1993年5月20日発売
新任看護婦・規子が小耳に挾んだ「無脳症児」のひと言がきっかけだった。この病院で何か途方もないことが進行している-。周囲で頻々と起る奇妙な出来事、そして親しい者たちの死。涙の渇くひまもなく襲ってくる「臓器農場」からの魔の手。マッドサイエンスを食い止める者はいないのか…。本邦医学サスペンス史上随一の熱血小説。
ジェイスンとジェシカの探偵コンビは、ヴィデオ・テープを見て、わが目を疑った。ふだんはおかたい女性議員がすっ裸になり、ロバとウサギのお面をつけた裸の男女と絡みあっているのである。だが、女性議員には、そんな淫らな行為をした記憶がまったくなかった。薬を盛られて意識朦朧としているあいだに撮られたのか?だとしたら、誰が、いったい何の目的で?コンピューターはおまかせのジェイスンと格闘技の達人ジェシカが、丁々発止と軽口を叩きながらニューヨークの悪党ども相手に奪闘する、お酒落で過激なミステリ。
悪夢の鍵を握る土方歳三に会うため二百年の時空を超える霊花…。維新の嵐吹き荒れる明治元年の箱館・五稜郭へ。そこで彼女が見たのは、巨大コンピューター“ガイア”の思惑も交錯する混迷を窮めた箱館戦争だった。歴史を造るのは人間か機械か。人類の生命力を見せつけるがごとく、一代の戦鬼・土方歳三は激動の時代を駆け抜けてゆく。待望の書下ろし歴史SF。
曲垣賞に沸く秋の競馬場で、一人の男が刺し殺された。たまたま居合わせた警視庁特犯課の新米刑事・小湊進介は、先輩刑事の海方惣稔とともに捜査を開始するが、今度はその犯人が射殺されてしまった。次々と連鎖していく被害者と殺人犯の奇怪な輪。そんなことがあり得るのだろうか?常軌を逸した連続殺人事件は、二転、三転、四転、五転…。読者をだますことに全精力を傾注する著者が、その面目を遺憾なく発揮した、本格推理の最高傑作。