1992年9月1日発売
ワシントンの超高級ホテルの一室で、情事中の大統領首席補佐官が急死したー。FBIは極秘調査を進め、大統領も新任の補佐官を選ぶべく早急に準備を始めた。やがて、候補者として三人の名前が新聞紙上を賑わすと、セカンドレディを夢みる妻たちは、虚々実々の駆け引きをし、ホワイトハウスの虚栄をさらけだす。三人の華麗な女性を魅了するワシントンの甘き誘惑を描いたロマンス。
〈クレスト4〉は暗黒星雲のなかを惑星ツォートコーンをめざして飛んでいた。そこでけだものの指導的種族ペレヴォンが秘密最終兵器の製造を進めていると、M-87の元軍事司令スコアルトが教えてくれたのだ。だが、ペレヴォンの本拠星系は恒星ダスティ・クイーンのノヴァ化で今まさに破滅しようとしていた。ローダンはロワ・ダントンとコマンドをともなって惑星ツォートコーンに強行着陸し謎の実験施設に突入するが…。
超大企業ドライコに支配されたアメリカ同様、ロシアも強制消費社会と化していた。ドライコの退役将軍ルーサーは、秘密任務を帯びてこの地を踏んだ。失踪した科学者が発明した画期的空間転移装置を、その科学者ごと奪取しようというのだ。だがルーサーはまだ知らなかったー。この装置が空間のみならず、時間の壁さえ飛びこえる驚異の転送能力をもっていることを。過去と未来をつなぐ悪夢を期待の新鋭が描く驚嘆の問題作。
21世紀もなかばを過ぎ、地球は人口爆発や環境破壊で、他の惑星への植民を迫られていた。しかし、〈ひも〉という超空間通路をもちいた惑星探査には、多大なリスクがあった。不安定な〈ひも〉がいつ消滅するかわからず、しかも居住可能惑星はいまだに発見できていない。けれども青年セドリックは、この冒険に魅せられていた。やがて彼は、惑星探査を独占している組織“機構”から招きを受けたのだが…。大型娯楽SF開幕。
驚くべきニュースが“機構”に飛びこんできた。第三級惑星ナイルの探査チームが石斧で殺されたのだ。この惑星には知的生物がいるのか?ついにファーストコンタクトの時がやってきたのか?セドリックは、“天命”を察知する超能力をもつアライア王女とともに〈ひも〉を通って宇宙へ旅立ったが、その裏では、世界権力をめぐる権謀術数が渦巻いていた…。人気作家ダンカンが満を持して放つエンターテイメントSF快作。
アメリカ宇宙軍が主体となった多国籍の国連火星遠征軍は、火星各地に築かれた新生ソヴィエト連邦の基地を急襲、占領に成功した。やがて、この遠征軍を率いていた双子の兄弟オーガスタスとアレクサンダーは、苛酷きわまりない環境の火星と人類の故郷である地球でそれぞれの道を進みはじめるが…。科学者作家フォワードが、最新の科学知識と理論を縦横にもちいて、火星の姿と火星植民の未来をいきいきと描きだすハードSF。
紀元前1500年。クレタ王国は蛮族アカイア人の侵攻の前に屈しようとしていた。王女テアと弟のイカロス王子は追手を逃れて森の洞窟に入ったものの、牛頭人身の怪物ミノタウロスに行く手をふさがれてしまった。ところが意外にもミノタウロスは、怪物どころか、森を愛する知的で穏やかな生きものだった…。クレタの森の幻獣たちとともに、侵略者から故国を守ろうと立ち上がった王女と王子を描く、幻想の詩人スワンの処女長篇。
サイロンは一年でいちばん美しい季節、北国の短い夏をむかえていた。隣国ユラニアとの戦乱もおさまり、ケイロニアの人々は平和を満喫していた。黒竜将軍グインにとっても、それはひさかたぶりの平穏な日々だった。だが、ひとりの舞踊教師が宮廷を訪れたとき、ケイロニアを震撼させる大事件が巻き起こるのだった!たぐいまれなる美貌を持つこの男の正体とは?-ケイロニアに舞台を移し豹頭の戦士グインの活躍を描く。
砂漠の戦争に終止符を打つべく、連合軍は北アフリカで上陸作戦を開始した。激戦が続くなか、キャメロン大尉の乗るコルベット艦オレアンダーは、密命を帯びてアルジェリア北部のさびれた港町へ向かう。そこではドイツ軍が細菌兵器を用いた反撃の準備を進めていた。連合軍将兵を大量殺戮から救うには、これを破壊しなければならない。キャメロンはわずかな部下を率いて、敵基地への夜襲を決行するが…。シリーズ第7巻。
