1991年6月発売
高名なアルピニストが、アルバイト先の建設現場で謎の転落死を遂げた。彼は数週間前にも登山中に岩場から転落し、奇跡的に無傷で生還したばかりだった。死因に不審を抱いたマクリーシュ警部と恋人のフランチェスカは、建設会社の人間関係にわけいっていくうちアルピニストが資材横流しにかかわっていたとの噂を耳にする…。CWA賞受賞の新鋭が、おしどりコンビの活躍を知的でスタイリッシュに描く注目の新シリーズ第二弾。
“少し話しませんか”-突然コンピュータ画面に現れる謎のメッセージ。それは殺人者の罠だった。パソコン通信で若い独身女性にアクセスし、次々と殺人を重ねながらまるで証拠を残さない犯人の正体とは?被害者の父に請われ、元刑事のハニガンは見えない犯人を追って調査を始めるが…。映画的カットバックを駆使して描く、ノンストップ・サスペンス。
遥かなる未来、地球は砂漠に覆われ、以前は隆盛をきわめていた世界各地の都市も無人の廃墟と化している。かつては宇宙を自由にかけめぐり、華麗なる文明を築いていた人類もいまは見る影もなかった。ただひとつダイアスパーだけが最後の都市として、ほそぼそと生き延びていた。永遠の生命をもっているダイアスパーの住人は、すべての労働を機械にゆだね、安楽で満ち足りた日々をすごしている。だが、ダイアスパーで七千年ぶりに生まれた子供アルヴィンは、変化のない生活に飽きたらず、外の世界を探険しようと都市の境界をめざしていくが…。巨匠クラークの名作『銀河帝国の崩壊』を第1部とし、クラークの描いた壮大な世界を、ハードSFの第一人者ベンフォードがあらたに展開した傑作未来叙事詩。
〈ジュラシック・パーク-恐竜王国〉。そこでは、バイオテクロノジーを駆使して現代に甦ったティラノサウルスをはじめとする15種類の恐竜たちが、コンピュータで管理された環境の中を闊歩していたのだ!オープンをひかえて、創設者のハモンドは視察のための顧問団を島に迎えることになった。古生物学者、古植物学者、数学者-それにハモンドの係である二人の子供たち。さっそく園内ツアーに出発した彼らは、奇跡を目前にして驚嘆した。ところが、完璧にコントロールされているはずのシステムは、じつはひそかに破綻していたのだ。そして、人類がいまだかつて体験したことのない凄じいパニックが、彼らを待ち受けていた!
名探偵・石神法全の事務所をひきついだ“僕”の所に、猫のジャンヌを連れた狩野俊介少年が弟子入りした翌日、町で最大の豊川病院・寛治院長が来所して曰く「妻の信子が怪しげな導師を自宅に泊めて、妙な宗教に凝り固っているので、家に来て彼女の迷夢を醒まして欲しい」。早速、僕と俊介君とジャンヌはその豪邸に赴いた。そして、導師が午前零時に庭内にある庵、月光亭において奇跡をみせるというので家族が集まったが、肝心の信子の姿が見えない。その時、突如停電となって…。事件の幕が開いて“僕たち”の活躍が始まる。
雲が低く垂れこめた空の下で、キーリー神殿はみすぼらしくその廃墟をさらしていた。石の壁は蔦でおおわれ、タイル敷きの地面には夏草が茂っている。ルカリーとノリアの2人の家には両親はいない。数年前に惨殺されたのだ。ここへさ迷いこみ、将来を誓いあったとき、不思議な音を聞いた。キーリー神の神像のある方向の瓦礫の床の上にそれはいた。犬か狼か?4本脚で這う異形の赤子だった。その音は、リィ・イ・ン-『与えられし者』という言葉に聞えた…。このとき3人の悲運の扉が開かれた。ひかわ玲子の傑作巨篇。
武藤類子は剣道2段の高校2年生。剣道部の先輩・高杉に偶然出会い、ロックバンド「パルス・ギャップ」の関係者を紹介された。高杉は現在、専属マネージャーをしていたのだ。数日後、高杉とともに親しくなったメンバーのレイカ、アキラ、ジミー、タカ、そしてスタジオ・ミュージシャンの果月が、類子の引越を手伝いにやってきた。そこへ突然イタズラ電話が舞い込んだ。「まだ誰にも電話番号を教えていないのに」不安を覚えた類子の予感は適中した。その後、果月のライブ中に殺人事件が起こったのである…。
