1988年3月発売
キャシーは37歳。兄クリスと2人の子供、ジョーリイとバートと共にサンフランシスコ近郊に住んでいる。ジョーリイは14歳、バートは9歳に成長していた。平隠な日々を送っているかに見える家族。が、過去の忌わしい記憶で頭が混乱したバートの言動がしだいに変化しはじめた。黒いヴェールの老女と出遇った時を境に彼は狂暴化する。本書、ドーランギャンガー・サーガ第3作目の主人公は、ジョーリイとバートである。2人の眼と耳を通して物語は進行していく。
永禄3年、激しい戦いの末、飯盛山城を落城された三好長慶は、城内で女陰に男根を挾み込んだまま吊されていた若い裸女の無残な死体を発見した。しかも腹部には“八百比丘尼”という謎めいた血文字が記され…。800年もの間眠り続けているという伝説の美女ー八百比丘尼に崇られた三好一族の悲惨な末路を描く『比丘尼草子』他傑作時代ホラー小説集。
シャネルの香りにまじりあう獣めいた雌の匂いー。貪欲な真弓の亀裂はむせるような魔性の香りを放ち夜ごと男を惹付ける。パトロン、若い部下、ゆきずりの男、そして、実の弟までもー。男たちは肉の奴隷となってその淫れた性宴は輪舞曲のように果てしなく続く。
深夜のコンビニエンスストアに出入りする様々な女たちー。医者の年若い後妻は18歳の熱鉄のような肉茎を求め、美貌の女弁護士は店長の巨根に淫蜜をあふれさせ、満たされない人妻は初めての絶頂に涙をながすー。獣欲渦巻く中、バイトであらわれた16歳の美少女。新たな凌辱の獲物に牡たちの肉茎は先ばしりを滴らせはじめる。
奇怪な15事件のナゾに挑戦し名探偵の推理の盲点をつきながら真犯人を再捜査した興味つきない裏づけ報告書…推理小説と探偵ゲームが同時に楽しめる本。
文学のみならず、20世紀の社会思想に広範かつ決定的な影響を与えたカフカの傑作短篇を精選して収録。カフカ文学の一大転換点ともなった記念碑的作品「判決」をはじめ、長篇「アメリカ」の序章ともいうべき「火夫」、アフォリズム的断章を積み重ねた「彼」など21篇を、長谷川四郎の名訳でおくる。
土から離れ、切り割りされた都会の空間で“生”を営む現代の姿を、ワンショットで捉えた断片を積み重ねるという斬新な手法で描いた表題作に、生の飢餓感を満たそうと彷徨う“性”の実相を見事に浮彫りにした中篇「裸」を収録。
35万両の大金と共に忽然と江戸から消えた長崎平戸屋仁右衛門…。その父の復讐を誓い策を弄する娘・お美津。何かを探ろうと苦心する娘曲芸師小狐太夫と、阿保八と名乗るのんびり浪人の2人旅は…。欲に憑かれた者たちが江戸から安房へそしてまた江戸へ。波瀾の人間葛藤を描く大長編!
淑恵夫人にとって、他人の目に晒すことは最高の悦楽だった。藤巻が背後からいきり立つものを夫人の秘唇の溶けきったあわいにあてがうと、夫人は腰をまわすように蠢かせて、美和子に叫んだ。「いいわぁ、見て、見てぇ」赤坂でブライダルセンターを営む藤巻は、実は不倫請負人でもあって、自らも、白い獣となって悶え狂う女たちの快楽の相手を努めていた。ハードなラブプレイで迫る官能サスペンス長編。
現代のキリストたる破門神学生アヴジイ・カリストラートフの麻薬採集秘密組織潜入、広大なカザフの原野に展開する狂気のような野獣狩り、追われる母狼アクバラの子を思う哀切な咆哮!いま辺境の文学が世界の読書界を席捲しつつある!停滞し腐蝕するソ連社会に挑む雄渾な文学!
ふりかかる火の粉、いや火の弾は自分で払う!それが竜堂家の超能力四兄弟のやり方だ。「創竜伝」第1作で得たスーパー人気はダテしゃない。四兄弟を手に入れようとする権力者も後をたたず、東京の新名所で兄弟の怒りが爆発する。圧倒的迫力でノベルス界を疾走する痛快爽快壮絶シリーズ、お待たせの第2弾。