1994年1月発売
円卓の騎士たちの至高の冒険と幻夢の数々。全編にみなぎる血とエロスと聖性のドラマ ≪聖杯≫とは、イエス・キリストが最後の晩餐に用いた食器で、それがさらに磔刑のキリストのしたたる血を受けた容器に結びついて象徴化されたものである。この神聖侵すべからざる聖杯の探求を主題とする物語は、ケルト伝説に源をもつアーサー王物語群の一つとして12世紀のフランスで生み出され、十字軍の影響の下、全ヨーロッパに広がった。本書は、詩人でありフランス中世文学の研究者としても知られる天沢退二郎による中世仏語原典からの本邦初訳。 (本書は1994年に人文書院より刊行した) ○目次 第1章 聖霊降臨節 第2章 さまざまの冒険 第3章 ソロモンの舟 第4章 生命の樹 第5章 三人の騎士とペスヴァルの妹 第6章 コルブニック城のランス路 第7章 コルブニックからサラスへ 第1章 聖霊降臨節 第2章 さまざまの冒険 第3章 ソロモンの舟 第4章 生命の樹 第5章 三人の騎士とペスヴァルの妹 第6章 コルブニック城のランス路 第7章 コルブニックからサラスへ 訳注 解説 ビブリオグラフィー 図版一覧
入れ代わる事もなく邪魔の入る事もなく、やっとふたりきりの甘い青春を楽しむ歩と龍彦。だから思い出すあの時、あの事。告白、ファーストキス、ファーストエッチ。同性だっていいじゃないか。いつまでもどこまでも一緒にいられたらいい。一緒にいられるだけでいい。ふたりの恋愛の行方はどうなるか。冬城蒼生が貴方に贈る、なんか変わったラヴストーリィ。ドッキリのアダルトバージョン。
居抜きで借りたマンションは、元デートクラブの事務所だった。その種の電話がかかってくるからだ。奈美はいたずら気分と男欲しさで、デート嬢を装い、森本と名乗る男とホテルへ。彼女はベッド上手な森本に溺れていく。そんな折、別れた男から「森本は悪質な証券マンだ」という忠告をうける。財産のない奈美になぜ森本は近づいたのか。愛欲の中で仕掛けた女の賭け。
遺伝子操作によって超人パワーを身につけ誕生した男・柔銃太郎。その力は彼がセックスの充実感を味わった後に、異常現象とともにさらに威力がハイアップされた。だが、彼の出生の秘密を握りその驚くべき超人力を怖れた悪の支配者は、銃太郎を抹殺すべく魔道士を送り込んだ。魔道士軍団と超人戦士の壮絶な対決。そして銃太郎の前に現れた不思議な美少女は。
ヘミングウェイ、テネシー・ウィリアムズからレイモンド・カーヴァーまで、選りすぐりのアメリカン・ショート・ストーリーが七十篇。短編小説の醍醐味が詰まった貴重な一冊です。
陸一心の本名は松本勝男。日本人戦争孤児である。日本人ゆえの苦難の日々を経て、彼はようやく日中共同の大プロジェクト「宝華製鉄」建設チームに加えられた。一方、中国に協力を要請された日本の東洋製鉄では、松本耕次を上海事務所長に派遣する。松本はかつて開拓団の一員として満洲に渡り、妻子と生き別れになっていた…。
「タリー、あなたとはもう結婚したくないのよ」-。婚約者メリアの突然の心変わりに、ブローラ卿は愕然とした。彼女は、次期首相候補と目される若き政治家アーネスト・ダンクスが現れたことで、かれとブローラ卿とを天秤にかけたのだ。耐えがたい屈辱を感じながら、ドーヴァー街にある自分の事務所に立ち寄ったブローラ卿は、そこに泣き暮れる新米タイピイト、ジーンの姿を目にした。彼女もまた、故郷の婚約者に裏切られたのだという。先の大戦を特別奇襲隊の隊長として戦い抜いたブローラ卿の胸に、そのとき、ある作戦が炎となって燃え上がった。
婚約者に裏切られたものどうしが手を組んだ、大胆な奇襲作戦が開始された。ブローラ卿はジーンと出会った翌日に、二人の婚約を発表したのだ。それが恋人の心を取り戻したい一心のブローラ卿の策略なのだということを知りながら、ジーンもまた自分の人生の大きな変化に戸惑いと興奮をおぼえていた。しかし、いつしかジーンの心の中では何かが変わりはじめていたのだ…。舞台をスイス、サンモリッツに移して、さらに複雑に絡み合う数奇な愛の運命。