1992年7月発売
十五歳の少年デールは中学校生活最後の夏休みをひたすらバスケットボールの練習に打ちこんでいた。父子家庭に育ち、父親がシボレーの工場に勤めるしがないアル中ということもあり、これまでの生活を一変させようと、デールは自分のバスケットボール・チームを率いてシティ・リーグで優勝することを夢見ていた。ところが、誰もが認める実力ナンバーワン・プレイヤーのはずの彼をレギュラーから外そうという陰謀が企まれた。新しくチームのスポンサーになった町の有力者が自分の息子をデールのポジションに入れるため、邪魔になった彼を締め出そうというのだ。考えてもみなかった不当な仕打ちを前に、バスケットボールに青春のすべてを賭ける夢多き少年の新たな戦いがはじまった…。アメリカ中西部の地方都市を舞台に、傷つきやすい少年の成長と夢と挫折をさわやかに描く、期待のアメリカ青春小説。
桜子と小梅は和泉坂病院を訪れた。性格的には対照的な二人だが、社会の縮図ともいえる病院で、自分自身を試してみたかった。素直な心で人のために尽くしてみたい。親身になって患者の相談にのる一方で、青年医師との恋に悩む二人。友情の危機。院内での葛藤。それでも天使のような心は失いたくなかった…。医療ソーシャルワーカーをめざす、若い女性の友情と恋愛。生命とは何か、自らの悩みを克服しながら成長する鮮やかな青春。
警視庁捜査一課の美人刑事・今野真弓は殺人事件発生の報らせを受けて、部下の道田刑事と原人の骨を展示中のM博物館に急行した。現場には作業服姿の若い女が倒れており、首筋に小さなとげのようなものが刺さっていた-。猛毒を塗った吹矢による毒物死らしい。しかも死体のそばには原人の骨が人間の形に組み合わせて置かれ、手にあたる部分に吹矢の管が…。犯人は原人の骨?真弓の夫で泥棒の淳一はさっそく真相究明に動きはじめた直後、セーラー服の謎の少女が運転する車にあやうく轢き殺されそうになり…。ユーモア・ピカレスク。
男たちは地下駐車場に潜んでいた。赤いフェラーリのドアを開けた瞬間、殺気がきた。助手席の側に若い男が立っている。手には飛び出しナイフ。「人違いだ」と言って、車に乗り込もうとした時、背後から衝撃がきた。首筋に激痛が走り、思わずコンクリートのフロアに両膝をついていた。内ポケットから札入れが抜きとられ、めった打ちにされたらしい。記憶がとぎれ、目覚めた時には、襲ってきた2人組の男が血まみれで倒れていた…。東京都水上区-東京湾埋め立てで出来た人工都市を疾駆する本田慈英にまつわる秘密とは。書下し長篇ハード・アクション。
勇壮な木落としで知られる日本三大奇祭のひとつ、信州諏訪大社の御柱祭。祭のハイライトの木落としで、巨大な御柱が暴走した!折しもその日、東京大田区の諏訪神社境内で男の変死体が発見される。境内の御神木には御柱祭の儀式に使用される鳥のかたちをした薙鎌が打ちつけてあり、男の髪には赤い風車が2本差してあった…。警視庁捜査一課の志垣警部は、和久井刑事と共に事件の洗い直しを開始する。被害者の靴から採取された土を手掛かりに2人は信州へと旅立った。次第にその姿を現わす驚愕の事実。大好評第3弾。
めくるめく閃光が、霧の向こう側に巨艦のシルエットを浮かび上がらせた。「あいつを見るのは10年ぶりだが…」護衛艦「はるな」の艦長は呟いた。ロシア太平洋艦隊の戦艦「ヴァツーチン」の巨影だった。全長400メートル、最大幅50メートル、主砲は58口径25インチ砲9門。『鋼鉄のレヴァイアサン』-。西側の軍事評論家は、畏怖と讃嘆を込めてこう呼称した。199X年1月10日何故、日本海竹島北東海域に出現したのか?日米露が威信を賭けて激突する、これが超絶の地獄戦開始の口火だったとは。傑作書下しシミュレーション戦記。
豊前船島、すなわち巌流島で佐々木小次郎を打ち倒して1年半が経つ。宮本武蔵は、高野山を目指し紀ノ川沿いの道を登っていた。山には「御前」と呼ぶ良覚上人がいて、武蔵は心の空虚さについて問答をしにきたのだ。そして剣2刀を上人に預けて丸腰になった武蔵は、柔の始祖といわれる竹内道場の門を叩く。そこで武蔵は高野山の武装僧侶団に襲われる。武蔵が良覚上人を殺し、山の「宝」を盗んだという理由であった。風雲急を告げ、大坂冬の陣がまさに始まろうとしている折、武蔵の身辺も慌ただしくなって、決断を迫られる。書下し長篇時代アクション。
蝿の悪魔、復活。シルリルがさらわれた。第2の故郷ドラゴニアへと帰ってきたタケルたちにまたまた事件が降りかかる。人間界の王国を舞台に、さあベールゼブブを追っかけろ。美男エルフのアルフィルをパートナーに、大好評のシリーズ第2部いよいよスタート。
「現役偶然、一浪当然」といわれる大学受験。津吹淳一は、現役で共通一次に挑戦、私立も二、三受けてみたが、予想どおり全部失敗。いよいよ浪人生活へ。通い始めた予備校で、仲間もできた。同じ高校のバンカラ片山。おかま言葉の大道寺。ロリコン趣味の気弱な吉沢。なぜかヘンな奴ばかりでユーウツな毎日だ。文壇随一の奇才が描く、哀しくもおかしい青春群像、第一弾。
新日本航空の花のスチュワーデス、通称・エー子とビー子。同期入社でルームメイトという誰もが知る仲よしコンビ。容姿と性格にはかなり差がある凸凹コンビではあるけれど…。この二人が奇妙な事件に遭遇する。昼間、乗務中にお世話した男の妻が、自動ロックのホテルの室内で殺害されたのだ。雲をつかむような難事件の謎に挑む二人の推理はいかに?