1991年発売
東京の高級住宅街広尾。児童公園で出稼ぎの地下鉄工事従事者の他殺体が発見された。渋谷署の新米刑事・清水は、現場に残された車輪の跡を手掛りに、営団地下鉄の協力を得て、捜査を開始。その直後、同じ広尾で殺人が発生し、被害者にまつわる意外な証言が、二つの事件を関連づけてきた…。地下鉄道網を舞台にサスペンスタッチで描く長篇推理。
解放軍青年将校が村に残した若い妻に抱く性的妄想と、この妻と村の青年との不倫を描く問題作「金髪の赤ちゃん」をはじめとする、“中国のガルシア・マルケス”といわれる莫言の魅力を余すところなく伝える待望の短篇集遂に刊行。
男好きの看護婦ジャッキー惨殺の動機は?医療過誤訴訟の切札、手術同意書はどこに?第一線で活躍する神経科医がシカゴの医療センターを舞台に臨場感溢れるタッチで描いた本格医学ミステリー。
息子を禅僧への道に送り出した変哲もない家族の戸惑いと型破りな師匠の尼僧をユーモラスに描き、「現代の子捨て物語」と評された第98回芥川賞受賞の表題作ほか、「トンボ眼鏡」「黒い海水着」の2篇を収録。
インドでは蛇使いに会い、グリーンランドではエスキモーに魚釣りを教え、中国では皇帝のお茶に呼ばれるー。一人のしがない釣りびとの奇想天外な旅物語「セーヌの釣りびととヨナス」。本邦初訳の中篇「いばりんぼの白馬」併録。
オックスフォード大学の学生ポール・ペニフェザーは、酒を飲んでのドンチャン騒ぎに巻きこまれて放校処分を受けたことから、うさんくさい連中ばかりいる妙な私立学校に勤めたり、売春斡旋の嫌疑で刑務所送りになったりする破目になり、やがて…。イギリス流の苦いユーモアに彩られた波瀾万丈の物語。本邦初訳。
中国奥地に源流を発し、極地地方を通ってニューヨークにまで流れ込む伝説の大河、ハサヤンパ。そこはすばらしい魚の宝庫であり、マストドンやユニコーンまでもが生息していた。少年ランナーは父親のティルカットに連れられて、釣りと狩りのキャンプ旅行にハサヤンパ河を訪れた。マストドンを撃ち倒し、淡水カジキを釣りながら、父子の旅は順調に続くように思えたが、ある苛烈な出会いがハサヤンパ河上流で二人を待ち受けていた…。奇想天外な傑作カルト小説。
単身赴任先で知り合った4人の男たち。北の街札幌を彩る女たちとの、メランコリックな出会いと不倫、そして別れ…。一方、東京の妻たちは、ひとときの愛を求めて、官能の海を泳ぎまわる…。トレンディな感性で描く官能長編!!