1991年11月発売
大正14年12月21日、鶴見に建設予定の火力発電所の下請分担をめぐり、清水組と間組との関係が悪化。急を聞いた大阪はじめ各地の稼業人が次々と上京、ついに千人を超える男たちが激突した日本最大の喧嘩となる…。関係者の証言、資料をもとに克明に再現したノンフィクション・ノベル。
モーゼル銃数梃と猟銃数十梃がいっせいに火をふいた。砂まじりの烈風が吹きつけてくるような散弾のあらしにまじって、ヒューン、ヒュッ、と挙銃弾。白鉢巻や白襷の男たちの怒号が飛びかい、白刃が交差し、血飛沫が舞う…。千人を超える血気の男たちがくりひろげる乱闘、死闘の顛末は…。
1度でもいい。上さまの……あの顔に……怯えの影を見たいーー己れの力に寸分の疑いをもたぬ信長の自信、神をも畏れぬ信長への憎しみ、恐れ、コンプレックス、嫉妬、そして強い執着……村重、光秀、秀吉の心に揺らめく反逆の光を、克明に追う。強き者に翻弄される弱き者たちの論理と心理を描ききった歴史大作。 「裏切り」 主人を選ぶ 寄らば大樹か 男の嫉妬 かなわぬ恋 はじめての動揺 予感 あれか、これか 男の意地とは 俗世の試錬 讒言のなかで 窮鼠の心境 反逆 裏切り 昨日の友は今日の敵 小笹丸城 袋小路 内部の崩壊
ダンスこと団子翔市が、ゴールド(金田)辰巳から見せられた1枚の古文書。それには、日本に密かに渡来したソロモンの黄金の隠し場所がしるされているという。古文書の謎を解くべく集まった、ダンス、ゴールド、雪女、そして御隠居。だが、ダンスたちの同級生、小松とインテリヤクザの遠藤が、別のルートから吉祥大社に秘められた浅草黄金伝説を追う。さらには秘密結社、神聖十字軍やらJCIAまで現れて、黄金争奪大乱戦が始まる。黄金は実在するのか?そして、最後に笑う者は…?
女王ヒミコの病はますます重く、それに乗じて、強国クナの攻撃も更に激しさを増していく。皆が結束すべきこの時、ノボルとマサルは、倭を統一し、その王になるという、イヨに代わる大きな野望を胸に、東国へ、ヒムカの国へと去っていった。ただ1人、イヨの愛を得たタケルだけが留まり、彼女と邪馬台を救うために苦しい戦いを続ける。病の床で、後継者イヨの“目覚め”を必死に願うヒミコ。イヨもまた、自分の身にさし迫っているらしい大きな変化を予感し、恐れおののくのだった…。
白い砂と蒼すぎる海の中で今、危機に瀕する珊瑚礁を憂える沖縄の女。嵐に荒れる夏の終りの北の海辺にふいに現われた酒場の女。南国のホテルで白い貝を手に踊る異国の女。そしてもう二度と見ることのできない青春の日の海でつむじ風のような恋をした少女…。潮の香りとともになつかしく浮かび上がる女たちの肖像。海と風と女の忘れ得ぬ物語。
警視庁捜査4課で暴力団相手に活躍する父と元フリーのリポーターで事件大好きの母を持つぼくの名前は青野純之介。まだ1歳の赤ん坊だが、ぼくのタフガイぶりはちょっとけた違い。暴力団の幹部も「いい根性している。ヤクザにすれば大物になる」と保証するし、ぼくを誘拐した犯人は、ぼくももてあまして逃げ出す始末。1歳のベイビイを主人公にした、奇想天外なユーモア・ミステリー連作。
イギリス秘密情報局イラン担当主任マシュー・ファーニスが、ホメイニ体制下のイランに拉致された。現地工作員の情報を求める捜査官は、連日、過酷な拷問を彼に加える。一方イギリスでは、マシューが家族同様に付き合っていたイラン人青年チャーリー・エシュラクが、麻薬密輸で得た資金で武器を調達し、処刑された家族の復讐のため、単身イランへの潜入を計画していた…。
12世紀のイングランド。いつか大聖堂を建てることを夢見る建築職人トム・ビルダーは、職を求めて放浪の日々を送っている。そのころ、かつての大修道院キングズブリッジは衰退し、その大聖堂も大掛かりな修復を必要としていた。折しも教会を軽視してきた国王が逝去し、イングランドに内乱の危機が迫る。-壮麗なる大聖堂の建立をめぐり、数多の人びとが織りなす波瀾万丈の物語。