1995年発売
関東最大の怨霊・平将門を喚び覚まし帝都を破滅させる怖るべき秘術とは!? 帝都壊滅を企む魔人加藤保憲の野望をつぶせるか!! 科学、都市計画、風水まで、あらゆる叡知が結晶した大崩壊小説。
関東最大の怨霊・平将門を喚び覚まし帝都を破滅させる怖るべき秘術とは!? 帝都壊滅を企む魔人加藤保憲の野望をつぶせるか!! 科学、都市計画、風水まで、あらゆる叡知が結晶した大崩壊小説。
1988年大統流選挙。取材旅行をするエリクソンの前に一人の女性が現れる。アメリカの聖人トーマス・ジェファーソンの愛人、サリー。彼女の存在によって現代は歴史の一部になり、アメリカが壮大なスケールで語られる。
日常の平穏な時の流れの中に、ふと、梶井基次郎の痛ましい青春を思い、画家佐伯祐三の自殺にも等しい生きざまをパリ近郊のモランの村まで追い、また俳人山頭火の漂泊の影を旅先きで凝視し、幻の詩人逸見猶吉の閉ざされた生涯に思いをはせつつ、一方では何げない凡庸な空間へ多角的に割り込んでくる、みずからの寒々とした遠景を透視した十四の短篇。
羊飼いに学校はいらない、すべては自然が教えてくれる-太古からの牧畜世界サルデーニャ島。厳格な主人でもある父との葛藤をへて少年は成長をとげる。ある自伝のこころみ。
昭和二十年、八月十五日。南の海で敵を待つ日本軍の潜水艦を、てっきりメスと勘違いしたモテない雄クジラ。しきりにつきまとううちに、アメリカ軍に包囲され、クジラは爆雷の攻撃から“恋人”を守ろうとするが…。表題作ほか二篇、戦争の中で、誰かを愛し、誰かに愛され、死んでいった人と動物たちの絵物語。
人妻やヌードモデルとの逢瀬を重ね、その情事をクールに観察し、小説を書きつづける流行作家・三田村倶治。そんな三田村を溺れさせるほどの人妻・坂崎彩子が突然、殺害された。彩子の死に様は、扇情的で怪異な姿であった。しかも殺害場所は、三田村と彩子の密会場所、面影坂ホテル…。ホテル従業員の証言から警察にマークされた三田村は、自らの疑惑を晴らすべく、事件解明に乗り出す。だが、彩子に潜む戦慄の過去と血脈が、三田村を追いつめる。男と女の狭間に蠢く欲望を大胆に活写。著者会心のロマンミステリー、書下ろしで登場。
美貌のOL純子は21歳のとき、20歳年上の日本画九鬼と出会い、初めて性の歓びを知った。やがて若い純子は九鬼と別れ、家庭をもち共稼ぎ主婦となるが、会社の周囲から信頼され、管理職として活躍する。しかし人生の充実感が感じられず、その不満から途絶えた九鬼との関係が復活する。そして以前にも増して深い性の充足を覚える。だが純子の好色はプロ野球選手、取引先のエリート社員などと交渉を持つが、いずれも満足できず、また九鬼のもとに帰って行く。純子の25年におよぶ半生の性と愛との真実の姿を描く。
夏の暑い日、女子大生の鈴木かおるは、アパートの隣室に無断で入り込んでいた女を殺してしまった。かおるは遺体を処分。完全犯罪を心に誓う。一方、同じく夏の暑い日、サイコ・セラピストの須山久美子は、「わたし、人を殺してしまったんです」という若い女性からの電話を受けた。後日、久美子を指名して、大学生のクライアント、小柳陶子がやって来た。陶子は、「兄を轢き殺した男への殺意が抑えきれない」と言う。久美子のまわりで、暑い夏は次第に複雑な様相を帯びていく。謎めいたクライアント、無言電話、女子大生の自殺、女性のバラバラ死体…。七本の糸が一本に結び合わされるとき、驚愕のドラマが始まる。
日本人が、フィリピン人を主人公にした小説を書いた。舞台はルソン島バタンガス州リパ市郊外の寒村。日本占領下、フィリピン人たちはどんな戦争体験をしたのか。敗戦50周年にして、フィリピン側から日本と日本人を逆照射する文学が成立した。
ある日、父親を亡くし、母親と二人暮らしの少年の家に『新しい家族』がやってきた。「これからは、この人があなたのお父さん。この子があなたの妹よ」母親に言われて、少年は目を疑った。新しい父親の手に引かれているのは、忘れもしない初恋の、あの女の子だった。
裸の背に白い翼を生やしたゾアたちは、時間流の中を自由自在に飛びまわる。その一人ユリズンは、過去に手を加えて自らの理想郷を創りだそうと企て、18世紀の詩人ウイリアム・ブレイクを巻きこんで大規模な歴史改変を開始した。ブレイクの妻ケイトはこの計画を知るや、愛する夫を取り戻すためユリズンに必死の戦いを挑む。かくして壮大な時間戦争の幕が切っておとされた…謎とロマンに満ち溢れた、時間SFの新たな名作。
暴風雨に襲われたカンザス・シティ空港。乗客を乗せた最新鋭のハイテク旅客機が着陸に失敗、離陸を待っていた別の旅客機と衝突した。事故機には極右で知られる議員も乗っており、破壊工作の疑いもある。国家運輸安全委員会の主任調査官ウォーリングフォードは即座に現地に飛び、操縦ミス、天候など各方向から事故の分析を開始。だが原因究明に必要なヴォイス・レコーダーは、いくら探しても残骸から発見できなかった。