1995年10月発売
切断した男女の死体が合成され両性具有者となって蘇る。窓の外には荒涼たる世界の終焉の光景が広がっているばかりだ。「占星術殺人事件」を愛読する青年が書きのこした戦慄の日記がさし示すものは何か。醜悪な現実世界に奇想の作者が驚天動地のトリックの矢を放つ。ミステリの新たな飛翔を決定づけた傑作。
朝廷に背き、蝦夷(えみし)の側に身を投じて戦った父藤原経清、叔父平永衡の名を継いだ清衡は源義家の力を借りて乱を治め、藤原に姓を改めて平泉に黄金の都を築いた。堂塔を建て勅使を迎えて栄華を誇る孫の秀衡の許に源氏との宿縁が3たび影を落とす。壮大なスケールで描く、傑作歴史小説ついに完結! (講談社文庫) 朝廷に背き、蝦夷(えみし)の側に身を投じて戦った父藤原経清、叔父平永衡の名を継いだ清衡は源義家の力を借りて乱を治め、藤原に姓を改めて平泉に黄金の都を築いた。堂塔を建て勅使を迎えて栄華を誇る孫の秀衡の許に源氏との宿縁が3たび影を落とす。壮大なスケールで描く、傑作歴史小説ついに完結!
5万5千年前の地球で、レムール人の都市オレガリスの危機を救ったローダン一行は、謎の飛行物体ー黄金の紡錘の情報を得た。レムール人によれば、はるか東方、人跡未踏のトロニス地方に、黄金の紡錘が飛び立つ聖なる島があるという。黒き湖に守られたその島こそ、ゼロ時間デフォルメーターの時間旅行を妨害する敵基地にちがいない。ローダンは謎の島をめざし、プレビオたちの襲撃をしりぞけながら東へと向かったが…。
2139年「脳髄共和国」は、人類が全ての武力を破棄しなければ地球を破壊すると宣言したー22世紀の科学者たちが真の平和を求めて設立した脳髄共和国は20年の歳月ののち巨大な力をもった超国家となって月面に甦った。脅迫を肯んじない地球政府は必死の探索を続けたが、期限まで半年となった今も、その本部を特定できない。ついに国際刑事・中山弓ノ助が、共和国の計画を阻止すべく月に飛んだ。空前絶後の月世界冒険活劇。
地球を脅かす「脳髄共和国」の活動阻止の任を受け、単身月へ赴いた国際刑事の中山弓ノ助は、月面に残された手がかりを探るうちに、さまざまな味方を得る。月背面の探索に向かう彼らに同行した中山は、共和国の妨害をはねのけ、苦難の末、敵本拠地に潜入することに成功したのだが、そこで彼らが見た共和国の正体は驚くべきものだった。-月世界に繰り広げられる胸躍る冒険を、著者ならではの絶妙な語り口でえがくSF巨篇。
愛するベルの死の衝撃から立ち直れないアウトロー探偵バークの許へ、幼なじみのキャンディから突然連絡が入った。怪しげな秘密教団に囚われた彼女の娘を助け出してくれという。超一流の売春婦になったキャンディの変貌ぶりに驚きつつも、バークは教団に赴き、娘の救出は成功したかに思えた。が、彼の前に恐怖の殺し屋ウェズリイが立ちはだかった。ニューヨークの暗黒街で非情な獣たちが闘いの血を流す、シリーズ第四作。
第一銀河帝国の崩壊を予見した科学者セルダンは、自ら発展させた心理歴史学を実用的な学問として完成させるために、帝国の首都惑星トランターに留まる決意をした。だが、その行く手には数々の難問が待ち受けていた。セルダンの友人で、心理歴史学研究を蔭ながら保護する首相エトー・デマーゼルを失脚させようとする企み…凡庸だが平和主義者で、セルダンに好意的な皇帝クレオン一世の暗殺計画…いずれも、ひとつ間違えば帝国衰亡の速度を大幅に加速する事態になりかねず、セルダンは全力で問題に対処してゆく。だが皮肉にも、人民にとって不吉な予言を伝達するセルダン自身がトランター住民の怒りを買い、執拗な攻撃を受けることになってしまった。
昭和19年6月20日正午、日本帝国は遂に連合国に対し無条件降伏する。2年7カ月に及ぶ太平洋での激闘に終止符が打たれた。しかしこの瞬間、終わらぬ戦いに身を投じた男達がいた。旧日本海軍軍令部直属の第三四三潜水隊を率いた源田実以下約3000の隊員達である。この男達のヤバ島潜水艦隊は、ボルネオの北方の秘密基地に、水中高速潜水艦伊号900型を温存し、新たな戦いに鋭気を養っていた。源田は、終戦の前日に、一早く海軍内部のヤバ島関係資料を焼却し、完全な秘密を保った。そして、源田以下3000名の男達は、日本国より独立を宣言し、今後、第二日本帝国を名乗ることにした。源田を中心にこの男達が計画しているのは、秘密基地と伊900型潜を使い、日本の敗戦とともに始まったアジア各国の独立運動の支援だった。
