1994年4月発売
ディレクター、俳優、脚本家など、テレビの魔力にとりつかれ、がむしゃらに走ってきた男たち。人生半ばにさしかかったとき、彼らがのぞんだものは…。テレビ業界に渦巻く人間群像を描いた人気脚本家初の小説集。
空母インデペンデンスを撃沈させられたアメリカは、日本に対する報復攻撃を開始した。ステルス爆撃機によるピンポイント攻撃は、日本の入間基地に向けられた。航空自衛軍の最新鋭戦闘機「ラン」のパイロット藤原は、間一髪で入間基地を飛び立ち、巡航ミサイルで滑走路を攻撃したステルス爆撃機を追う。ランのアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダーは、一度に複数の目標に攻撃を仕掛ける事ができる。「さぁ、入間の滑走路を潰したツケを払ってもらうぞ」操縦桿の上端にある発射ボタンに、親指を伸ばして載せた-。
十年前に当主が失踪したストリーチ邸で正体不明の惨死体が発見される。はたして彼は誰なのか?そして、村人から“三人の魔女”と呼ばれる現在の当主たち…。設定は読者を欺くほど伝統的だが、展開する物語の行方は誰にも予測がつかないミステリの新女王、衝撃のデビュー作。CWA最優秀新人賞受賞作。
定年退職した元刑事の武井京人は、別にペンネームを持つほどその地方では知られたコラムニストであることから、刑務所内の文芸誌の選者をしている。彼が入選を決めた読書感想文の主の希望で会ってみると、数年前に他県から逃げこみ、逮捕し護送役も務めた殺人犯・安永哲夫であった。奇遇に驚く武井に、懲役15年の長期囚の安永は、妹朝子の消息を調べてほしいという。やっと探しあてた武井が朝子の住まいを訪ねると…。
墜落していく戦闘機から外に放り出された瞬間、クレイ・マクリーンは不思議な声を聞いた気がした。「もうしばらく生きるがよい」奇跡的に助かったその運命的な日から、彼の人生とツキは一変する。しかし同時に、その彼に拘わる者が、次々と奇妙な事故に巻き込まれ、死に始めた。それも皆、彼のほんの1メートル先で…。これは単なる偶然なのか…次第に恐怖に陥るクレイ。彼を待ち受ける、恐るべき運命とは…。一度読み始めたら、一気に引き込まれ、意外な結末まで目が難せない。短篇ミステリー『幻の四十八時間』を収録。
ニューヨークのマンハッタンにとつぜん黒い謎の飛行物体が何機も現われ、高出力のレーザーを発射しはじめた。都市全体を土地や建物ごと陸地から切りはなそうとしているのだ。つづいてマンハッタン全体をシャボン玉のような膜でおおった。さらには、直径百キロメートル以上もある巨大な黒い宇宙船が出現し、マンハッタンをまるごと吊りあげて地球外へと運びだしてしまった。異星人の宇宙船に誘拐された人々の運命は…。
巨大宇宙船の内部に都市ごと収容されたマンハッタンは、透明なドームで密閉されていた。宇宙船内に広がる灰色の大平原には、同じように他星系から誘拐されたドーム都市がいくつもあった。この宇宙船は知的生命体の都市を集めているのだ。ここは、巨大な動物園なのか、それそも実験室?ほかのドームの異星人とコンタクトし真相を探るべく遠征隊がドーム外へ抜けだすが…破天荒な設定と壮大なスケールで描く冒険SF。
不仲だった息子を殺され、父親として何もしてやれなかったことを悔む弁護士ライアンに意外な依頼が舞い込んだ。殺害容疑者である息子の妻ジェニファから弁護してくれと頼まれたのだ。彼女は無実を主張していたが、事件の直前に息子と口論しており、有罪であることはまず問違いない。だが、ジェニファが息子の赤ん坊を宿していることを知ったライアンは、わが子を殺したかもしれない女の弁護を引き受けることを決意する。
ジェニファの有罪を示す証拠が続出し、弁護側の旗色はわるくなる一方だった。そんな折、ライアンとジェニファは何者かから狙撃される。一命はとりとめたが、彼女は腹部に弾丸を受け、赤ん坊は即死。ライアンは彼女を弁護する理由を失ってしまった。だが彼は無実を叫び続ける彼女に心を動かされ、弁護し続ける。果たして彼女は無実なのか。ライアンは無罪を勝ち取れるのだろうか。全米ベストセラーの法廷サスペンス。
中立国スペインのカディス港に停泊するドイツ商船カイザーホフ。その正体は、50隻の小型潜水艇を収容する潜水母艦だった。もしこれが出撃すれば連合軍にとって大きな脅威。キャメロン少佐は海軍情報部より同船奪取の命を受けてスペインに潜入する。だがそこで待ち受けているのは、敵味方さえ定かならぬ諜報戦。しかも折悪しくカディス沖には米海軍機動部隊が接近中だった。はたしてキャメロンの奪取作戦は間に合うか?
第二次大戦中にゲーリングが集めた高価な絵画。その一部を買った人物のリストを、国際テロリスト、ユルゲン・シュトラッサーが手に入れた。シュトラッサーは、東ドイツの情報機関シュタージでテロリストの訓練教官だったが、東西ドイツが統合されシュタージが消滅すると、独自に活動を始め、西ドイツ赤軍派の再建に取りかかっていた。シュトラッサーは、リストをもとに新たな活動資金を得る計画を立てた。リストに載った人物を襲つて絵画を奪い、闇のマーケットに流そうというのだ。が、CIAとモサドの共同作戦により、二人の情報部員が彼の後を追い始めた。一人は、CIA対テロリスト課の精鋭マイク・セムコ。元デルタ・フォース隊員でシュトラッサーに殺された同僚の仇を討とうと心に誓っていた。もう一人は、モサドの女性部員レイチェル。彼女もまた、この作戦に特別な感情を抱いていた。だが、共同で追跡を始めた彼らのほかに、ロシアの対外情報部SVRもシュトラッサーを追っていた。壮絶な追跡の末に、やがて明かされる衝撃の事実とは?熾烈な情報戦の中で、プロフェッショナルたちが繰りひろげる果てしなき死闘。ひねりの効いたプロットで描く白熱の冒険アクション。