1990年10月発売
シャムロ(タイ)国の灼熱の原野で、シャムロ兵とビルマ兵との壮絶な戦いがくりひろげられる中に、日本義勇隊員を率いた山田長政の姿があった。その隊員の中には、“へのへのもへじ”の刺青をしたへのへの茂平次と名のる快男児がいた。そしてまた、前髪の美貌の若者山柿甚吾もいた!茂平次は長政から、「甚吾は危険人物」との注意を与えられていた。-山田長政の活躍するシャムロ国から物語は始まる。戦国、海の男たちのロマン。
傷ついた美女知香を救い出したへのへの茂平次は、意識を失った彼女を懸命に看護しながら、六右衛門爺の黒瀬丸を待っていた。強敵山柿甚吾がそんな二人を秘かにねらっていた。恐るべき重四郎のふるう投石器に相対した茂平次は、負傷しながらも重四郎と組み打ちのままに、怒涛逆巻く海中へと転落していった。茂平次と知香の運命やいかに…。-海と戦国の男たちを描いて息もつかせぬおもしろさに満ちた一大伝奇扇代長編会心作。
時は激動の明治初年ー。文明開化の横浜で、奇々怪々な殺人事件が起こった。雨の夜の居留地に突如として発生したのは、オランダ人ポルター氏と清国人のアマの二人が射殺されるという外国人殺害事件だった。そして、ポルダー氏の懐から奪われた金時計をめぐって事件はつぎからつぎへ。ポルダー氏の金時計が秘める謎とは果たして何か。
宗教は札束なり、数百万の信徒、数千万の札束をめぐって教団同士の暴力団まがいの抗争が展開する。それに麻薬がからみ、本物の暴力団や似非右翼との癒着が生まれる。しかもその背後に、教団を最大の票田と頼む悪徳政治屋どもがひかえている。新興の教団が目をつけたのは、新たに日本の絶好の市場とねらい、進出をくわだてる台湾マフィアだ。-宗教という隠れミノをかぶって麻薬を持ち込む新興教団の正体を暴く竜崎精強軍団。
他人の死-それは麻薬。加害者が少なく、被害者が多いほど薬効は高い。問題はどちらの側にまわるかだ。狼と組んで噛みつくか?いやそのほうが、犬と一緒に吠えるより数段ましではないか。ことに適量を過ぎた時などはなおのこと。
アシモフ自身がでくわした奇怪な人間消失事件を元にした「待てど暮らせど」や、カーに挑戦せんと意気込んで書かれたシリーズ初登場の密室もの「秘伝」など、ご存じブラック・ウィドワーズの面々の侃侃諤諤、喧喧囂囂、甲論乙駁の推理合戦と、名給士ヘンリーの快刀乱麻を断つ解決ぶりが鮮やかな好評連作ミステリ、第5弾登場。
晩秋のグランド郡で同じハイスクールの生徒が3人、相次いで自殺を遂げた。『ニューヨーク・スター』の記者ジョン・ウェルズは単身取材に赴くが、一人娘をやはり自殺という形で喪っている彼には、苦いインタヴューの連続となる。だがそんなウェルズの前に、事件はやがて、意外な真実を明らかにしていった…。敏腕記者の苦汁に満ちた闘いを描く、話題のハードボイルド第一弾。
ノルウェー領スピッツベルゲン島が,ソ連軍に占領された。北洋艦部隊の潜水艦部隊が,イギリス=アイスランド間の海域に敷設させた機雷網を突破し,北大西洋への進攻を果たすためには、この島が戦略的な要衝となる。アメリカ海軍提督デヴィッド・プラットには,ソ連側の目論見が読めていた。彼らはNATO諸国に武力攻撃をしかける気だ。プラットの命を受けたバーニー・リングら海軍特殊部隊の精鋭は,島への潜入作戦を開始した…。
一方、ソ連地上軍が進攻を開始した。それに呼応するように、黒海艦隊および第5小艦隊が臨戦態勢に移行、地中海を封鎖してNATO軍への補給路を分断する構えだ。アメリカ第6艦隊の手で地中海は死守せねばならない。プラット提督は全軍の指揮をとるべく、旗艦の空母〈ジョン・F・ケネディ〉へ飛んだ。米ソ両軍の総力を結集した大海戦が、いま始まろうとしていた。『チョーク・ポイント』に続くハイテク軍事スリラー第2弾。
