1988年8月1日発売
まずしい漁師がアッラーに祈りながら網を打つと、2匹の猿がかかった。その猿を使ってまた網を投げると、たくさんの魚がとれた。彼の前には次々と運が開けはじめる。そして…(「貧乏カリーフの物語」)。ほかに「黄色い若者の物語」「ハサン・アル・バスリの冒険」など、たくみな展開が楽しめるお話の数々。
傍目に安逸をめさぼっているかに見えたマイフリート館。だが優しかった当主夫人は、ある夜、不可解な深夜の散歩に出た挙句、森の奥で殴殺されてしまう。誰が?何のために?捜査の進展とともに、館はしだいにその真の貌をあらわにしていく。そして人々の入り組んだ心理の綾の中にウェクスフォードが見いだした、ある衝撃的な事実とは…?
レムリア大陸最小の町ルクレオは、土地の急速な砂漠化のため危機に瀕していた。この危機から町を救うには、魔王の城に住む「ベルゼブルの竜」が持つ魔剣、アシュナードの力を借りるしかなかった。この剣が秘める再生の魔力だけが、土地の荒廃を押しとどめ、緑の大地をよみがえらせることができるのだ。第1回創元ゲームブック・コンステト入選作。スーパーアドベンチャーゲーム。
彼らは自らを〈人間〉と呼んでいた!南米大陸の果て、パタゴニアの海に舟を浮かべる狩漁の民アラカルフ。かつてマゼランは、ダーウィンは、宣教師たちは彼らに何をしたのか?西欧文明が誤解し、虐げ、滅亡に追いこんだ1民族に寄せる鎮魂の書。
名探偵フィリップ・マーロウに傾倒している北岡ハルミは新宿に事務所を構える“お嬢さん探偵”。ハルミは目下スキューバ・ダイビングに凝っている。婚約者の藤城昭夫と伊豆の富沢海洋公園へ。インストラクターの案内で海底を散歩中ハルミは魚の泳ぐ姿にみとれている間に昭夫たち一行とはぐれてしまう。不安と恐怖に襲われながらハルミは海底を夢中で泳ぎ回っていると、岩と岩の間に体を突っこんだ格好で女性ダイバーが死んでいるのを発見する。酸素を口に送るレギュレーターのホースは2本とも損傷していた。発見者として伊東署に呼ばれたハルミは付近で同じような事件が続発しているのを知り、昭夫の協力を得て、持ち前の行動力で事件解明に乗り出す。-私立探偵ハルミの青春と冒険をフレッシュ感覚で描いた長編ミステリー。
桜の怪?城山公園でのミステリー。大阪の若手漫才“ヒマラヤ探険隊”の森川保夫のコンビ石原弘司は、四国宇和島での仮設舞台で公演中、突然天井から落ちて来た丸太のせいで死亡した。過失?意図的殺人?-どちらも当てはまりそうもない。ところが通夜にやって来た被害者の祖父が棺を見据えて意外なことを言い出したのだ。「まだ、お許しにならんのか」そして「お前らのお父さんもお母さんも、あそこで死んだ。行ったらあかんのや、行ったら」。そのまま意識不明に陥ってしまった老人の謎を解くべく保夫は弘司の妹と再び宇和島を訪れる。そしてその2人にまた襲いかかったのは…。勇壮な和霊神社の祭礼に絡み合う怨念の行方を追う著者独自の浪華ミステリー傑作長編。
地上げ屋、フィクサー、悪徳医師、偽マルサ、ネズミ講。こんな虱のような連中は闇から闇へ片付けろ!泣きの涙で日を送る善良で気の弱い庶民がどれほど助かることか…。そこで登場する闇の仕置人、そのプロフィルは-。川野為五郎、新宿の居酒屋『文吉』を女房にやらせヒモ然としている。が、彼こそ中国カンフー陰流唯一の継承者。大貫勘三、50過ぎの元警視庁捜一のデカ。柔道5段、唐手3段、剣道4段、合気道2段。一条良基、新宿の名門寺院副住職。26歳、色白の美貌。西洋占星術が出来、手裏剣を使う。芦花リエ、フラメンコダンサー。24、5歳。美貌だが酷薄に仕事を片付けもする。そして闇の執行長。初老。浅草の裏通りに居を構え、仕置に決定を下す。-死!著者会心の秘拳仕置人シリーズ。
せいらは、プロ球団に入った一成に結婚を申し込まれた。それまでにいろいろな経緯があったが、承諾した。しかし、一難去ってまた一難、せいらの母親が娘を嫁に出すことに反対する。そのことを一成の父親に相談するが、そこでもひともめ。一成はいやけがさし、2軍落ちしても、野球に打ち込むーその行方?
