1994年8月発売
昭和五十年暮、帝国海軍きっての知性といわれた最後の海軍大将井上成美が逝った。彼は終始無謀な対米戦回避を主張、兵学校長時代には英語教育廃止論をしりぞけた。敗戦前夜は一億玉砕を避けるべく終戦工作に身命を賭し、戦後は近所の子供たちに英語を教えながら清貧の生活を貫いた。狂熱の時代に、合理性を保ち続けた〈意志〉の人生の生涯。
戦争に反対しながらも、自ら対米戦争の口火を切り、世界を震撼させた連合鑑隊司令長官山本五十六。今日なお人々の胸中に鮮烈な印象をとどめる天才提督の赤裸々な人間像、その栄光と悲劇を、膨大な資料と存命者の口述をもとに余すところなく描き、激動の昭和史を浮彫りにした、必読の記録文学。
白人農園主と黒人奴隷が愛しあって生れた「白い黒人」、美しいクイーン。奴隷の身から自由になった時、流転の運命が彼女を待ち構えていた…。ヘイリーが、愛情を込めて描く実の祖母の人生と、奴隷たちの“その後”。
クリスマス・タイム。わたしはある高級レストランのオーナーから店の警備状況を調べるよう依頼を受けた。零下15度のなか敢行した調査がもたらしたものは、凍えそうな子猫と、ゴミ缶を漁る牧師との出会いのみ。あっさり首を切られたわたしだったが、数日後依頼人射殺の報が届けられた…。事件の裏に見え隠れするホームレスの影。モノクロームの街に探偵が見た、衝撃の真実とは。
人間が子を生み継ぐ、この自然の営為によって生まれさせられた雲見翼は、祖父から父へ、そして自分へと流れる、この血の鎖を愛しまた憎んだ。彼は人間が造り出した悪魔「Pluto」を武器に、自らの血の源流を破壊しつくそうとする。一方、彼をめぐる女性たちは、子を生み継ぐ人間の力を讃歌してやまない。翼はどこへ歩き出すのか。
好漢青江又八郎も今は四十代半ば、若かりし用心棒稼業の日々は遠い…。国元での平穏な日常を破ったのは、藩の陰の組織「嗅足組」解散を伝える密明を帯びての江戸出府だった。なつかしい女嗅足・佐知との十六年ぶりの再会も束の間、藩の秘密をめぐる暗闘に巻きこまれる。幕府隠密、藩内の黒幕、嗅足組ー三つ巴の死闘の背後にある、藩存亡にかかわる秘密とは?シリーズ第四作。
「この男を今、私のものにしたい」何もかもどうしようもない、という磨理枝と、何もかもどうでもいい、という夕凪。クラスメイトのなかで、どこか違っている二人。子供であることを嫌悪し、大人であることを武器にする少女たちの季節…。誇りたかく多感な彼女たちの傷つきやすい恋愛を、瑞々しいタッチで描く、青春の物語。
十分ほどもフェラチオを楽しんでから、一郎は菜穂子をベッドに上がらせ、パンストの紐をほどいた。仰向けにさせて両足を垂直に天へ持ち上げさせ、それから左右に拡げさせる。自分の手で膝を押えさせる。ぱっくりと割れた秘裂の奥、蜜を溢れさせた泉口が完全に露呈される。クラクラするような魅惑的な眺めに、一郎の欲情は沸騰した。「あう…」血管を脈打たせてギンギンに勃起している器官に貫かれた女体が反り返った。
「お尻の穴に、入れるぞ、陽子ちゃん」陽子が、観念したように、まるまるした白磁のようなヒップを掲げたまま、その動きを止めた。自分の分身に、たっぷり唾を塗りたくり、河野は陽子の排泄器官のくちばしに熱く屹立するものを押しつける。陽子のヒップを両手で固定し、ぐいと、分身を突く。河野は、そのまま、ミリミリと音がたつほどに、じわじわと灼熱の肉棒を陽子の裏門に埋め込んでいく。十分に揉まれていたせいか、陽子のアヌスは柔軟であり、かつ、きゅっと河野の男を締めつけてくる。