1992年9月発売
亡霊となった男は愛する人を守るために自分を殺した男の身体を借りて甦る。恋がたて糸なら憎しみがよこ糸。2本の糸が織りなすきらめくロマンティック・ファンタジー。
あんたら、何もわかっちゃいない。愛のムチなんて、大人の無知。少年院入り一歩手前の悪ガキどもと軽〜い新米教師が、暴力と鉄格子のスパルタ学園を舞台に繰り広げるバトルロイヤル。
栗栖実那月はスポーツ万能の17歳。生来の気性の激しさからか、常にトラブルの絶えない彼女の前に現れたのは謎の転校生。その時、隠されていた過去の因縁が再び甦った。いま、秘密が眠るリングへ“嵐を呼ぶ女”那月が戦いを挑む。
父親の転勤で小さな砂丘がある町に越してきた主人公・沢村理賀。いつもは自分の前を通り過ぎて行くだけの友人たち。だが、そんなリカの視界に飛び込んできた3人の人間に出会った時…。砂丘石英の丘で繰り広げられる恋物語。波の音、石英の歌、風の旋律。行きて歌え、声高くして。
本書はホラー、ミステリー、SFなどの分野で活躍中のベテラン作家が吸血鬼ドラキュラをテーマに競作し、監修の菊地秀行による書き下ろしエッセイも加えた、ホラー・アンソロジーの決定版である。
孔明のライバル、呉の美形軍師、周瑜公瑾が中国の統一をめざす。君主孫策との義、妻小喬との愛が、運命にもてあそばれた男の数奇な一生をいろどる。誰も語らなかった、真の周瑜像を描ききる感動巨編。『超・三国志』につづく翻訳第2弾。
日残りて昏るるに未だ遠しー。家督をゆずり、離れに起臥する隠居の身となった三屋清左衛門は、日録を記すことを自らに課した。世間から隔てられた寂寥感、老いた身を襲う悔恨。しかし、藩の執政府は紛糾の渦中にあったのである。老いゆく日々の命のかがやきを、いぶし銀にも似た見事な筆で描く傑作長篇小説。
明治初年、京の茶道宗家・後之伴家は衰退し、その日の食事代にも事欠くほどの窮乏ぶりであった。家元も出奔してしまい、残された者たちは、まだ幼い家元を立て、必死の思いで苦難に立ち向かう。成長した家元は宗家再興を期して、東京に向かった。千利休を祖とする一族の愛憎の歴史を秀麗な筆致で描く。文芸春秋読者賞受賞。