1991年11月1日発売
キングズブリッジ修道院長となったフィリップはトムを起用し大聖堂の再建を目指した。かつて放浪中のトムに出会ったジャックは、没落した前シャーリング伯の娘アリエナに一目で恋しながら、トムの徒弟として建築の才を開花させていく。だが、アリエナの父を捕らえシャーリングの地を得たウィリアム・ハムレイは、自領の衰亡を横目に繁栄するキングズブリッジに、焼討ちを仕掛けた。
トムの死後息子のアルフレッドが作事を引き継いだ大聖堂が脆くも崩れ去った。ウィリアムの暴挙で財産を失い困窮したアリエナは、ジャックへの愛を諦め棟梁のアルフレッドと結婚するが、彼女はすでにジャックの子を宿していた。ヨーロッパを放浪し建築の修業をしていたジャックは、新たな建築様式を身につけ、キングズブリッジへ帰還する。半世紀に及ぶ大聖堂建立物語の大団円。
江戸に流通革命をもたらすはずの大工事に、忍びよる影また影!伊豆大島の波浮に築港計画がもちあがるやいなや、幕府内部で奇怪な動きが目立つようになった。船団の針路と物流の変化をめぐって濁流のごとくぶつかりあう思惑と思惑、そして謎の剣客の暗躍。江戸、下田、伊豆大島がなす大三角形に展開する海と剣のサスペンス。
九州のさる城に囮のキリシタンが立てこもり、集まった10万余の幕府軍を巨艦が一気に叩き潰す。-ルソンの地で練られた壮大な幕府転覆計画に、豊臣の残党や、南方に取り残された侍たちが呼応する。幕府、細川藩、中国商人、イスパニア、オランダ、智恵と剣の限りを尽くし、島原の大乱が勃発した。
年上の女優ローズへの青年アレクシスの人生を狂わしてしまうような一途な恋、アレクシスの伯父ジョージ卿の落着いたムードへのローズの傾斜、二人の間に生まれた娘ジェニーのアレクシスへの幼い愛-。ローズを軸にまわるさまざまな愛の輪舞。「シャンパンに浸したペンで書いた」ような小粋なラブ・ストーリー。
こんな楽な仕事ばかりなら、探偵稼業も捨てたもんじゃない-それくらい、金持ちの家出娘エイシアを探しだすのは簡単だった。ところが、私立探偵クルーガーがエイシアを自宅に連れ帰ってみると、なんとそこでは、母親がエイシアのボーイフレンドをベッドにつれこんでいるまっ最中であった。クルーガーはショック状態のエイシアをなぐさめ、彼女の姉の家までおくっていった。だが、それで一件落着とはいかなかった。その晩、ボーイフレンドが何者かに射殺され、エイシアがふたたび姿を消したのだ。しかも、容疑はエイシアにかけられ、なぜかクルーガーも共犯者と目されていた。驚いたクルーガーは、真相を知るべく必死でエイシアをさがしまわった。だが、その努力もむなしく、こんどはエイシアの母親が射殺体となって発見された。“ドラッグさえあれば文句なし”のハイな探偵ダン・クルーガー、二転三転する殺人事件で鮮烈にデビュー。
“飢餓”をテーマに、伝統あるイギリス海洋小説にひとひねりくわえてみせたレジナルド・ヒルの『洋上の聖餐』、未亡人セーラ・ケリングの親類にあたる学者のハイペシャ・ケリング夫人が、盗まれた人形をめぐってあざやかな罠を仕掛けるシャーロット・マクラウドの『甘い罠』など、心理サスペンスからユーモアあふれる掌篇まで、バラエティにとんだ豪華短篇集。クライム・クラブ創立60周年記念。
天の川銀河のエネルギー奪取をもくろんだアンドロメダ銀河の野望が阻止されてから、10世紀。だがその平和もついに破られた。アンドロメダがオーラの弱い者に強制的に乗り移る技術を会得、新たな侵攻作戦を開始したのだ!宿敵打倒のため呼ばれたのは、現存する最高オーラの持ち主で、タローを操るミンタカ星のメロディ。彼女はソル人美女の肉体に転移し、宇宙艦隊へと送りこまれたが…。風雲急を告げるシリーズ第2巻。
超空間宇宙船〈レッドシフト〉-その船内では、光の速度は秒速10メートル、音速にいたっては、わずか6.6メートル。走るだけで音速は超えられ、赤方偏移も起こってしまう。そんな船内で殺人事件が発生した。〈レッドシフト〉は超空間階層の間を航行中で、外部の世界とは隔絶しているから、乗員か乗客が犯人であることは間違いない。一等航行士ジェイスン・クラフトはさっそく捜査を始めるが…。話題の長篇ついに登場。
ダーニクの活躍で魔神を撃退したガリオン一行は、予言に記された対決の場所の秘密が隠されているケルの町まで、あと一歩というところまで迫っていた。一刻も早くケルで秘密を明かさないことには、ガリオンの息子はザンドラマスの手でいけにえにされ、全世界が闇の手に落ちてしまう。ところが、ケルには、よそ者を寄せつけないための呪いがかけられていた。はたして、ガリオンたちは無事ケルにたどりつけるのか…。
白血病という不治の病にもかかわらず、大金持ちの青年ヴィクターは才気にみち、生き生きとしていた。健康そのものの美しい娘ヒラリーは、隠遁生活をおくる彼の看護をするうち、自分にはない知性とエキセントリックな魅力に惹かれ、彼の愛人になった。だが一方で、彼女を求めるごく普通の健全な若者とも恋におちる…。潮風が吹くボストン近郊の海辺の町を舞台に描く、痛切な愛の三角関係。アメリカ文壇の新星が放つ話題作。
楽しい時はもちろん、疲れた時も笑いは一杯の酒にまさる。ブリタニカ百科事典をナナメ読みした学識豊かなラブストーリー「エンサイクロペディア国の恋」。おたがいに誰だか思い出せない2人がばったり出会った場合の困った会話「やあ、ひさしぶり」。などなど、ロバート・ベンチリー、コーリイ・フォード、アート・バックウォルドらアメリカン・ユーモア黄金期の名篇の数々を『ユーモア・スケッチ傑作展』からさらに精選。
ユーモアのセンスこそ、人生の貴重な宝物。ぞろぞろいた楽音家バッハの一族に光をあてる「忘れられたバッハ」。楽しい遠乗りの1日がだいなしになってしまう「自転車の修繕」。なぜそういう時に限ってそういうことが起きるのか(あるいは起きないのか)という重要問題を解明する「フェトリッジの法則」。フランク・サリヴァン、ジェローム・K・ジェロームら、英米加の笑いの名品を『ユーモア・スケッチ傑作展』から抜粋。