路上から始まるー。男は横断歩道の中ほどで、足をもつれさせるようにして倒れこんだ。すぐ横を歩いていた外人の紳士が、ひと言ふた言声をかけながら、男に手をさしのべた。「グルルルル…」すると、倒れた男は意味不明の声をあげ、外人の手をはねのけた。その次の瞬間、異様な叫びを放ったのは、男の顔を覗きこんだ外人のほうだった。-人類の破滅をもくろんだ鬼が超能力を操り、ここに復活した!