1992年3月1日発売
秘された“過去”を負う“被疑者”冬木二等兵の「不条理上申」と東堂二等兵の「意見具申」によってさしもの「剣〓事件」も終熄する。そして事態は、醜怪極まりない「模擬死刑事件」による東堂・冬木らの営倉入りを経て、小説の掉尾を飾るかのような大珍事によって急転回をとげる。…1942年4月24日午前9時55分、主人公東堂太郎二等兵の屯営への訣別と共に、4700枚の壮大なファルスも遂に完結する。
その日までルイーズは平和な毎日を送っていた。やさしい夫、まだ反抗期に手の届かない上の娘たち、そして、夜泣きの虫を発揮してはルイーズをあたふたさせる生後七カ月の息子。だが、あの謎の間借人が現れた日を境に、べては一変した…。研ぎすまされた感性と絶妙のユーモアが生み出す、たぐいまれなサスペンス。アメリカ探偵作家クラブ最優秀賞に輝く傑作、遂に登場。
彼女は作家、しかも男ばかりを狙う連続殺人鬼。女性私立探偵クィンの恋人もまた、犠性者のひとりだった。犯人はわたしが探す。そう言い張るクィンに、殺人課刑事マクレアリは手を焼いていた。そんな彼らの前に新たな殺人事件が…。捜査が暴く人間の隠された顔、顔、顔。そして、最後に現われたあまりにも意外な殺人鬼の素顔とは。期待の女流が放つ慟哭のサイコ・サスペンス。
1966年6月28日。一人の老人が射殺された。西太后の翡翠を握り、七夕までは待てなかった、といい残して。当日、東京は大混乱だった。台風4号の襲来で、飛行機は欠航、新幹線は運休。しかも翌29日にやって来るビートルズに23万の若者が熱をあげ、補導された者が6500人。おまけにベトナム反戦の炎が燃えていた。そんな過熱東京で6月30日またも殺しがあった。が二つの殺人事件は、なんと大陸の謀略事件に結びつく。それをビートルズが解いたのだ。歴史の軋みを描いて新機軸「ラスト・エンペラー」の巨宝をめぐる長編・現代史ミステリー。
雪の朝、高価な服を着ているが裸足の奇妙な死体が発見される。一方、女性ジャーナリストのジュディスは、ハンガリー移民から身を興して今やカナダを代表する実業家のポール・ジマーマンのインタヴューに成功する。しかし彼は、豪壮な邸宅でのパーティの最中に不慮の死を遂げる。ジマーマンの死に不審を抱いたジュディスは恋人でトロント警察の警部デイヴィッドとともに事件の謎に迫るが…。
愛する男のために産業スパイとなった美人秘書・裕美。その報酬はレイプ。オフィスで裸に剥かれ、豊満な肉体を晒す。屈辱的な態位で犯され、男のペニスを受け挿れた裕美の秘唇は、妖しく蠢き歓喜の嵐を呼ぶ。だが男は裕美を裏切り、妹の美処女に目をつけた…。
夏目漱石の『吾輩は猫である』の主人公吾輩が、ビールを飲んでカメの中に落ちて、ナムアミダブツを唱えたけれど、酔いが醒めればカメの縁から這い上がってくる。独語教師・五沙弥入道宅に移して「猫」が見る人間模様を描く百〓@6BE1版『吾輩は猫である』。
SFか?現実か?新生ドイツの話題作。西暦2016年のドイツ。17歳の高校生カールは小さいときから自分が養子であることをきかされていたが、実の両親捜しを進めていくうち、出生にまつわる怖ろしい秘密を知ることになる。
麗子・23歳、有美子・19歳。美人の誉れ高い姉妹が、性獣たちの毒牙に堕ちた。妹を助けたいばかりに、乳房を、秘唇を嬲り抉られながら、長い髪を乱して舌戯に耽る麗子。脚では、四つん這いになって、処女地を荒らされる有美子。高まる姉妹の悲鳴、呻き、鳴咽…。やがて、姉の股間からは愛液が、妹からは鮮血が滴りはじめた。
人は苦悩に耐えていかに生きるか、その一つの道がここに示されている。本書は著者自身の惨憺たる闘病経験を通して、現代の医療界にしみついている危険な体質に対する根源的な問いかけをしている。
「勝って私を迎えに来て!」と女は言った!「必ず勝つ!待っていてくれ」と男は答えた。生死を賭けたレーサーを取りまく男たち女たちの複雑な愛と人間模様が絡みつく。勝利か、敗北か、愛か、死か?その結末は-?