1988年6月1日発売
愛する妻の貞節を信じ切れない夫は試しに妻を誘惑してみてくれと親友に頼みこむが…。突飛な話の発端から、読む者をぐいぐいと作者の仕掛けた物語の網の目の中に引きずりこんでゆくこの「愚かな物好きの話」など4篇を精選。『ドン・キホーテ』の作者(1547-1616)がまた並々ならぬ短篇の名手であることを如実にあかす傑作集。
一条寺文麿往くところ、巷は戦場と化す。今回は京都。古都は風前の灯だ。…尾花建設の令嬢マリが京都を根城とする暴力組織『新鮮組』に誘拐された。観光会館入札にからむトラブルだ。最愛の女性を奪還すべく過激に封鎖された京都に乗りこむ文麿。待ちうける罠、予想外の恋。ノンストップロマン第3弾。
連続殺人の舞台は、吊橋を渡った断崖に建つ洞洛館だった。その橋が落ち、館そのものが密室になる。大垣洋司が大学の夏休みを利用して洞洛館を訪れた時、すでに仕掛けは緻密に張りめぐらされていた…。壮大にユーモラスに精巧に構築された「新本格探偵小説」ここに誕生。
国際情報小説の旗手・中村敦夫の力作第二弾。バリ島開発の利権をねらう日本商社は、故スカルノ大統領夫人を利用して、右翼の重鎮・工藤の担ぎ出しを計る。インドネシアの現代史に深い関わりを持つ工藤を迎え撃つ、イスラム過激派集団。秘密情報機関ドッギーズの日本拠点員・堂田将司が激発する事件を追う。
一流ホテルの社長が誘拐され、結局、奇妙な場所で救出された。その後、犯人から「ホテルの営業を停止せねば、飲食物に毒物を入れる」との脅迫がくる。さらにホテルでのメイド転落死事件も発覚。社長から特命捜査を依頼された畑中は、メイドの死の謎を探るうち、得体の知れぬ巨大な圧力を感じ、闘志を燃やす。
花の都はパリ大学の精神医学教室に留学した少壮精神科医。そこに待ちうける多事多難、青春喜劇の数々。-個性豊かな留学生仲間との交遊、アラビア王家の血筋をひくスペイン娘との恋。陰鬱な北フランスの冬。そして、盗難、自動車事故。自伝ふうユーモア小説“頭医者シリーズ”3部作完結編。
今から、およそ100年前、北アメリカのウィスコンシン州にある「大きな森」の中の丸太で作った小さな家に、小さな女の子が住んでいた。その女の子の名は、ローラ。姉のメアリーと、妹のキャリーの三人姉妹。不屈の精神をもった父さんと優しい母さんのいるインガルス一家だ。アメリカの開拓者の生活を生き生きと描いた「大草原の小さな家」物語の第1作。
ローラの一家は、ある日、小さな家の家財全部を馬車につんで、大きな森をあとにした。父さんが、新しい土地で暮らしてみる決心をしたのだった。目ざすは、西部の大草原、インディアンの国。旅が始まってすぐ、ローラたちは、流れのはげしい川の中で、犬のジャックを見失ったー。きびしい自然を相手にたたかうインガルス一家の物語の第2作。