1988年発売
クリスタル湖キャンプ。20年前、この湖でひとりの少年が溺れてから忌わしい事件が相次ぎ、ある時期からここは閉鎖された。〈血のキャンプ〉そう町の連中は呼んでいる。ところが今年から再会されるという。そして、指導員のバイト高校生たちがやってきた。何も知らずに…。そう、今日は13日の金曜日。不朽の元祖スプラッタ映画完全小説化。
なぜ目覚めたのか、わたしには分からない。蒸し暑い夜だった。やがて目の前の衣装箪笥の扉が開き、中身のない夜会服が滑り出てきた。それは宙を漂い、窓を抜けて外へー。哀しくも恐ろしい表題作をはじめ、〈ゴーメンガースト三部作〉外伝とも言うべき「闇の中の少年」など、想像力の極北をきわめたピークがおくる怪奇と幻想のアラベスク全5編。
コブウェブ・ステーションでは太陽系最大の機密研究が進行していた。敵意を持つ知的生命体を発見するや、急襲し破壊するにたる力を有した人工生命体の開発である。…が、その17体の人工生命体が、研究ステーションを壊滅させ、いずこかへ逃走した!やがて追跡チームが編成される。獲物の暗号名は、“ニムロデ”。新時代の本格派が放つ大型SF。
霧波は杖を逆手打ちで、加部重義の脳天に振り下ろした。躱される。と、筋肉質の男が、拳銃を構えていた。「杖を捨てな。これはイミテーションじゃないぜ、試してみるか」銃口が霧波の胸に向けられる。「卑怯だぞ」杖を逆手打ちで、男に手首に叩きつけた。男の手から拳銃が落ちる。「くそ、この野郎」手を伸ばして、拾おうとした男の水月に体をひねりざま、返し突きを入れた。「うぐーっ」男が前屈みに崩れおちる。仲間の野木がナイフを手にした男たちとやり合っていた。「ホーッ」霧波は怒りを込めて、杖を薙ぐ。-1千億の遺産強奪を謀る黒幕に神道夢想流杖術が怒りの挑戦!必殺の格闘技で敵の牙城に追る三闘士。
早川法律事務所二課失踪人調査のプロ・佐久間公。僕のもとに草野球チーム“城西ファイアーズ”の監督から、若きエースピッチャー・三杉純一を探して欲しいとの依頼があった。純一はあまり他人づきあいもせず、ひっそり暮らしていたようだ。純一の連帯保証人を訪ねるとそこはソープランドで…。(『ランナー』)他5編を収録した『感傷の街角』姉妹編。
混沌の1960年代が終わったばかりのニューヨークでは、強盗、殺人、強姦等の凶悪犯罪が日常茶飯化していた。徹底した悪の権化をどこまでも追及しようとする若き検事補ロジャー・カープの執念と、捜査を阻む刑事裁判機構の内部を赤裸に描いた傑作サスペンス!
