1988年6月1日発売
百合子は教会の近くで泣いているスペインの青年と知り会い、スペインにいる恋人が貧しさのため大富豪と結婚しようとしていることを聞いた。スペインに帰る旅費もない彼を、百合子は悠馬とマリリンに引きあわせ、スペインに戻れるよう取りはからってやった。実は悠馬は大ドロボーでお金持ちでもあった。この夜、自宅に帰る途中、百合子は赤シャツの男たちに襲われ、気を失ってしまった。
みちのくへ旅に出た蘭子たちを心よく迎えてくれた貴子とその兄・明彦。ところが蔵王へのドライブ中、“キミはテコンドをやるね”と明彦に言われてビックリ。一体、なぜ…!?シリーズ第3弾。
“きみはもうぼくのもの…”堅琴の月の夜に現われたヒマラヤ杉の精。その低くやさしい声に、わたしは恋をしたの。夢みる少女・風祭夢摘の恋のゆくえは!?「恋いっぱいのシュークリーム」続編。
大学生になって初めての夏休み。久里子は家に帰らず、アルバイトを探し始めた。…だって恋しいアイツ、吾市と離れたくないから。だけどなかなか“好き”って言えないの。人気シリーズ第5弾。
両親の離婚から10年。あたしはママとの約束どおり、1度もパパと兄キに会っていない。…なのに、いきなり“会ってこい!”だなんて横暴よ!おまけに恋までやってきて大波乱の15の夏物語。
あたしこと斎藤由梨はプロレスとマンガをこよなく愛し、知的でクールな放浪の詩人・スナフキンに憧れる、ごくフツー(?)の女子高生。幼なじみの悪ガキ・コージとプロレス観戦の帰り、ひょんなことから知りあったひとりの文学青年(しかも美形)にギブアップ!由梨のはつらつラブ・コメディ。
昼はOL、夜は探偵ー二足のワラジを履く花子はユニークなキャラクターで難かしい事件に体当り。南条・青野の両刑事を向うにまわして今夜もファッショナブルに町をゆく。日比谷、東京ドーム、代々木公園と東京再発見を兼ねた犯人さがしの末、事件は意外な結末を迎えた。キスより刺激的な、思いもかけない真犯人に迫る花子探偵の初仕事。
麻子、24歳。フランス留学から帰って三年半。仕事は料理の本の翻訳。恋人は兄の友人で、妻子ある鷲見信一。いつかは別れなくては、と思っているが…。或る日、留学中の恋人でモロッコ人のハミッドが、麻子への想い断ちがたく、結婚してくれと成田空港から電話をかけてきた。二人の男性、恋愛と結婚の間で揺れ動く女ごころを描いた、著者初めての書下し恋愛小説。
綾子、19歳。土佐の開拓団の子弟教育のため、夫の要の満州(現、中国東北部)行が決まると、大陸での生活を夢み、生後50日目の美耶を抱え、故郷を旅立った。広野での生活は不便さ半分、楽しさ半分だったが、戦局は悪化し、やがて日本の敗戦が知らされた…。宮尾文学の原点、自伝的長篇小説。
夫と美耶、20歳の綾子、満州(現・中国東北部)での生活は、日本の敗戦により逆転、凄絶この上ない地獄絵が展開された。飢えと病におびえながら、飢餓の極限状況の中で、炊事やおむつ洗い等々の日常生活を強いられ、ただ、ひたすら生きのびようと、逞しく戦っていった。…宮尾文学の原点、自伝的長篇小説。
裕福に暮らしながら、建築設計士の夫を裏切り若い男と密通する房子。事件の処理をまかされ、話をつけるため京都を訪れた雄三は、「大文字」の送り火の激しいゆらぎのなかに、嫂・房子への不思義な罪の共犯意識を覚えはじめる。家庭の秩序を超えてまで房子が求めようとしたものは何か?罪障を償うことも許されぬまま生きる人間の姿を描く会心作。
箱舟沈めて5億円、濡れ手で粟の保険金。詐欺師チームの行く先は波涛は燃える日本海。CIAの乱入で足を伸ばしてソ連領。叫ぶは百舌かマンモスか、連れに来ました要人を。スラプスティックな冒険の眠りなき夜の大長編。
ジェイムズ・ヘリオットはイギリスのヨークシャで獣医をしながら、70年代より作家としても活躍。動物への愛情にあふれた著書は、発表されるたびに欧米でベストセラーに入り、幅広い読者を得ている。名医ヘリオット先生のユーモアと感動の犬物語。
現金輸送車が襲撃された。犯人に名を呼ばれたことから当然疑いをかけられた運転手は、潔白を主張した。彼は、急に病欠した同僚に代って運転手を務め、事故に遭ったのだった。度重なる取調べと周囲の冷たい目に耐え切れず、彼は独力で真犯人を追うが、そのまま失踪してしまう。夫を信じる妻も又、孤独な戦いを挑むがー。社会の谷間で傷つく弱者を描き続ける著書の書下ろし長編。
13歳になったぼくは、前科二犯の父さんと結婚詐欺師の母さんに連れられて、一流の泥棒になるべく修行の旅に出た!ところが大変、抗争中のヤクザにおだてられて敵の親分さんのチワワを盗み出すはめになっちゃうし、ヘンな宗教団体には追いかけられるし、ぼくらの前途は多難。ぼくは立派な泥棒になれるだろうか?そして父さんはおじいちゃんの敵を討てるだろうか?
先端技術企業の金庫から機密資料が漏洩した。容疑者の守衛は無罪。その判決直後のある日、都内の火葬場の炉から出された遺骨にもう一つの髑髏が。一見無関係な場所で発生した二つの事件の背後に、競合会社の思惑と、謎の金庫破りの名人の存在が見えかくれする。守衛の上司の総務部長は独自の調査を開始するが…。元東大医学部教授の著者が専門知識を生かして描く本格推理長篇。