1989年発売
エロスにはじまり死に終わる生の根源を幻想的光景のなかに鮮烈に描きだすマンディアルグ文学の極致。淫らで猥雑な行為も妖しい官能、高度のエロティシズムとして昇華する。孤高の作家マンディアルグのエロティシズム小説集。
『一握の砂』をかかえて、青春は北へ旅立った。苦汁にみちた炭鉱での少年期、そして上京後の挫折を記憶に甦らせながら…。石川啄木の軌跡に現代の青春を重ね、透明な詩情と緊密な思索が交響する青春文学の不滅の名作。
連合赤軍事件(1972)-かつて全国の学園を席券した全共闘時代の末期、ある驚くべき事件が起こった。あれから十数年、青春の熱はさめ世紀末と呼ばれる時代に、新たな銃声が響く…。セスジも凍る、オモシロ恐怖のワンダーランド。
連合赤軍事件(1972)-かつて全国の学園を席券した全共闘時代の末期、ある驚くべき事件が起こった。あれから十数年、青春の熱はさめ世紀末と呼ばれる時代に、新たな銃声が響く…。セスジも凍る、オモシロ恐怖のワンダーランド。
中国人船員・陳を射殺した日笠耕介が留置場内で自殺した。事件は犯人死亡により一応の終息をみる。だが、東西新聞の戸部新太は日笠自殺と陳殺害の真相を探り、暗黒の麻薬密輸組織の実態を掴んだ。一方、警察も極秘捜査を進め、組織の潰滅を行なおうとするが、日笠の関係者が次々と殺され、その魔手は戸部にも向けられた。迫りくる敵の罠をかい潜り、戸部が桃んだ黒幕の正体とはー?長篇ハードサスペンス。
十七人の剣客により結成された新選組。将軍家警護を旗印に、日々尊王攘夷を叫ぶ浪士の首を狙って京の街を奔走していた。密使を疾らせ尊攘浪士の動向を追う一方、新選組内部では土方歳三、沖田総司らが対立関係にあった芹沢鴨一派の動きをも探る。倒幕のため着々と準備を進める尊攘浪士の動向と内部での分裂。情報が錯綜するなか、浪士決起の会合を池田屋でもつことを察知した土方ら精鋭は池田屋への道をひた走る。
神奈川県警二階堂警部とともに、“奥の細道3百年”で沸くみちのく温泉旅行を計画していた日美子に友人梅枝葉が訪れた。葉の娘真理の旅の安全を占ってほしいという。真里もまた〈サンタ芭蕉〉の企画でサンタの一人に当選し、東北旅行を予定していた。東北の知人へのプレゼントを配達するこの〈サンタ芭蕉〉の旅を日美子はタロットで占ったが、カードは非情にも不幸を予言!あえて旅に出た真里を襲う魔の手。さらに芭蕉の足跡をたどる〈サンタ芭蕉〉のメンバーが次々と殺されて…。二階堂警部の必死の追跡がはじまる。名作『奥の細道殺人事件』を凌ぐ著者会心の書下ろし長編推理。
MM重工研究開発2課に所属し、人工知能ロボットの開発を手がける末永拓也は、将来を嘱望され、オーナーの末娘、仁科星子の婿養子候補に挙げられていた。だが、その陰では恋人、雨宮康子の妊娠に困惑していた。そんな矢先、拓也は同僚の橋本と共に、星子の腹違いの兄、直樹から、康子にたいする共同殺人計画を打ち明けられる。康子はこの三人と同時に関係を持っていたのだった。大阪ー名古屋ー東京を結ぶ完全犯罪殺人リレーは、計画どおり進行していったが…衝撃!死体は何と…。さらに、第二の殺人、拓也も何者かに狙われる。乱歩賞作家の偉才が、新手法“倒叙推理”に挑戦。主人公の屈折した心理を描いた堂々の書下ろし長編推理の傑作。
東大医学部のうす暗い標本室に並ぶ、首もなく、手足もなく、刺青をした胴体だけの塑像。不気味な色彩で浮かびあがる妖術師「大蛇丸」。この一枚の人皮から、醜くも、恐ろしい惨劇が始まった。密室殺人と、怪しく耽美な世界に挑む、名探偵・神津恭介。戦後、本格推理小説の礎となった、高木彬光の処女長編、ここに登場。
