1988年発売
不思議な夢に導かれ、美貌の姫と5人の鬼が現代に蘇った。彼らは、千年以上、輪廻を繰り返し、日本にかけられた古よりの呪いと戦ってきたのだ。しかし、新たなる敵は違っていた。現代に生きる強大な呪術者だったのだ!その正体とは…?平安時代から現代へ、魔戦が時を突き抜ける。大好評、“妖美伝”第2弾。
月面都市の地下深く、楽園を築き、そこに生きる人々-ルナティカン。彼らは、地上に住む月人から隔絶され、蔑視を受けていた…。巨大企業に利用されてアンドロイドの両親に育てられる少年・ポールは、自分がルナティカンであることを知り、驚愕する。地下世界行きを決意した少年は、冒険に旅立った。珠玉の傑作長編SF。
「狙いは本能寺にあり」-明智光秀の采配で、幼い福の運命は一変した。父の非業の死、一家の離散、激変する境遇の中、女が「天下を取る」には…。3代将軍家光の乳母として、大奥に威勢を振るった女の生涯を描く大作。
金正日は、なぜ真由美(金賢姫)と真一(金勝一)を、KAL機で自爆するように指示しなかったか。真由美と真一は、なぜバーレンにとどまっていたか。カプセルを噛んだ真由美が、なぜ生きかえったのか。真一はどのような人間か。彼は真由美と同行中、何を考え続けていたのか。韓国の気鋭のミステリー作家である鄭建燮氏は、この事件をいかに解いたか。
江戸は浜町の常磐津の師匠お妻の娘お光は、“浜町小町”と噂の色白の顔に大きな目が鈴を張ったような愛くるしくも幸せな十八娘に成長していた。が、お光は16年の昔、金四郎(遠山景元)によって深川の木場で拾われた奇しき運命にしばられた哀れな赤子であった。その肌身につけていたお守り袋の中の“18歳の4月10日の夜、本郷湯島天神境内の一本杉の根元に参集せよ”との書付けに従って出向いていったお光は、青白い顔にまるでざくろのような赤い唇の女と影法師の二人連れによって、いずくともなく連れ去られてしまった。もう一人、お光とまったく同じ運命に逢着していたのが20歳の美女、大奥中〓@62E4のお浦であった。-奇怪な桔梗屋敷の地下牢に捕らえられた2人の美女が秘めた謎とは…?
矢車ユカ、北沢亜紀、野川朝子の3人は京北女子大英文科の2年生、花の美人トリオ。ユカは元警視庁捜査一課警部の祖父彦之進との2人暮らしで、亜紀と朝子は共に地方出身でアパートでひとり住まい。そんな3人組みが思いがけず殺人事件にまき込まれた。殺されたのはスナックでバイトをしていた先輩で、その死体のわきには「拒絶」の花言葉をもつガーベラの赤い花弁が意味ありげに置かれていた。3人組みが捜査を開始したが、疑えばだれもが怪しい。そんな時ユカに奇妙な脅迫電話が。そして朝子が、続いて亜紀が殺された。死体にはどちらにも赤いガーベラが!?お嬢さん探偵ユカが危ない!-花の女子大生ユカの迷探偵ぶりは?お嬢さんシリーズ“復活”の青春ミステリー。
日本の暴力組織を東西に二分する尾藤組と北関総業、その間隙に台頭してきた麻薬王ル・チンミンの第3勢力、いずれも警察庁特命部隊竜崎軍団との数次にわたる壮絶な銃撃戦の末、いまや完全に葬り去られた、かと見えたが、いつまでも静かにしているはずがない。折しも、愛車マゼラッティに乗った竜崎三四郎が2台のショベルカーと1台の大型コンテナー車とで前後から挾撃され、壇竜四郎は自宅マンションで正体不明の女に麻酔弾を撃ち込まれて倒れた。2人とも間一髪で危地を脱したが、こともあろうに軍団のナンバー1とナンバー2を同時に撃うとはいかにも大胆不敵な挑戦であった。はたして挑戦者は何者か?-竜崎三四郎・壇竜四郎の大型拳銃が再度火を吐く。敢然と悪に挑む激闘最強軍団。