衛斯理は、持ちまえの好奇心に駆られ、ミステリアスな事件につぎつぎと首を突っこんではSF小説を書きまくる香港の名「アマチュア探偵」だ。異様な老猫を飼っているみすぼらしい老人の行動に不審な匂いをかぎつけ、さぐっていくうちに、人類にとっての一大事に遭遇することになる。知的で魅力的な若妻・白素とのコンビが活躍する長篇SFファンタジー。香港との合作SFX映画『猫』の原作。
結婚4年めの弁護士ウォルターと妻クララの間にはすでにすきま風が吹きはじめていた。ある夜、クララはパーティーの席で夫と会話をかわしていた女性との仲をかんぐり、夫婦喧嘩の末、自殺未遂の騒動をおこしてしまう。神経質な妻の性格に嫌気がさして、ウォルターはある新聞記事を思い出す。妻殺しの完全犯罪をおこなったとおぼしい男の記事を…。『太陽がいっぱい』、『見しらぬ乗客』の原作者、サスペンスの巨匠パトリシア・ハイスミスの初期傑作長篇。
伝説に秘められた地球への道、タケルたちの運命は…。魔界の侵攻を退けたタケルと仲間たち。りゅう13号のテスト飛行で宇宙から帰ってみると、さあ大変?新王ドラゴニアで次々事件が降りかかる。果たして地球にもどれるか?!好評シリーズ第1期完結編。
秘密クラブで獣姦ショーを楽しみ、淫らな夜を過ごしたTVディレクターの伊沢亮。だが、クラブ内で同行した友人が射殺され、容疑は伊沢に…。真犯人を追う伊沢だったが、倒錯した性の誘惑と不可解な殺人事件が、解決を闇にとざしたー。やがて、政財界を操るフィクサーを嗅ぎ当て、彼の別荘に乗り込むが…。そして、そこで見る妖しい世界とは。
源義経の秘宝を狙う宝探し屋・橋爪竜助に、戦慄の妖魔軍の襲撃が。念法の達人・工藤明彦は旧友・橋爪の危機に駆け付ける。さらに魔人・由比もまた、秘宝を狙い、工藤らを襲う。三つ巴の死闘、烈闘、奇闘!妖魔軍は青年剣士・風街と橋爪の娘・美鈴を強奪。工藤が、由比が、妖魔の本拠・地下王宮へ-。しかし秘宝を守る最強妖魔群が狂暴化、王宮は淫気魔風の坩堝と化した。そして、念法を封じられた工藤に、義経「復活」をかけて恐るべき罠が。息もつかせぬ「妖」と「淫」、著者のすべてのパワーを叩き込み、読者を興奮の熱波で呑み込む『妖魔淫獄』全4巻ここに圧倒的な完結。
群雄割拠し、非道罷りとおる戦国時代。血腥い争乱の世に、天下統一の凱歌を奏したのは、今川でも武田でもなく、冷酷な将・織田信長であった。桶狭間を血に染め、比叡山を炎の地獄絵図に変えた男…だが、信長の背後には、彼を操り世を乱す怪しの幻術師・修羅丸がいた。かつてなき烈しい戦時を生きた梟雄たちと、夢幻の人世を描きだす、著者会心の大河小説。
ロンドンのワイン商ウォーナー。少しばかり退屈だが、何不自由ない暮らしの中年男…。そんな彼に、突然、一発の銃弾。ウォーナーを狙った犯人は、逃げ込んだ底なし沼に沈む。だが、続けて第二、第三の暗殺者が。なぜ、なぜ狙われるのか。身に覚えはない。自ら事件を解明すべく、ウォーナーは見えぬ敵に反撃を開始した。そして結末は意外にも…。-“大型新人の素晴らしいデビュー作”と英米紙絶賛の異色冒険小説、シリーズ第1弾。
冷戦の10代は終わった。本当の20代の話をしよう。ホーキングが語る宇宙のように、君と僕と東京はつながっている。胸の内に“ベイビーユニバース”を抱えたすべての人々に贈る。著者初のノンフィクション・ノベルズ。
25年前-。ソーマック公爵と婚約していたカニーダの母は、イギリスの伯爵家の次男ジェラルドと出会い、結婚式の前夜に駈け落ちをした。以来、二人はソーマック公爵から様々ないやがらせを受けながらも、イギリスで暮らし、不遇のうちに死んだ。公爵に憎しみを抱いて育ったカニーダは、先代の公爵に代わって息子の現公爵に復讐するためロワール河畔へと向かう。サーカス芸人になりすまし、愛馬にまたがって華々しく公爵の前に登場した。
警官のキャサリンは、ブロンドの長い髪を揺らし、挑発的なミニスカートで、夜の街に立っていた。売春婦を装った、おとり捜査の最中だった。そこを、ひとりの男が通りかかり、声をかけてきた。たくましい体つきに、男らしい態度。こんな素敵な人なら、女性はほうっておかない。それなのに、なぜ彼は…。キャサリンは、不思議に思いながらも、セクシーな会話を仕向け彼を現行犯で逮捕しようとした。