夜のケネディ空港で非常事態が勃発した。謎のテロ・グループの手で航空管制機能を完全に麻痺させられたのだ。犯人側の要求は服役中の同志7名の釈放。ニューヨーク市警・対テロリスト課の警部マローンは事態の収拾に傾注する。が、折悪しく猛吹雪に見舞われる中、上空で着陸を控えた何機もの旅客機は燃料切れによる墜落の時が目前。しかも乗客のひとりはマローンの愛娘だった!『マンハッタン殱滅計画』の俊英が描く大型サスペンス。
クリスマス目前の首都ワシントン。冬枯れのポトマック河畔で司法省勤務の女性が惨殺死体で発見される。有力容疑者として一人の浮浪者が逮捕されるが、彼は口と耳が不自由だった。同じ頃、最高裁長官が謎の自殺を遂げる。浮浪者の弁護を引き受けた公選弁護人キャスリーン・ライリーは、陪審員エディーの協力をひそかに得て、この事件の背後に潜む驚くべき事実を明らかにしていく。“人は有罪が立証されるまでは無実である”だが…。映画のノベライゼイション。
「本文」は宮内庁書陵部蔵桂宮本「蜻蛉日記」上・中・下3巻を底本とした。底本の誤脱と認められる個所は、他本・諸家の考勘を参考にし、あるいはさらに筆者の私見を加え、最も妥当と思われる本文に改訂した。
東京、大阪、名古屋、札幌、神戸の北区内にある大学、警察署、放送局に送られてきた、女性のバラバラ死体と脅迫状。京都駅に到着した急行「きたぐに」の寝台から首が発見されたのは、脅迫状が指定した5月17日夜11時のことだった。鑑識の結果、6大都市で発見された死体は同一人物と判明した。被害者・福富名美の周辺を捜査する、京都府警の熱血漢上原刑事の前に、4年前に同じ「きたぐに」で起きた不可解な事件と田口明子の自殺が浮かびあがってきた。妹の無残な死を追う、姉真美子と上原刑事の行く手に第2、第3の殺人。そこに意外な犯人の素顔が…。大ヒット「霊南坂殺人事件」に続く会心の第2弾。
“博多どんたく”フィーバーに湧く群衆の中で、写真家が刺殺された。その翌日、午前零時19分個室寝台〈あさかぜ4号〉が岡山駅を出た直後、人気劇画の原作者近藤篤夫が2号室で何者かに胸を刺された。発見者の画家岡部俊郎と車掌が耳にした「まつお」というダイイングメッセージから、同じ車輌に乗っていた共通の友人松尾浩史への容疑が深まっていった…。2件の刺殺事件の接点を求めて、博多-東京-松本と捜査は二転、三転、やがて犯人を追いつめるが、捜査陣の前に、車輌と個室寝台の二重密室の完璧なトリックが重くのしかかってきた…。大ヒット「個室寝台殺人事件」に続く、待望の書下ろしトラベルミステリー第2弾。
東京原宿午前4時、始発直前の地下鉄表参道駅の線路上で、カラスについばまれた無惨な男の刺殺体が発見された。前夜終電後、シャッターに閉ざされて完全密室となった駅構内での殺人事件だった。地下鉄開業以来60年、前代未聞の出来事に、営団首脳部はエリート広報課員藤林を警察に派遣、捜査の協力にあたらせた。地下の鉄道網に精通する藤林は、構内に入り込んで死体に群がり、そして忽然と消えたカラスに着目、事件解明の突破口をつかむ。だがその矢先、地下鉄日本橋駅で第二の殺人が……。地下鉄道の特殊な構造が生む無気味な闇の中で、恐怖とミステリーが交叉する事件の真相は!?
あたし、まだ18歳の新人ストリッパーなんです。中学生で、義父に処女奪われた頃から、お色気がムンムンしてて、男心をそそったみたい。あたしの白い肌と豊かな胸、ムッチリとした肉体を見つめるお客さん達の視線が快感で、もう病みつきなんです。今夜も舞台のあと、好色そうな和尚さんが仲よししたいっていうから…。熟れた桃代・18歳新人ストリッパーのお色気淫行記。
ふらりと立ち寄った異国に寒村で、村人から聞かされた保護鳥〈アルプ〉の名。絶滅の危機に瀕しているこの鳥を、村人たちは独自に保護しているという。だが鳥のことを話すとき、村人が見せる得体の知れない“脅え”に、男は興味を覚えた。その姿をひとめ見ようと保護区域に足を踏み入れる男。しかし村人たちの“脅え”の裏には、恐ろしい秘密が…。表題作のほか6篇を収録したSFホラー傑作集。
偶然女の痴態を覗いた日から少年は女の虜となり、逞しい牝へと変貌し、女ー冬子は少年の幼くも荒々しい淫戯にわななき、艶めかしく濡れそぼつ肉襞を妖しく蠢かせ、灼熱の肉茎を自ら呑み込んでいく。