1992年8月発売
沖縄の海を舞台に仕事をしたい…。21歳の青年・中本純市は、本土復帰直後の沖縄を訪れ、拠点をさがして、離島から離島へ僻地から僻地へと旅をする。海中の息を呑む魚群と珊瑚、シマンチュ(島人)やウミンチュ(海人)たちを通じたウチナー世界との出会い。やがて青年は石垣に居をすえ、プロダイバーとして仕事をはじめる。この物語は実話にもとづき、登場人物は実名である。沖縄の海を舞台にしたダイビング小説。
「俺は永遠に生き続けるんだ…」強迫観念的に〈永遠の生命〉を希求する男、ハートは、幻の「マヤの書」から死と恐怖の秘密を探り出し、巧妙な情報操作によって全生命の支配と管理を企むが…。古代マヤから現代へ、時空を遥かに超える場面転換、極彩食の幻覚が織りなす万華鏡世界-。バロウズ特有の技法を駆使しながら黙示録的結末へと展開する表題作ほか、ロバート・F・ゲイルのユニークなイラストを含む「言霊の書」、カットアップをはじめとするバロウズ理論の解説書「電子革命」の2編を併録。
「人間五十年。天下のうちをくらぶれば、夢まぼろしのごとくなり」と、乱世を疾駆した織田信長。その夢と理想を受け継ぎ天下を統一した豊臣秀吉。そして盤石の幕府組織の確立に取り組み、手にした天下を末永く子孫に伝えた徳川家康。「時代小説の仕掛人」がリレー式に、天下統一をなしとげた三代の英傑の戦いと統治の構図を克明に描き、等身大の視点で生き生きと彼らの人間像に迫る。池波正太郎作品唯一の絶版長編、待望の文庫化。
美貌の奇術師・曽我佳城探偵シリーズ第2弾魔術の舞台さながらに次々に発生する不可思議な殺人事件! 捜査に行き詰まるたびに刑事から相談を受ける奇術師・曽我佳城が、犯行のトリックを鮮やかに解明!
これは現職の弁護士が書いた裁判小説である。被告人は無実なのに、殺人で起訴される。状況はすこぶる悪い。疑わしきは被告人の利益に判断するというのが刑事裁判の鉄則。だが、わが国の現実の法廷では不利益にしか作用しない。主人公の弁護士はこの八方ふさがりの中でどうやって真相に迫るのか。