1989年4月発売
死んだと思っていたはずの妻が生きていた!アシュトンは馬車の事故で助けた女がリアリンだと知り、驚喜する。女は記憶を失い、自分がどこの誰であるのかもわからないまま、アシュトンの愛を受け入れる。だが、幸せな日々もつかの間、リアリンの双子の姉レノーラの夫だと名のるマルコムが現われ、その女はレノーラだと執拗に迫ってくる。アシュトンへの愛に目覚めながら真相を求めてマルコムのもとへ赴く女。そのあとを追って、アシュトンも船でミシシッピを下るのだった。
東南アジア歴訪の帰途、非公式訪日中のフラリア共和国大統領夫人が何者かに銃撃された。そして、日本を東西に二分する暴力組織ー尾藤組・北関総業、それに第三勢力の極西連合に所属する下部組織が次々に撃われる事件が頻発していた。折しも、アメリカはマンハッタンの盛場で白昼、マフィアのボスを刺殺した日本人らしき殺し屋を追ってきたPLB(大統領諮問委員会)の2人も、警察庁の玄関先で襲撃された。その裏には、ますますエスカレートする暴力組織の国際化という深刻な問題があった。そして、ついにはこれら暴力組織の跳梁に敢然として立ちはだかる警察庁特命部隊“鬼の竜崎軍団”その人、竜崎三四郎までが刺された!悪辣なる陰謀に軍団の怒りが爆発する。
「幕府のために死ぬ」と言い切る勘定奉行小栗上野介忠順は、風戸俊策の恩人だった。小栗のためなら死ねる。それが俊策の偽らざる心情だった。大老井伊直弼が凶刄に倒れ、やがて倒幕攘夷の急先鋒だった清河八郎がなぜか幕府の信を受け浪士組(後の新撰組)を募った。友人の土方歳三は浪士組に入り、一方俊策は、治安維持のために新設された浪人奉行所の同心となった。剣に命を燃やし、己が野望を託す激動の青春を描く、迫力の大河時代小説第1弾。
まぎれもなくそれは、ニホン狼の特徴をすべて満たしている。大清水丈は驚愕した。絶滅したはずの狼が、凍てついた雪原に姿を見せたのだ。同じ冬、猟に出掛けた兄の震が死んだ。猟友の矢頭の証言によると、狼の群れに追いつめられ猪死谷から墜落したという。復讐を心に誓った丈だったが、やがて兄の死因に新たな疑惑が…。日本の哺乳類すべてが生息すると言われる秋田県白神山地を舞台に、伝説の狼を追い、男と女の愛憎の間で逞しく成長する若者を描く感動の冒険小説。
昭和7年-日本は、満州事変を起こし、軍の独立と満州国支配を策する関東軍の暴走によって、世界の孤児となりつつあった。おりしも事変の実態調査のため、国際連盟のリットン調査団が来満。孤立を恐れる日本政府は、日本不利と予測されるこの調査報告を事前に入手し、それを切り札として関東軍を抑止・解体することを決意する。だが、いかなる方法でそれを入手するか?重臣らの特命を受けた後の外相・松岡洋右は、熟考の末、奇想天外な大奪取計画を練り上げた…。
二束三文の津軽の山が密かに買収されたことを知ったTVディレクター九鬼虹人は、周辺取材をするうちに、なぜか買収地がすべて竜に因んだ神社や遺蹟の地に限られることに気づいた。“いったい竜とは何か?想像上の竜が世界各地に伝説として残り、西洋では悪魔、東洋では聖なる存在なのはなぜか?”それが恐るべき事件の発端となった。土地買収と竜の関連を追う九鬼を執拗に狙う男たち。そして姿を見せ始めたヴァチカンの存在…。
