1998年4月発売
太平洋戦争末期、南海の孤島アナタハンに取り残された33人。米軍の爆撃が熄んだのちも、大日本帝国の不敗を信じて米軍への投降を拒み続け、七年と十八日間。当初は軍人の指揮のもとに結束していた男たちも、自給自足の生活を強いられ、互いに離反してゆく。そして何よりも、唯一の女性の存在が、32人を根底から揺さぶり始めた。夜もおちおち眠れぬ愛憎の疑心暗鬼。闇の中で誤解と深読みがぶつかり合い、死体がひとつ、またひとつ…。32対1の女の凄絶サバイバル。
杉林で発見された二体の白骨。その片方は行方不明の姉だった。動揺する坂本直里に持ち込まれた、新築マンションでのシックハウス症候群という仕事上のトラブル。その二つを繋ぐ悪意とは?木場と秋田を舞台に、「杉」という木の背後に広がる人間の闇を描く。
守護月天のシャオと慶幸日天のルーアン。この二人に囲まれて暮らす主人公・七梨太助は、ひょんなことから学校の後輩・愛原花織と、デパートでアルバイトをするハメに…。金髪碧眼の美少女をゲストに迎え、太助の回りはさらにパワーアップ!恋のトラブル盛りだくさんのオリジナル小説第2弾。
本書はプラジルの作家、パウロ・コエーリョの処女作である『魔法使いの日記』(原題DiariodeumMago")の日本語訳です。彼の作品は『アルケミスト』『ブリーダ』『ピエドラ川のほとりで私は泣いた』『第五の山』の四冊の創作的作品と、この「星の巡礼』『ヴァルキリーズ』の二作に見られる自伝的要素の強い作品に分かれています。いずれの場合にも、人間のスピリチュアリティ、つまり、霊性の広がりを追求している作品です。物質的な発展の究極まで行きつき、魂の再発見に向かっている今、多くの人々の心を打つのも当然と言えましょう。(訳者あとがきより) 【目次】 プロローグ 第一章 到着 第二章 サン・ジャン・ピェ・ド・ボー *種子の実習 第三章 創造する者、創造されし者 *スピードの実習 第四章 自分に対する愛と寛容 *冷酷さを知る実習 第五章 メッセンジャー *メッセンジャーの儀式 第六章 愛 *直感力を養う(水の実習) 第七章 結婚 第八章 法悦 *青い天空の実習 第九章 死 *生きたまま葬られる実習 第十章 祈り 第十一章 征服 *RAMの呼吸法 第十二章 狂気 *影の実習 第十三章 命令と服従 *音を聞く実習 第十四章 トラディションの儀式 *ダンスの実習 第十五章 エル・セブレロ エピローグ:サンチャゴ・デ・コンボステーラ
名前も素性もわからぬ2人の女性とバーで意気投合したリンズィは、“トリプル交換殺人”計画に参加することを約束させられてしまった。酒に酔い理性を半分なくしていた彼女は、上司のウエイン・タナカを殺害対象に指名。その翌日、タナカ邸で他殺体発見の報せが…!!しかも死体は、犯人による外部工作や内部からの脱出が不可能な“鍵のかかっていない密室”に置かれていた!交換殺人計画が実行されたのか!?取り乱すリンズィを後目に第二の殺人事件が…。読者を斯く奇抜な舞台設定と、驚く仕掛け満載の西沢流“新本格”ミステリー、カッパ・ノベルス初登場。
名古屋市栄にある三洋銀行名古屋支店に銃弾が撃ち込まれた!郵便受けには支店長宛の脅迫状が。バブル経済崩壊後の銀行に対する不信感は大きく、大蔵省や同業者の評価を気にした頭取の成瀬は警察に届けず、信頼を寄せる新任の取締役総合企画部長・長谷部を含む小委員会に調査を命じた。が、その直後、今度は横浜支店長が銃撃されて…。合併を巡る頭取の策略!失地回復を狙う前頭取一派の暗躍!横浜支店の不正融資疑惑!ビッグバン前夜の大不況のさなか、混乱する銀行組織の中で、格闘する男たちを描いた経済小説の白眉。
無認可保育園の園長にして、ヤバイ仕事も引きうける私立探偵。ふたつの顔を持つ主人公が、裏社会に生きる男と女の欲望の海に立ち向かった!新宿の夜を走り続けろ!眠れない男の新・探偵物語。