小説むすび | 1992年2月発売

1992年2月発売

黄昏にマックの店で黄昏にマックの店で

臨時雇いとして、影でCIAの仕事に携わりつづけた一人の男が死んだ。彼の名はステディ・ヘインズ。ひっそりと生きた彼は、ひっそりと死んだ。アーリントン国立墓地で行われた葬儀に出席した会葬者は、政府からのまわし者をのぞけば、故人の息子と愛人と旧友のたった三人だけだった。だがステディの遺産は、その目立たない人生とは裏腹にCIAを震撼させた。彼は自分の関わった仕事の内容を暴露した回想録の原稿を息子に残していたのだ。CIAは回想録を握りつぶそうと動きはじめる。しかし、それを狙っているのはCIAだけではなかった。ステディの葬儀に出席した三人が馴染みの〈マックの店〉で旧交を温めた直後から、何者かが彼らの命を狙いはじめたのだ。ステディの息子で殺人課の元刑事グラニー・ヘインズは、殺人者への反撃を決意する。彼は〈マックの店〉を根拠地に仲間を集め、回想録の原稿を餌に復讐の罠を張るが…。予断を許さぬ巧みなストーリーテリングと粋な会話で並ぶ者なきロス・トーマスの、“巨匠屈指の傑作”と評された最新作。

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