武道家たちが北海道を目指した明治の末期。宗方恭平もそのひとり。柔・剣術では食えない。名目は北海道開拓だが、目的は武芸を磨くこと。試合に継ぐ試合。鷹同士の死闘は勝っても復讐を招く。恭平は択捉に渡り、お竜の愛に戸惑った。芸か愛か。まだ驚異の護身術“合気道”の会得に気付かない彼が、乱世の覇道を模索する。
秀吉、家康にも一目おかれるほどの稀代の軍師・黒田官兵衛(如水)、そして武功輝くその子長政。豊家ゆかりの大名に対する幕府の圧力をみごとにかわし、黒田藩五十二万石の礎を固めた、父子二代の活躍。
ー米大統領アンダーウッドはTVの元ニュースアンカーマン。ファーストレディは元ミス・アメリカ。一見、夢のようなカップルだが、私生活は冷えきっていた。そこへアジアの島国ランパンから若く美しい未亡人大統領が経済援助を求めて訪米。初対面でアクダーウッドは彼女に一目ぼれした。だが、それをマスコミに嗅ぎつけられ…。-大統領同士のラブロマンスと国際的な謀略。小説の名手がホワイトハウスの内幕を描いた痛快ノベル。
世界中に存在するあらゆる国境のなかで、アメリカ合衆国とメキシコとの境界を画すボーダー地帯ほど「熱い」国境はない。国家を国境線で区切ってゆくような思考法は、もはや現実に起こっている現象を上手につかまえることができなくなった。本書は、世界がそうした新しい移動の論理を含み込んだ社会システムの発見へ向けて脱皮しようとしているときに、その流れの先頭に立って私たちを先導しようとしている。
ここはホテルの会議場。トレーシーは新聞関係者の集まりで顧客を探していた。彼女の仕事は能率技師。整理整頓の方法を指導し、オフィスの環境を整えるのだ。そんな彼女に1人の男が声をかけてきた。チャンス到来。またもや混乱を極めたオフィスを救ってほしいというに違いない。張りきる彼女に、男は難題を出してきた。オフィスだけでなく、ベットルームのクロセットまで整理しろですって?とまどう彼女に、男は片眉を上げて微笑んだ。
女優のメリル・ストリープにそっくりな女性だって?ぼくが39歳の独身だからといって勝手なお膳立てはやめてほしいな。ライランはパーティーの場をひとり離れ、車に戻った。と、向こうからトラックが突っこんでくるではないか!すんでのところで止まった運転席から現れたのは、白いブーツとフリンジ付きのスカート…。これが噂のメリル・ストリープか。ライの目は赤毛の美女に釘づけになった。
社交界にデビューしたての妹のナネッタはどうやら恋をしているらしい。相手は全目当てで女に近づくという評判の悪い男。妹を守るにはどうしたらいいのだろう?プルネラは思い悩んだ末、亡き父の知り合いだったウィンスロー伯爵を訪ね、力を貸してほしいと頼んだ。ところが彼は、長い田舎暮らしで、恋も知らずにきたプルネラをさんざんばかにし、ナネッタの肩をもとうとするのだ。
父親の急死で、ひとりぼっちになってしまった貧しい小作人の娘アンジェラは、土地の富豪ジェイコフ・メイトランドにひきとられた。南北戦争が終わったばかりの南部、アラバマ。アンジェラ17歳の春だった。彼女はメイトランドの長男ブラッドフォードに、深くあてのない想いを寄せていた。ところが、心ときめかせるアンジェラを待ち受けていたのは、ジェイコフの愛人という口さがない噂と、ブラッドフォードの不在だった。