1989年発売
世界を闇から支配する四人姉妹ですらひれ伏す黒幕が、ついに動き出す。恐るべき某殺指令が、竜堂四兄弟の長兄・始に向けられた。そして、火と化した続、風を呼んだ終、水を奔らせた余に続いて、最後に変身する長兄は、どんな竜になって天を翔けるのか?ノベルス界に大衝撃を与えた超人気シリーズ、熱望の第4弾。
合衆国大統領の実兄がリビアに誘拐された。自国側の大物テロリストがCIAの手に落ちたと考えたリビアが報復に出たのだ。しかし、CIAはその件には一切関与していなかった。一触即発の事態を収拾すべく、ホワイトハウスは“モルディダ・マン”を雇ったー国際紛争のはざまで大国を手玉にとる男どもを描き、巨匠が真骨頂を示す傑作。
ロボットという言葉はこの戯曲で生まれて世界中に広まった。舞台は人造人間の製造販売を一手にまかなっている工場。人間の労働を肩代わりしていたロボットたちが団結して反乱を起こし、人類抹殺を開始する。機械文明の発達がはたして人間に幸福をもたらすか否かを問うたチャペックの予言的作品。
彼女と一緒に犬探しに没頭した二日間、ぼくは自分の部屋へも戻らなかったかし、酒も飲まなかった。生活がいつもの単調さを失ったおかげで、アルコールの助けを借りなくても眠れたのだ。たった一晩の禁酒で、ぼくの体は見違えるように軽くなった。いつもの朝、起き抜けに胃の腑から背中にべったりと張りついている泥。その汚れた重みが、ぱさぱさに乾いて剥げ落ちたような感じだった。ところが実際にはぼくの体はひどく病んでいたのだ。本人であるぼくですら分からなかったのだが。もちろんマリノレイコも、ぼくの体の異常には気付かなかった。知っていたのは、犬だけだったのだ…。
グリニッチ・ヴィレッジに住む貧しい画家ジョンシー。彼女は肺病にかかり、窓辺から見える残り少い蔦の葉を数えていた。散り終った時に、自分の命が尽きると…(「最後の一葉」)。わが国でも、もっとも愛されていたこの一篇をはじめ、「警官と讃美歌」「賢者の贈りもの」など16篇。短篇の名手オー・ヘンリーが庶民の姿を独特のユーモアとペーソスで描く傑作集。
女王のネックレスをいただきにあがります。私の名は怪盗紅真っ赤ーそんな手紙が、あたしの通う山川学院に届いた。あたしの女子校って、校則がきびしーことで有名なの。男女交際禁止よ。あっ、女王のネックレスってゆーのは、院長自慢に首飾り。怪盗紅真っ赤ってゆーのは、え〜っと、いったい誰なんだろ?手がかりは予告に残された赤い口紅。怪盗紅真っ赤シリーズ第1弾。
優美かつ艶やかな文体と、爽やかで強靭きわまる精神。昭和30年代初頭の日本現代文学に鮮烈な光芒を放つ真の意味での現代文学の巨匠・石川淳の中期代表作ー。華麗な“精真の運動”と想像力の飛翔。芸術選奨受賞作「紫苑物語」及び「八幡縁起」「修羅」を収録。
『青春18きっぷ』握りしめ、一から出直しひとり旅。「イイ男はおらんかえ〜」と星子はいざ奈良大和路。ところが、愛猫ゴンベエがお先に恋に堕ちちゃった。相手は、お上品ながらも気の強〜いシャム猫。なにっ?気が強すぎて、人まで殺しちゃった?ってんで、またもやキョーフの殺人事件。宙太、マサル&春之介に、新登場のE♂を加え、山浦ミステリー大暴れ。さあ前編のはじまりだ〜っ。
S高の体育倉庫に捨てられていた赤ん坊ー聡をめぐって、またまた事件に巻きこまれそうなケンイチとミサコ。聡のポケットに入っていた〈マザー・グース〉の唄は、これから起こる事件の暗示なのか?謎の解明にのりだそうとした時、ケンイチを好きだという水泳部の後輩・桃代が現れ、ふたりの仲はギクシャクして…。そんなケンイチたちをよそに、つぎの事件が起ころうとしていたー。
高校生の松戸加代子は、いつも図書室で本とともに過ごす本大好き少女だった。そんな彼女に胸をときめかす男の子が現れた。ボクシング部の島津詠一ー加夜子の1年先輩で、図書室で初めて顔を合わせたひとだ。詠一はボクサーだが、試合相手を殴れないで悩んでいた。加夜子は、精神カウンセラーの父に詠一を紹介した。そして三人は、オペレーションZとよばれる事件に巻き込まれていった。