香津は映画好きで、念願の映画会社宣伝部に入社した。そこで、亮介と会った。亮介は何かと香津の力になってくれた。が、仕事の関係でいま評判の映画監督・藤森と知り合った。香津は彼の強引さに反発しながらも、次第に魅かれていった。そして、藤森の真の人間性に触れていった。男と女の機微を描く。
無縁ゾーン上空で、空魔におそわれていたお守り助士すいさいを救ったために、お守りの楽園、「天地球」の難事件にまきこまれてしまったヘッドロココ、ヤマト神帝以下の聖戦士たち。しつように攻撃をしかけてくる悪鬼の手から、天地球を救うためにヤマト神帝たちは立ち上がった。秘宝の謎をとき、仲間の聖戦士とともに天地球の平和をとりもどすのは君だ。
その日、ボクは激しい頭痛とともに目ざめた。気づくとそこは、見知らぬ部屋のベッドの上。どうやら崖から転落して気を失っていたところを、通りがかりの男の人が助け、自分のベッドに寝かせてくれたらしい。礼を言おうとしたボクは、恐ろしいことに気づいた。自分がどこの誰なのか…。ボクは、自らの筆跡で残されていた“明神村・綾城”というメモを頼りに、記憶をとりもどすべく、その村を訪ねた。そこでボクは自分が少年探偵であり、綾城商事の会長であった故・綾城キクの死因について調査を依頼されていたことを知るのだが…。
「あなたの世界アルファールに、今あふれている邪悪な力は、いっときわたしの国をも滅ぼしかけたほどすさまじいものなのです。幸い、わがディリージュは放浪の騎士によって救われました。この国にも、救い主が必要です。そう、あなたが救い主のひとりとなるのです。あなたのほか、3人に同じペンダントを渡しておきました。それは互いに呼び合い、光り合います。仲間を見つけて協力し、闇の力を封印するのです」夢の中でディリージュの王女に会った少年マック。彼は心を決めた。暗く深い謎の迷宮に挑むことを。生きて帰れぬかも知れぬこの旅で、今きみの勇気が試される。
ボクは、父の仕事のつごうで、この町へ引っ越してきた。新しく行くことになった学校は、私立トキメキ学園というんだ。転校第1日目で、ボクはビックリ!なんと、スーパーアイドルのミポリンそっくりな女の子がいたんだ。ボクが一目ボレしてしまった彼女の名は、高山みずほ。ほかにも学園には、ヘンなやつやおもしろいやつがいっぱい。
ダイスケ、くりりん、ハカセは、小学校の仲良しトリオだ。ある日、図書館の掃除をしていた3人は、一冊の古びた本を見つけた。題名は「夢楽発明伝」。ぼろぼろの表紙を開いたときから、大冒険は始まっていた。頭脳明析なハカセの解読によると、その内容は『時間跳躍之機械(タイムマシン)』の製造法だというのだ。3人を乗せたタイムマシン『冒険号』は、時の彼方へと旅立った。ハリキリボーイのダイスケ、可愛くてちょっぴり生意気なくりりん、そしてハカセがくりひろげる、次元を越えたタイムトラベル冒険譚。