1992年9月発売
男が目覚めたとき、かたわらには女の惨殺死体がころがっていた。いったいおれは…、おれは誰なんだ。ここで何をしているんだ。しかも男は記憶喪失に陥っていた。殺人容疑で警察に連行される男。やがて彼の前に妻と名乗る女性が現われた。わたしはクィン、あなたは夫のマクレアリなのよ。過去は失われ、いままた夫婦の絆も断ち切られようとしていた。傑作シリーズ第四弾。
出会いは7月最後の朝。麻薬がらみの罪状が示すとおり、彼はどこか憔悴感を漂わせていた。だが、瞳に宿る真摯な光がわたしを捉えた。わたしたちは運命のようにささやかな交情を持ったが、季節が秋にうつる頃、ひとつの別れがわたしを待っていた。己れの愛と矜持を賭けて闘うゲイでヒスパニックの弁護士リオス。ゲイ・ミステリ版『長いお別れ』と評される現代ハードボイルドの傑作。
リゲル系第四惑星に空間渦動を使った刺客が侵入、第二段階レンズマンのトレゴンシーを暗殺しようとした。またボスコーンが暗躍しているのか?幸いその試みは失敗に終わったが、事態を重くみた銀河パトロール隊は、トレゴンシーみずからをリーダーとして、ただちに調査を開始した。E・E・ドク・スミスの衣鉢を継ぎ、レンズマン世界を現代によみがえらせたカイルの長編第二作。
1946年、異星人がもたらしたウイルス爆弾がマンハッタン上空で炸裂。この日、世界の歴史は変わった。これに感染した人間は90%が絶命し、生き延びた者たちは特異なミューテーションを遂げたのだ。肉体的変容を遂げた者はジョーカーと、そして特殊な超能力を発現させた一握りの者はエースと呼ばれ、ここに史上かつてない闘いの物語が始まる。SFならではのアダルト・アクション。
ワイルド・カード・ウイルスがすべてを変えてしまった欲望と混沌の街ニューヨーク。ここでは日夜、ありとあらゆる事件が起こっては忘れられてゆく。人々の希望は一握りのヒーローたち、そして街に満ち溢れるのは、闘争とロック・ミュージック、黒魔術とモンスター。実在の出来事と人物を散りばめて、知られざるもうひとつの合衆国の歴史を語り継ぐ、驚異のモザイク・ノベル。
かつてベトナム戦で腕利きの暗殺者だったリック。その彼もいまは医師として、一人娘のメイとアラスカで静かに暮らしている。だがある日、メイがベトナムの工作員に誘拐されてしまった。なんのために?裏ではソ連が糸を引いているらしい。許せん、奴らを八つ裂にきしてやる。闘いに目覚めた父親は、娘を追って吹雪のアラスカ大雪原へ。そして極寒の地の果てでは、ソ連軍スペツナズ部隊が彼を待ち受けていた…。迫真の冒険小説。
〈ポスト・パンク〉ティーンズ小説の誕生。詩・日記・童話・戯曲などのスタイルを取り、ポルノグラフィックな言説やイラスト、大胆なカットアップや引用を駆使し、「女性版バロウズ」キャシー・アッカーが、少女ジェニーの性と暴力の彷徨を描く。注目のカルト・クラシック、日本に挑発デビュー。
『女流民俗学研究者の集い』の招待状をもらって京都嵯峨野の奥に位置する水尾に三人の女性が出席したが、会は中止になっていた。さらに驚いたことは、招待状の発送人がその地で殺されていた。三人の女性はお互い一面識もなく、話し合ってみると過去に警察庁遊撃隊の宮之原警部と接触があったことが共通点であった。そして三人とも好意を胸に秘めていることが感じとれた。早速、宮之原警部登場となったが、第二、第三の殺人事件がその周辺で起きた。
辛く貧しかった境遇をバネに一躍スターの座に昇りつめ、さらに大財閥の御曹司に見初められ…。幸福の絶頂にある若きヒロインを脅かす過去からの声-「俺はおまえの秘密を知っている」…。長編サスペンス・ロマン。
1988年5月、アメリカの海洋調査船は地中海のクレタ島沖で、20年前に行方を絶ったイスラエルの潜水艦を発見する。3,700メートルの海底に横たわる潜水艦には、どんな秘密が隠されているのか?アメリカは最新鋭の深海探査艇を使って謎を解きあかそうとするが、イスラエルはそれを阻止すべく、艦隊を現場へ派遣する。潜水艦の破損した穴から内部にもぐり込んだ深海探査艇が目撃したものは?
大伴糠手率いる大和朝廷軍の侵攻により、須羽の地を追われた出雲神族の血を引く少女・クマリは、国津神・ミシャグジのお告げを頼りに、須羽の神宮の息子アタテヒコ、土グモの夏羽たちと共に筑紫へと旅立った。翌年の春、吉備に辿り着いたクマリたちは、そこで大王の直轄領である屯倉を襲う温羅という不思議な男と出会うのだった。朝廷に屈したはずのこの地で吉備の王になるとうそぶく温羅の真意は何か?一方夏羽は、出雲の神宝を継ぐクマリの最終目的地である吉備の隣国、出雲の情勢を探るため、一人国境を越えるのだが-。圧倒的な大和朝廷の勢力の前に滅びゆく国津神。はたした出雲にクマリの安住の地はあるのか?新鋭が書き下ろす大型歴史ファンタジーロマン第二弾。
貞淑な人妻だったはずなのに…。奈津子はいつからこんな淫乱なおんなになったのかしら。わたしのあそこが男が欲しいと疼いている。死ぬまでかき回してと叫んでいる。灼熱の塊に貫かれ、熱い樹液を子宮の奥深く浴びたなら、どこまでも墜ちてもかまわないー。
旅の男との欲望の狂乱に身をまかせたアンジェール。灼熱の抱擁のなかで、過去の異常な性の体験を明かすうちに、彼女と男は、いつしか快楽と幻想の不思議な世界へと入り込んでいく。官能の嵐のなかで、常識人の心を痛撃し、欲望の源へとさかのぼる衝撃の物語。