1990年1月発売
付き馬屋おえん暗闇始末付き馬屋おえん暗闇始末
江戸で日に千両の大金がおちるところといえば吉原。快楽の夢に酔いしれたつけは、翌朝になれば待ったなしにまわってくる。その貸金取り立てを請け負う、馬屋の2代目を、見事な器量のおえんが継いで…。虚栄の渦巻く色街で、若い女が生きてく様は、けなげな中にも強さが目立つ。著者会心の時代連作長編。
交歓の宴交歓の宴
美貌の婚約者が部長の愛人!ふたりが抱き合ってラブホテルから出てきた、と知らされた男は復讐のため、部長自慢の若妻をレイプすることに決めた。ホテルに呼び出すと、一気に自由を奪い、全裸に縛る。バイブで嬲り、遂にはアヌスまで-しかし、経験豊かな人妻は、犯られてばかりはいなかった。
遊仙窟遊仙窟
唐代伝奇小説の一篇である『遊仙窟』は奈良時代に伝来してわが国文学に多くの影響を与えた。しかし中国では早く散逸、その文学史的意義を認めたのが魯迅であった。本文庫は魯迅が序を寄せた川島校点本を底本とし、翻訳にあたっては敦煌文書の研究成果にも拠って、華麗な原文の趣きを伝えるべく努めた。巻末に貴重な醍醐寺蔵古鈔本の影印を付載。
梓川清流の殺意梓川清流の殺意
旅行作家茶屋次郎は、取材で訪れた信州梓川で殺人事件に巻き込まれた。現地を案内すると言った浅沼瑞恵が、早朝、梓川の岸辺で何者かに絞殺されたのだ。だが第一発見者である茶屋は、地元の豊科署に嫌疑をかけられ、その疑いを晴らすべく独自で事件の真相解決に乗り出した。瑞恵の知人小口多津子の協力を得て、やがて茶屋は浅沼家の意外な過去を探りあてた。なんと瑞恵の父は十二年前、祖父は三十年前に梓川で水死していたのである。一つの殺人と二つの水死-これは単なる偶然なのか?山岳ミステリーの名手が梓川を舞台に深まる謎を追う書下ろし旅情推理“川シリーズ”の第一弾!