1987年発売
切りたった断崖から、美貌の人妻が消えてしまった!莫大な遺産相続にからむ欲と殺意。アメリカから一時帰国した彼女は誰に呼び出され、そして突き落とされたのか。死体なき殺人事件に隠された恐るべき陰謀と、鉄壁のアリバイ。意表つく大トリックと手書き地図の謎-。国鉄ダイヤ最後の事件、書下ろし本格推理!
寝台特急「富士」に乗っている男が、この殺人現場に立てるか?日向・札幌・東京で起った殺人事件の真犯人を追って、黒江壮・笹谷美緒の探偵コンビが犯人のめぐらした緻密で巧妙、大胆なトリックに挑戦し、鉄壁のアリバイを打ち崩すスリルとサスペンスあふれる本格長篇書下ろしミステリー。
東京・世田谷で白昼、弁護士夫人が絞殺された。最重要容疑者は夫・三田村行雄だったが、犯行時刻、彼は1000キロ離れた鹿児島におり、秘書からの電話を受けていたことが確認された。転送電話を使ったりはしていない。警視庁“独立捜査班”高月圭一は、三田村夫婦の過去の秘密に迫り、鉄壁のアリバイに挑むが…。
怪事件は、ひとりの画家の遺書から始まった。その内容は、6人の処女から肉体各部をとり、星座に合わせて新しい人体を合成する、というもの。画家は密室で殺された。そして1カ月後には、6人の若い女性が行方不明のあげくバラバラ死体となって…。奇想天外の構想、トリックで名探偵御手洗潔をデビューさせた、衝撃的傑作。
ユーモアと恐怖が交錯するミステリー傑作集。親友の夏美が引越したばかりのアパートで殺されてしまった。前夜泊まり込んでいた悦子は、警察の鈍い捜査にいらだち、自分で犯人捜しに乗り出した。なぜ犯人は密室の鍵を開けていったのか。表題作など、軽やかな都会派ミステリーの魅力があふれる6編を収録。 罠の中の七面鳥 サイドシートに赤いリボン 危険がレモンパイ がんじがらめ 火をつけて、気をつけて 開けっぱなしの密室
SF作家にして名探偵の栗本薫クンは逗留先の軽井沢で、女流作家藤波武子女史からアイドル歌手朝吹麻衣子を紹介され、すっかり心を奪われてしまう。その夜から藤波女史の別荘に泊ることになった薫クンは、奇妙な連続殺人事件に巻き込まれる。ご存知伊集院大介と栗本薫の豪華二大スター夢の競演!
夏の軽井沢、藤波武子女史の別荘内外で起こった連続殺人事件に巻き込まれた栗本薫クン。事件の背景にアイドル歌手朝吹麻衣子一家の暗い過去があるとにらんで、真相究明に乗り出す。ポワロVSミス・マープルにも匹敵する夢の対決、伊集院大介VS栗本薫がくりひろげるはじめての推理合戦の結果は?
少年は人のこころを読みとることができた…。少年は空を飛ぶことができた…。少年はいくさの中で人々に勇気を与えた…。自らの死を通して、人人に「生きることの美しさ」を残して逝った少年“あいつ”は、今はあなたの心の中で生きている。著者初めての日本語による書下ろし長編ファンタジー。
ふつう鬼というと、まず地獄の赤鬼あたりを連想するんじゃないかな?ところがどっこい!物語は、雨の夕刻、六本木交差点の路上から始まるー。男は横断歩道の中ほどで、足をもつれさせるようにして倒れこんだ。すぐ横を歩いていた外人の紳士が、ひと言ふた言声をかけながら、男に手をさしのべた。「グルルルル…」すると、倒れた男は意味不明の声をあげ、外人の手をはねのけた。その次の瞬間、異様な叫びを放ったのは、男の顔を覗きこんだ外人のほうだった。-人類の破滅をもくろんだ鬼が超能力を操り、ここに復活した!
