1989年発売
瞳子は季絵といっしょに、夏休みの間、季絵の叔母の住むイギリスへ遊びに行くことになった。ふたりは高2、性格も容姿も対照的だった。瞳子はきりりとした顔立ちで背が高く、筋肉質で男の子っぽい。季絵は細身なのは同じだが、背は低く細面で可憐って感じ。ふたりは小学校4年以来の友達で、腐れ縁・ただれ縁というほどの仲だった。ヒースロー空港には、季絵の兄直季が迎えにきていた。
数百年の眠りをへて、海の底の難破船からひとりの美少女がよみがえった。彼女の名はイザベラ。ドラキュラの血をひく吸血姫だ。金色の髪、エメラルド色の瞳、だれもが魅せられてしまう美少女が日本に上陸して出会ったのはー真田晋作。彼はイザベラのかつての恋人・ダニエル王子にそっくりなのだ!!晋作の恋人、花子にとっては強烈なライバル登場。さあこの恋のゆくえ、どうなるの!?
私、寿ななほ。同級性のナツミとサト、それにひょんなことから知りあった冬子とともに『片想いクラブ』(以前は片親クラブ)を結成している。最近、メンバーのサトに元気がなく、問いただしてみると母親の再婚話があり、サト自身は反対であると言う。そんな時、冬子が心酔している占い師に見てもらったら、母親の結婚をやめさせられるのは、サトの本当のお父さんしかいないと言うことだった。
晴れて新婚生活に入った智佐子・克郎の愛の巣は、六畳一間の木賃アパート、仕事机どころか満足なベッドも入りません。でも家賃格安、交通至便、名前も〈真珠荘〉とロマンチックです。しかしうまい話にゃ裏がある、やはり出ました!幽霊がー。そして何と福島のおばあちゃんまで転がりこんできて、何やら前途多難先行き不安な気配です。好評の死体つきシリーズ/スイート・ホーム編。
弁護士オリヴァは、大石油会社を相手に史上空前の損害賠償金を勝ち取った。しかし真の闘いは始まったばかりだった。会長の孫娘と結婚してのし上ったラドクリフはオリヴァに憎悪を燃やし、巧みな詐術で彼を社会的に抹殺したのみならず、誘拐して拷問にかけた。依頼人の娘ローラに励まされ、今度はオリヴァの復讐が始まる!そしてあまりにも意外な結末が…。迫真のサスペンス。
顧客の預金をナチスに没収されることを恐れたドイツの老銀行家が、7億2400万マルクに上る資産を国外へ移送して自殺した。回収に躍起となったナチスは、元哲学教授で“人間狩り”の名人・レームレを雇い、大捜査網を展開。一方、銀行家の曾孫で11歳の少年トマは謎の狙撃手ミケルらに守られて、必死の逃走を始める。そんな時、クォーターマンと名乗るアメリカ人が突然現れた…。
殺された母の面影を胸に、クォーターマンと共に絶望的な逃走を試みるトマ。非情な追跡を続けながらも、少年の天才的な知性に魅かれていくレームレ。巧妙に張り巡らされた非常線をトマは突破できるか?トマに託された724の暗号とは何か?そして、クォーターマンの正体は?戦火の燃えさかるヨーロッパを舞台に繰り広げられる追跡と逃走のドラマ。異色の大型サスペンス。
戴冠式を目前にひかえた1902年、国会議員が連続して殺された。さらに、捜査を任されたロンドン警視庁のレストレード警部をあざ笑うように次次と議員が殺されていく。そして、事件を追う彼の前に、死んだはずの名探偵シャーロックホームズの姿が…。ワトソン博士、ホームズの兄、従弟も登場し、事件は意外な方向にー。20世紀初頭のロンドンを舞台にレストレード警部の活躍。
昭和20年代後半、政治の季節-。文学への志と両親との葛藤に苦しむ、東大生・倉沢明史の前に現れた年上の女・麻子。政治に走る友人たちへの負い目と、彼女への欲望の間で揺れ動く明史。そして、失ったはずの恋人・棗との再会、恋の成就-。彼の青春は一つの完結を迎えた。
一分の〓@68D2もなかったはずの犯行を見破り、捜査に手間取っている刑事に自分のことを告発した奴がいるー。勾留中の犯人が脳裏に描いた密告者とは?推理が完成したとき、すべての前提が覆り、「鳥人計画」が徐々にその姿を現わして…。緻密きわまる構成の本格スポーツ・ミステリー。
昭和42年夏場所で準優勝した大関・大龍は、横綱審議会の推挙の報を尻目に失踪する。次いで発表された横綱昇進辞退宣言。困惑する角界をよそに、大龍は死んだはずの父親の行方を必死に追っていた-。東京がまだ至るところ工事中だった20年前、濃好な下町情緒のなかで起った殺人事件にからめとられた大龍は、はたして再起できるのか…。東京オリンピック前後のレトロな風俗を織り込みつつ描く、人間味溢れる相撲ミステリー。
700年を経て、笛の音が響くとき次々と子供たちの姿が消えた…。「ハーメルンの笛吹き男」から、謎の予告状が。符合して1人の少年の死の周辺で起こる不可解な死亡・失踪事件。-笛吹き男伝説と現代を重ねた気鋭の新・社会派推理。
すぐにきてほしい-秘書ペギーからの伝言に胸騒ぎを覚え、彼女のアパートメントに急行した私立探偵のジョン・タナーが発見したのは、足を挫いてソファに横たわるペギーの姿だった。タナーを見ると、彼女は段階から突き落とされたといい、弱弱しくつぶやいた。「彼がこんなことをするとは思わなかった…」“彼”とは、毎晩ペギーに電話をかけ、脅迫を交えながら、彼女に猥褻な話を強要する男のことだった。男は、まるで一部始終を監視しているかのように、彼女の日常生活から人間関係までを知り尽くしていた。タナーは、ペギーの身辺から調査を開始するが、なぜかペギーは調査の協力に消極的で、いつしか二人の間には溝が生じていた。そして、そんなペギーの態度を見透かしたように犯人は要求をますますエスカレートさせてきた…!