ロシア革命後の国内戦で白軍の最高統治者だったコルチャーク。彼が敗走中シベリア山中に隠したという500トンものツァーリの金塊は今どこに…。アメリカの高名な歴史研究家ハリス・ブリストウは、ある日パーティで一人の女性に出会い、恋に陥ちた。やがて彼は、次の著書に貴重な情報を与えてくれる彼女の伯父代理に会いにイスラエルへ赴く。だが、その老人から聞かされたのは、コルチャークの金塊の意外な運命だったのだ。
第二次大戦中、コルチャークの金塊の存在を知ったナチは、それを奪い取ったという。そして、その金塊は…。老人の話に興味を持ったブリストウは、金塊の行方を追うためソビエトへ飛ぶ。やがて彼は、セヴァストポリの公文書館で、ある重大な事実を発見する。だがその時、彼の周囲には米ソの諜報機関の手が伸び始めていた…。雄大な時の流れを背景に、息詰まる筆致で描く大いなる歴史の謎。名手が贈るサスペンス巨篇。
気まぐれで、裏表がある。愚かしく、論理的思考が苦手で、肉体を武器に男を誘惑し破滅させるー。こうした女のイメージははるかな昔から存在し、お伽話や叙事詩や歴史に深く浸透している。そんなイメージに逆らい新しい女たちの物語を作ることは、とてつもない重労働である。しかしいまや、現実の社会ばかりでなく、ミステリの分野でも女性の進出が一大奔流となりつつあるのだ。女が描く女のミステリを書き下ろしで集成。
かつては「女には向かない職業」であった女探偵の細い流れは、いまでは女たちの物語という大きな奔流にまで成長した。本書には、そのブームの原動力となった女探偵V・I・ウォーショースキーやキンジー・ミルホーンを始め、素人探偵、母親、祖母、夫の暴力に苦しむ妻、ソーシャルワーカーなど、さまざまな問題に苦しみ格闘する女性たちが登場する。人気作家パレツキーが編纂した「女にふさわしい」アンソロジーの決定版。
結婚を二週間後に控えたわたしにとって、その事件は他人事とは思えなかった。夫の暴力に耐えかねた女性が、思い余って夫を殺してしまったのだ。幸せな結婚生活の行き着く先がこんな悲劇だとは。捜査を担当する婚約者のジェフと一緒にわたしは真相を追うが、やがて次なる事件が…。現代的テーマである家庭内暴力と結婚を前に揺れ動く女心を描く、好評ジェニー・ケイン・シリーズ第3弾。マカヴィティ賞最優秀長篇賞受賞作。
標的はマフィアのボスの金庫ー。癌で死を宣言された老金庫破りのボロは、若き相棒のヴィンセントに最後の教えを授けるべく、危険な仕事を請け負った。目的の金庫には、マフィア壊滅の鍵となる証拠テープが隠されている。が、侵入経路はただひとつ、地上90階のビルの壁面だけしかない。厳寒のシカゴを舞台に、男たちの熱い友情を謳い上げる感動の物語。
大財閥の依頼を受けて、南太平洋に浮かぶ人工島“ハービーアイランド”にやってきたSUPER NOVAの面々。1500年のあいだライバル関係にある2大財閥が威信をかけて行なう伝統の儀式を記録するのが今回の仕事。ところが儀式の当事者である財閥当主の1人というのが、昔から演出家のミオに首ったけのクロードだったことから…。南の楽園島を舞台に弱小映像制作会社SUPER-NOVAの活躍をえがくシリーズ最新作。
2038年。地球の環境破壊は急速に進んでいた。温室効果によって海面が上昇し、オゾン層の破壊で直射日光を浴びるのは危険な行為となった。人口爆発、緑地の砂漠化、深刻な環境汚染などの問題が山積し、この惑星は一刻の猶予も許さない危機的状況に直面していた。若き天才物理学者アレックス・ラスティグ。彼はマイクロ・ブラックホール生成に取り組んでいた。これが完成すれば、画期的なエネルギー源と 。だが、思わぬ事故が発生。その結果ブラックホールは磁場ケージを離れ、地球の中心にむけて落下してしまった。このままでは、ブラックホールは地球内部の物質を食いつくしてしまう。その結果は、地球の潰滅だ。破局へのプレリュードが響きわたるなかで、アレックスたち科学者チームは母なる地球〈ガイア〉を救うべく、絶望的な戦いに挑んだが…。人気絶頂のデイヴィッド。ブリンが、最新の科学情報とエコロジー的視点を軸にすえ、かつてない壮大なスケールと迫真の筆致で描きあげた近未来スペクタクル巨篇。