1989年12月1日発売
「ジェイク、あたし脅迫されてるの」そう言って、ラジオのスター歌手ネルは姿を消した。彼女の元恋人を訪ねてみると、出くわしたのは何と相手の射殺体。おまけに、追い討ちをかけるように当の死体が失踪し、ジェイクの困惑は頂点へ…。1930年代のラジオ界を舞台にお馴染みマローン、ジェイク、ヘレンが活躍するユーモア・ミステリ、待望の文庫化。
目的も知らされず、未開の惑星デルマク・Oに送り込まれた14人の男女。使命を告げるはずだった通信はメッセージの受信中に途切れ、やがて一人また一人とメンバーが殺されはじめた…。謎めいた建造物が聳え、物質をコピーする生物が俳徊する、この星に閉じ込められたまま、彼らは狂気に蝕まれてゆくのか。ディックがつむぐ、逃げ道なしの悪夢世界。
1931年8月24日。この日、7人の人物が上海の地を踏んだ。ギャング一味の4人は航空便、女性新聞記者とそのフィアンセは船便、そしてスパイがひとり列車で。しかもいかなる運命のいたずらか、彼らはみな同じ場所へと足を向けたのだ。そう、フラミンゴ・カフェ、上海でも指折りのナイトクラブへ。オーナーは謎めいた男ハリー・バード。これで役者はそろった。満州事変前夜の上海を舞台に繰り広げられる、いまひとつの〈カサブランカ〉。
恋愛における男のエゴイズムを冷徹に分析した「アドルフ」、自堕落な若き日の回想「赤い手帖」、スタール夫人と妻をモデルに愛の苦悩を描く「セシル」。フランス心理小説史上に不朽の名をとどめるコンスタン3部作。
共に軍神としてまつられ、理想の明治人として崇敬されてきた、陸軍大将・乃木希典と元師・東郷平八郎。しかし、伝説の影に隠れたその実像を知る人は余りにも少ない。明治を象徴する二人の軍人の対照的な生き様を通じて、人間の生き方とリーダーのあり方の本質に迫る感動の大作
平成51年の東京IC(インテリジェント・シティ)に一大事件が勃発した。人間に長寿と健康をもたらす王乳の開発に貢献した和久努太郎が、行方不明になった。東京ICの警備担当の沖、松原両巡査は、今では国際特殊観光地区として江戸時代の遊廓を復元した吉原に、足を踏み入れた時、殺人事件に遭遇してしまった。和久総裁の足取りも吉原の中にあると思われ、その捜索で再び吉原に入った両巡査の目前で、第二の殺人が起きた。そして怪人21面相からの犯行声明も舞い込んだ。和久総裁誘拐と連続殺人事件の解明に関わった若い巡査の活躍は…?
あたし高校生。大好きな藤田先生のマンションに勇気だして行ったの。そしたら赤ちゃんが空から降ってきてビックリ!赤ちゃん殺そうとしたの、誰?あたし、探偵しちゃお。
母が再婚気分で一人ルンルン。ところが新パパがつれてきたのが、なんとアイドルのトオルだなんて。でも、トオルったら、ちっともあたしのことわかってくれない。
霧子の両下肢はもうひらかれており、船岡の頭はしっかり谷間に位置を占めていた。「あん、いや」裸身が鮎のよう身悶えた。こんなに乱れてもいいのだろうか、と思うほど霧子は陶酔に溺れきった。翌朝、甘い期待をこめて船岡の胸に顔を寄せた瞬間、霧子はあっと悲鳴をあげた。一緒に寝ていたのは船岡でなく、冷たくなった見知らぬ男の死体だった。
披露宴の席上、花嫁がまるで手品のように宙吊りにされ、丸裸にされた。そして目に見えない魔の手によって、空中を浮遊しながら、やがえ消え去った。同じような奇っ怪な出来事がほうぼうで超こった。連れ去られた女性たちは、異空間に生息する魔性の淫獣たちのセックス奴隷に仕立てあげられるのだった。-大魔王Ψ(プシイ)対“影”の戦士・太極拳太郎の死闘。
敏腕テレビディレクター早川秋子は、プロデューサー星野和夫ら4人の撮影隊と、今は亡き天才画家・間宮一郎の屋敷へのりこんだ。未公開の一郎のフレスコ画をスクープ。しかも、間宮邸は謎の一家崩壊のドラマを秘めている。高視聴率まちがいなしの番組ができるはずだった。しかし、そこは間宮夫人の恐るべき呪いと怨念が渦巻く、悪霊屋敷と化していたのだ。たちまち、和夫の娘ミエが、何者かに連れ去られてしまう。次々と襲いかかる悪霊たちと戦いながら、残された4人の必死の捜索が始まる。手がかりは一郎のフレスコ画に隠された謎を解くこと。そして、秋子の心の力で間宮夫人の悪夢の迷宮から無事脱出するのだ。
シノンは本を読むのが好きなフツーの少年。彼は伝説の英雄ヘラクレスにずっと憧れ続けています。ある日、森の中でシノンは不思議な体験をします。何と、伝説の神々に出会ったのでした。シノンはその時、ヘラクレス自身が地上に残した「贈り物」のことを聞かされます。そしてタイタン族の呪いのことも。タイタンを破り、オリンポスに平和を回復するために、シノンは神々の使いとして冒険の旅に出る。空を駆けるペガサスと共に、彼は天界の試練を克服しなくてはいけません。敵は不思議な力を操る魔物たち。果たしてシノンの旅はうまくいくかな?
街に異変が起こっていた。死人が歩き回り異常な殺人事件がウワサにのぼる。街には戒厳令がしかれ、人々は家に閉じ込もり、不安な日々を送っていた。メイン州で最も美しい街「マザーズディ」は、いまやゴーストタウンのような様相を呈し始めているのだった。マザーズディに住む少年・ダグラスは、屋根裏部屋で奇妙な日記を見つけた。その日記に導かれるように旅に出るダグラス。目指すはホーリーローリーマウンテン。あの山にかかる黒雲が異変のカギをにぎっているはずだ。旅の途中で出会った仲間のアンナ、ロイドとともに、魔の山に向かうダグラス。だが、彼らの行手には、恐るべき敵が待ち受けていた。
ぼくはこのたび、あの「マルサの女」こと板倉亮子さんがいる国税局の査察部に配属が決まった。いやしい金持ちの隠し金を見つけ、脱税をあばく正義の闘士!-と意気込んではみたものの、初仕事は豪邸の前でドブさらい。こんな所に本当にお金が隠してあるのやら…。ところがぼくは、期待もしていなかったドブの中から、現金入りバックを見つけてしまったのだ。手柄を認められたぼくは、脱税のプロで大金持ちの権藤社長邸へ派遣された。10億円を超える権藤の隠し金を、残らずあばき出すのが我々の任務なのだ。さあ大仕事の始まりだっ!