池禅尼(平清盛の義母)の涙の嘆願で頼朝は命を救われた。伊豆へ流された頼朝は仏道三昧の日々に身をやつして再起の時を待つ。だが平家の権勢は衰えを知らず、苦渋にみちた十数年の歳月が流れる。彼の無聊の青春を救ったのは、伊東祐親の姫との恋、それに破れて頼った北条時政の娘政子との結婚であった。
長州藩きっての俊才として吉田大治郎(松陰)の前途は明るい。だが時代の嵐を察知する彼の目は外へ外へと向けられた。九州遊学中に出会った山鹿万介、宮部鼎蔵(ていぞう)らの烈々たる尊皇攘夷の弁、平戸で見た数多くの黒船や異人の姿、大治郎は外圧の高まりを身に刻んで知った。彼は叫ぶ、神州の民よ、めざめよ、と。 母系草 陽は陽を孕む 青竹の目 知慾の鬼
内憂外患の激動期。松陰はついにアメリカ密航を決意した。1854年3月28日早暁、めざすは下田沖に停泊中のペリー艦隊。松陰は盟友金子重之助と共に勇んで小舟を乗りだした……。日本を憂い、自ら維新の起爆剤となって行動し、30歳で散った変革期のリーダー吉田松陰の生涯を描く。完結篇。 学徒の咆哮 世界の呼吸 蹉跌の哲学 至誠の格闘 誓って神国の幹となさん 松陰の分身たち 大獄の呻き とどめおかまし 付記
杉丸だけが華雅学園に通うことになったので、うららの提案で壮行会をやることになった。香織さんも加わって、それはにぎやかなこと。帰り道、送ってくれた朱海さんを、またまた意識してしまう。「愛するって、戦うことよ」という杉丸のことばが思い出される。高校のクラスメイト、かわった人たちばかり。中学の時に世話になったツル先生に呼ばれた。波瀾にとんだ高校生活の幕開けになりそう。
それは春、猫のシーズンたけなわのころだった。陽気に誘われて、つい散歩に出たおいら(タマ)は、公園で知見らぬ白猫と出会った。犬のようにデカイそのメス猫は、恥ずかしそうに「チビといいますの」と自己紹介した。話をきいてみると、最近、越してきたばかりの飼い猫で、迷子になってしまったらしい。そのチビが、「おそばにいても、よろしいですか?」と、おいらに身をすりよせてきた!
美女丸んちで眠りっぱなしだったあたし(マリナ)が、ふと目を覚ますと、そこはなんと棺桶の中っ!あせりまくったあたしだったが、気を静めてよく見回すと、棺桶ではなく美しい輿に寝かされて運ばれていたのよ!輿を担いでる人たちも、前後につき従う人たちも、古代ローマの服を着た外人さんたち。おまけに、まわりの景色や建物は、ローマ帝国そのまま。いったい、ここはどこなのっ!
ぼくの露子がアメリカ留学から帰ってきて、やつ(彰彦)のうさぎが駆けおちから戻ってきて、そしてもう一度、暑い夏がやってきた。そんなある日、ぼくたちはテレビのニュースで偶然、蒸発した吉田ふみ子さん(田沢さんの姉であり、まみちゃんの母である人だ)を見てしまった。うさぎの清美ちゃん、露子、ぼくの三人は、まみちゃんを連れて、大阪までふみ子さんを探しに行くことになった…。
伸次さんに会いたいなァ。プロポーズはいつかしら…なんて、のんびり夢想していたあたし(留那)は、TVのニュースにぶっとんだ。“火星人が独立宣言。月まで占領”だなんて!!伸次さんは今、月に出張中。人並はずれたおっちょこちょいの彼、無事でいるのかしら?矢もたてもたまらず心配になったあたしは、伸次さんのハデハデ模様のギターをしょって、パパとふたり、月へ行くシャトルに乗った!
20世紀の終わり、政府は支配するための人口都市を関西に造った。その象徴が神殿で、教祖によって新たな階級制を作りあげようとしていた。当然、支配に反対する者が急増した。革命家、カラス、バクダン屋、ネコたちは、同じ隠れ家に住む反対者の仲間だった。全員がそれぞれ、特別の能力をもっていた。革命家が街でふしぎな少女ビィを拾ってきたころから、警察の手入れがはげしくなった。