津軽での土地買収事件を発端に、九鬼は巨大な謀略に巻き込まれた。彼らローマ・ヴァチカン勢力は、なぜ伝説の“竜の存在と意味”を追求する九鬼を狙うのか?竜と彼らの関係は?新たな謎を追って九鬼は一路、インド、パキスタン、イラク、トルコの調査行に旅立った。だが、仲間は次々と敵の凶弾に倒れ、九鬼は最後の調査地・トルコのアララト山へ。目指すは山頂に眠る伝説のノアの方舟。これこそ文明史を根底から覆す“竜の柩”か…。
“三原啓子さんはエイズです”-平凡な主婦・啓子はマンション内に配られた悪質な中傷ビラに、精神的に追いつめられていた。身に覚えのないことだが、啓子を見る住人の眼は噂とともに冷たく変貌し、やがて、ビラを配っていた犯人の後ろ姿を見たと言うガードマンの墜死から、事件はもう一つの別の凶悪な相を見せ始めた。一見、単純な中傷ビラと思われたその背後の恐るべき真相と連続殺人の謎…。息づまるサスペンスと意表を衝くどんでん返し!大型の女流が放つ本格推理の傑作。
日本人傭兵たちの愛憎と死闘!鎖国下の17世紀半ば、台湾のゼーランジャ城をめぐって戦いを繰り広げるオランダ軍と鄭成功軍。故国を捨て、それぞれの軍に雇われている日本人傭兵たちの相剋と生きざまを描く気鋭の長篇力作!
人工小惑星「ポク」でおかしなことが起こっている。機械たちが意識を持ちはじめたらしいのだ。さまざまな噂が飛びかうなか、巨大なドラゴンの姿のなかに鋭い感性と知性を備えた第二段階レンズマン、ウォーゼルの出動が要請された。はたしてこれは画期的な大発見か、それとも新たなボスコーンの陰謀だろうか?レンズマンの世界がここに蘇った。
新会長を誘拐した。助けたくば、提供するフィルムを無修正でニュースとして放映せよ。BBCを窮地に陥れた犯人は、さらに当該フィルムのレポーターとしてメリンガーを指名してきた。一度は捨てた世界へと否応なく連れ戻されるメリンガー。-だが、彼はまだ知らない。待ち受けているのが、雪の原野に繰り広げられる凄絶なマンハント、狩る者と狩られる者の死闘であることを!『北壁の死闘』の著者が描破する、迫真の処女長編。
クリスマスを目前に控えた夜、ダン・ブレイディの家庭を超常現象が襲った。妻と二人の子供はいずこへか連れ去られ、ダン一人が瀕死の状態で取り残される。奴らは何者か。そして、なぜ?その日を境に、彼の周囲を次次と奇怪な現象が襲いはじめた…。彼の人生は変わった。闇に蠢く邪教集団を相手に、ただ一人、身を挺して戦いを挑む男ーナイトハンター。世界幻想文学大賞受賞作家がいまひとつの名で描くサイキック・ホラー第1弾。
悪の化身ゾウナを倒すべく冒険の旅に出たきみは、さまざまな試練を乗り越え、大勢の仲間と知り合いながら、とうとう東アフブルグまでやってきた。出発したときはまだ戦士の卵だったきみが、いまでは剣をとっても魔法を使っても超一流の戦士に育っている。出発だ。彼女に出会う日も近い。スーパーアドベンチャーゲーム。
今朝もまた、街角の自動販売機の陰から見知らぬ男の気弱な眼示しが執拗に見江子にからみつく。児童館に通う幼児にいたずらしていた男が捕まった日、その男も忽然と消えたが…。見つめる視線と見つめ返す視線の曖昧な共犯的交錯のなかに、孤絶する現代人の心の内景をとらえた表題作ほか最新作4篇を収録。
初めに不二銀行常務など2人、次に相沢興産社長ら3人を殺す。こうしておいて残りの巨悪に疑心暗鬼を起こさせ、第3段階で経団盟会長と蔵相を、第4段階で警視総監を屠る。そして最後に帝国リクルートアトラスの会長に制裁を!闇の死刑執行人たちはかくて暗躍する。-死して死!著者会心の秘拳仕置人シリーズ。