日本連邦連合艦隊は南洋に展開する枢軸国艦隊を叩くべく特別編制を組み、サイゴンへと移動を開始した。その総数は戦艦8、空母6、重巡9、軽巡15、駆逐艦56。史上最大最強の単一作戦用艦隊であった。その頃、満州では龍/虎部隊がソ連/モンゴル機械化騎兵軍相手にゲリラ戦を繰り広げていた。一方、ロンメルはある男から夢の啓示再現フィルムを見せられ、世界の歴史は思わぬ方向に進むことになる…。そしていよいよ、南シナ海を舞台に昭和大戦の雌雄を決する“天一号作戦”が開始された。
筋金入りのレースマニアの西岡勝彦の許に、先輩の鎌塚俊一から突然の依頼が飛び込んできた。それは、「軽四輪耐久フェスティバル」にドライバーとして出場することであった。レースの知識を持ちながらも、ドライバーとしては素人同然の西岡は、期待と不安に戸惑いながら、鎌塚とともに会場である仙台ハイランドへ向かう。練習走行、予選-サーキットを走るにつれ、自分の走りを掴みかける西岡。そしてついに、四時間耐久決勝の瞬間が来た。書下ろし長篇カーレース・ロマン。
上条悦子はテレビ大東京の花のニュース・キャスターを夢見るハリキリ・レディ。今回の仕事は、秋たけなわの紅葉を染まった京都の旅情をビデオ撮影する、はずだった。ところが、永観堂を取材中、紅葉狩りの宴席で踊っていた舞妓が簪を突き刺されて殺される場面に遭遇し…。憎たらしいけど頼もしいフリーライター北見吾郎との二人三脚で、憧れのトップ・キャスター川名玲子に追いつき追い越せる日は来るのか。
「なんとしても、わがあるじに天下をとらせてやりたい。そのためには、あの秀吉に負けない権謀術数を磨かなければ」-正信は最近、ようやくこのことの面白味がわかりかけてきていた。一度は家康に弓を引きながら、許しを得て、ついには家康最大の腹心となった本多正信。類い稀な着想と企画力を武器に、徳川政権の地位を不動のものとした名参謀、その独創的生き方とは。
春も浅い「ミ=カレーム」の祭りの季節。北仏アズブルックに、かつての恋人の消息を尋ねて一人の男がやって来る。だが、二人の再会の場は痛ましい殺人現場と化した。放心し、恋人の死体に見入る男。かたわらには、カーニバルの巨人人形が撃ち抜かれた眼窩をさらして横たわっていた。男はカダン刑事に逮捕され、「精神錯乱」と診断を下される。1年後、男はジョン・レノンの『イマジン』のテープに吹き込んだ告白をカダン宛てに残して、精神病院で自殺した。はたしてその告白は、真実なのか妄想なのか。単身、再捜査に乗り出したカダン刑事の前に、やがて複雑にからまった事件の全貌が浮かぶ上がってくる。社会から転落し、犯罪に巻き込まれてゆく若者たちの姿を描き出した、哀感漂う作品。
父親の死をきっかけに、絵里は老舗の呉服店を畳み、軽井沢でペンションを始めた。幼い頃からの夢を散りばめた、「アリスの館」の経営は、画家である夫の力を借りなくても順風満帆だった。二年目の春。絵里は頼りない夫を後目に、地元の経理士と恋仲になった。ところが、逢瀬を終えた夜、経理士が殺害され、その日を境に気弱な夫の態度が豹変していくー。(アリスの騎士(ナイト))4人の女性が避暑地で体験する危健なロマネスク・ミステリー。
“宗教法人炎矢教団総本部”この教団から娘・葉子を連れ戻してほしいーというのが今回の僕への依頼であった。僕が原宿にあるその教団へ娘を迎えに行くと、彼女は意外にも素直に教団を後にした。教団幹部の“オーラの炎によって彼女の身に恐しい出来事が起こる”という不気味な言葉を背に受けながら。依頼はあっさり解決した。但し、その肉のうちに葉子が喉を裂いて冷たくなっていなければ…。(炎が囁く)街をさまよう様々な人間たち。失踪人調査のプロ・佐久間公が出会う哀しみと歓び。事件を通して人生を綴るシリーズ第二弾。