晩秋の昼下がり、東京湾岸の倉庫内の密室で、新進書家下条勝峰が何者かに撃たれ、重傷を負った。容疑は勝峰の母の愛人で、書道界を牛耳る評論家の稲村にかけられたが、まもなく彼は雪の山梨県内で他殺死体となって発見された。捜査陣が混乱するなか、今度は稲村を調査していた探偵渋川剛吉が交通事故に…。遺されたのは、渋川が手に入れた嬰児の毛で作った一本の〈胎毛筆〉。事件に巻き込まれたOL麻生遥子は恋人剣持澄人の力を借りて大胆な推理を試みたが、ふたたび第四の犯行が…。人気快調の著者が、伝統芸術“書”の世界に材を採り、軽妙洒脱な筆致で贈る本格推理の書下ろし傑作。
明治11年、長州出身の陸軍将校が相次いで斬殺された。大警視川路利良は死体検査証から〈暗殺者は左利きの剣の達人〉と断定した。折しも探索中の警視局探偵掛・藤田五郎は、榊原道場の門弟で、沖田総司に似た21歳の書生早乙女魁を下手人と睨んだ。が、魁は右利きで剣に才はないという。藤田は執拗に魁の過去を洗い始めた…。惨殺された父母の復讐に燃える無眼流の天才・左利き剣士の劇的生涯を、時の内務卿伊藤博文暗殺計画を背景に描く異色の時代小説。
「ただちに停船しないと爆破する!」1300人を乗せ、津軽海峡中央部に達した青函連絡船〈津軽丸〉に脅迫電話が入った。時あたかも、予想を遥かに上回るスピードで北上中の台風の影響で海峡は風速30メートル、波高6、うねり6という大時化に見舞われつつあった。停船は即、転覆を意味するー。船長は犯人の要求を無視したが、やがて後部甲板で爆発が起こった…。荒れ狂う海峡に青函連絡船へのレクイエムとして贈る著者渾身の力作サスペンス。
孔雀の夫婦が旅をしていると、ガチョウが助けを求めて来た。イブン・アーダムというあやしい生き物から逃げて来たのだという。イブン・アーダムは獅子をもとり殺すほど怖ろしいものだ。その正体はいったいなんだろう?(「鳥獣佳話」)。そのほか、寓意にみちた話がいっぱい。
残酷さとユーモア、とぼけた語り口、簡潔な文体で、心の暗部を描き出すサキ。新訳4篇を含む86篇を発表順に編集して2冊で贈るサキの決定版。本巻には、人間の醜聞を次々と暴く、言葉をしゃべる描の話『トバモリー』をはじめ、『ハツカネズミ』『エズミ』など44篇収録。
心優しきニヒリストで冷笑的なヒューマニスト・サキ。ユーモアと幻想、奇抜な着想で人間の暗黒部分を描き出す短篇の名手・サキ。新訳4篇を含め彼の短篇86篇を発表順に2分冊で贈る決定版。本巻には、伯母のお伴でデパートのバーゲンセールに行き、店員になりすまし、お客からもらったお金をポケットに入れてしまう甥の話『夢みる人』をはじめ、『マルメロの木』『禁じられたハゲタカ』など42篇を収録。
雪の降る夜、屋敷の離れで新婚初夜の夫が殺され、新妻が姿を消した-しかも犯行のあった部屋の襖は、ガムテープで目張りされていた?!関東平野の片田舎に連続して起こる密室殺人!書き下ろし連作短編集。
時に1670年5月、チャールズ2世が英国に帰還して10日後のこと、郷紳ロデリック・キンズミアは遺産請求の件でロンドンに上った。ヨーク・ハウスでバッキンガム公にお目見得のつもりが、一人の竜騎兵の隊長にからまれ、これがもとで殺人事件、はては国家的陰謀に巻き込まれてしまう。見そめた美人女優との逢瀬もままならぬうち、英国国王からフランスに密書を運ぶ役目を仰せつかった彼を待ち受けるものは何か?そして殺人者の正体は?カー,十八番の歴史物。