小説むすび | 1994年5月発売

1994年5月発売

凶手凶手

彼の名はジョン、あるいはゴーストとも呼ばれている。一切の武器を持たないハートレスな殺し屋だ。精妙な感覚と異様な剛力を秘めた自分の両手が唯一の凶器。そのまがまがしい手で、請け負った仕事を確実にこなしていく。しかし、仕事以外のことには関心も知識もなく、しかもひどく無口なので、他人からは頭が弱いと思われている。そんな彼が初めてシェラと会ったのはシアトルのストリップ・バーだった。彼女は店の踊り子で、ふたりは互いに相手が同種の人間であることを嗅ぎ取り、美人局のコンビを組んで、デンヴァー、ヒューストン、ニューオリンズと放浪の旅をつづけた。ところが、タンパという町でふたりは殺人事件に巻き込まれ、シェラは失踪、ジョンは殺人犯として刑務所で三年間すごした。出所後ジョンは、姿を消したシェラを捜し出すことしか頭になかった。しかし、手がかりは全くない。何としてもシェラと会い、逃げた理由を直接聞き出したい彼は、どんな危険な仕事も引き受けながら、シェラ捜しの旅をつづけた…。

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