1992年6月1日発売
6世紀後半の倭国。出雲王朝の血を引く継体大王が、謀殺されてから約四十年の後。大和の豪族三輪氏に、その血を引く媛が誕生した。久麻里媛と名付けられたその子は、朝廷の迫害を恐れた父、稚見磨呂により、三輪氏に仕えるサンカの手に密かに預けられた。そして9年の月日が過ぎ、12歳となった少女クマリは、大和を遠く離れた須羽の地で、自らの運命も知らず、サンカの長、白火の娘としてすくすくと成長していた。朝廷の奉じる天津神と国津神の対立、そして新たな神「仏」を巡る蘇我氏と物部氏との争い。騒然とした時代を背景に、出雲の神宝、龍鱗の勾玉を継ぐべく運命の少女クマリは、大きな歴史のうねりに巻き込まれていく-。新鋭が活写する大型歴史ファンタジーロマン。
略奪国家アメリカへの反逆精神、銃撃戦、突然変異体との闘いなど、バロウズ世界のエッセンスに満ち満ちた短篇集。’89年作品。待ちに待たれたバロウズの最新作品集。ファンタスティック小説シリーズ第2弾。
19世紀に華々しく開花したゴシック小説。その死と恐怖に満ちた暗黒の世界は、われわれ現代人の心の中にも巣くっている。本書は現代作家によるゴシック小説を甦らせようという試みであり、新たな世紀末を飾るに相応しい異色のアンソロジーである。呪われた画家の生涯を描いた幻想譚「展覧会のカタログ」(スティーヴン・ミルハウザー)、プラスチックに覆われた奇妙な街の世界「ニュートン」(ジャネット・ウィンターソン)、平和な日常生活へのグロテスクなファルス「オヴァンドー」(ジャマイカ・キンケイド)、ポオを思わせる不気味な死の物語「におい」(パトリック・マグラア)他、短篇全9篇を収録。
「親の七光り」という十字架を背負い、悩み傷つきながらも自分たちの足で歩き、自分たちの力だけで何かを獲得しようとする二人のジュニア、力と愛の両方を求める男たちに翻弄されていく女たち、政界を舞台にヴィヴィッドなタッチで描く。
結婚相談所“白菊ブライダル”には今日もまた結婚相手を求めてさまざまな女達が訪れる。そしてそんな彼女達を待ち受けるのは副所長“東田靖夫”の性の婚前チェックだった。未亡人から女子大生、美人アナウンサーから、はたまたAV女優まで彼の手にかかれば最後、皆彼の性の奴隷になり果てる。彼女らが想いはべらすのは、まだ見ぬ夫との一夜なのだろうか?リアルな描写で迫る官能長編。
「こんなに呪われた運命は見たコトがない!すでに死相が現れておるぞ!」占い愛好家のマージに連れられて入った占い小屋で、不気味な占いババアが、オレにそうほざきやがった。クソババア、嫌がらせにしてもほどがある。ところがどっこいその帰り道、さっそくとんでもない災難が、オレを襲ってきやがった。くそー、占いなんて死んだって信じねーぞ。女難、水難ー怒涛の災難がキャッシュを襲う、絶好調アクションノー天気ラブ?コメディ第3弾。
かつて一世を風靡した恋愛小説があった。それは実在の夫婦を題材にしていた23歳の天才作家と絶世の美女…。しかし、若き二人は破滅の道を選ぶことになる。酒に溺れた天才作家は精神病院に収容された妻へ手紙を書き続けた。