戦国末期の激動の時代を、己の天賦の才能を駆使しながらしたたかに生き抜いた藤堂高虎。浅井長政の下で初陣を飾った後、阿閉淡路守、羽柴秀長、豊臣秀吉と次々と主君を替え、関ヶ原の戦では家康に属し、ついに伊勢・伊賀22万石の主となった。その後も豊臣恩顧の外様大名でありながら、家康から親藩以上の厚遇を受け、10万石を加増されるに至る。乱世にあって、何を信じて生きるのか?自己の生を忠実にまっとうする以外ない。“ゴマスリ大名”藤堂高虎像を真っ向から打ち破った野心作。
調布の当銀病院に入院中の桑山仙吉が三人組に襲われて殺された。死体に香水がふり掛けられているのが奇妙であった。事件を扱う調布中央署に捜査本部が置かれ、遊撃隊的存在に新宿東署から移ったばかりの須貝と新人類刑事の山中の凸凹コンビがいた。桑山はもぐりの不動産屋、暴利の金融業者、暴力団とも関係のある男で、入院先の院長・当銀卓一郎とも連がりが感じられた。当銀は調布医師会長を務めるほどの名士だが、不動産売買に手を出し、女好きでも名を馳せ、香水に異常な興味を持っていた。刑事の凹凸コンビが執拗な捜査をつづけている時、第二の殺人事件が起きた…。
北海道に生息するカワヤツメを自在に操って女体をよがり狂わせ、人心撹乱を謀る術-。動煽術の使い手大彫幻像が東京に突如現われた。呪詛師青柳蔵市の弟子のとき、術を悪用したために破門された男だ。一方、動煽術を封ずる術・心力波及術を青柳蔵市から学んだ茅部流星は上京してテレビの制作プロダクションのディレクターになった。強力な八つ目族を組織した大彫幻像は動煽術を駆使して衛星放送地球局を意のままに操り、東京湾臨海部に海洋帝国を建設する野望の実現に乗り出す。その企みを粉砕するために茅部流星はライバル大彫幻像に決闘を挑む。-新鋭が精魂込めて描く書き下ろし長編伝奇アクション。
超人的「世界野球軍」との激戦に勝ち、世界No.1に輝いたナムコスターズ。でも、浮かれている場合じゃないぜ。他の球団が黙っちゃいないのだ。熱血漢月野監督のもとに、リーグの精鋭たちが結集。最強のオールスターズを作りあげ、ナムコスターズに挑戦状をたたきつけた。夢の球宴とは名ばかり。ナムコスターズを奈落の底へ突き落としてやろうと、おも、きよすく、くわわらが燃えに燃える。一方、ぴぴ監督、よせばいいのに丸坊主宣言をしてしまい、絶対に後に引けない。しかし、頼りの主戦投手らっぷは腹痛!今回も大波乱含みのプレイボールだぜ。
輝く泉の水で育てると、なんでも夢がかなうという黄金の種。それをめぐって人々が略奪と殺りくを繰り返すうちに、この世界は悪の化身カムーズの手に落ちる。荒れ果てた大地。途方に暮れる人々。最後の望み、どこかにあるという黄金の種を探し求め、旅を続けるサンドラ、コアクマン、ズールの3人にカムーズの魔兵士が襲いかかる。絶体絶命のピンチに、奇跡が起きた。一条の光とともに、神の子ワルキューレが天空から舞い降りてきたのだ。強敵カムーズを倒せるのはワルキューレだけ。黄金の種の謎を解き、地上を再び楽園に変えるため、新たな冒険の旅へ。
平和が続いていた日本にまたもや現れたエンマ大王。エンマ大王は、鬼族を利用して7つの村を占領しようとしていた。そんな状況を知った桃太郎は、初代桃太郎の使命を受け継ぎ、お爺さんとお婆さんに見送られ、鬼が島めざし鬼退治の旅に出た。途中立ち寄る村に続々と登場するギャグ鬼や恐ろしいボス鬼たちとの壮絶な戦い。はたして桃太郎は鬼たちの攻撃をかわし、エンマ大王を倒すことができるのか。