1998年8月15日発売
コンピュータ・ネットワーク『EROS』の会員が次々と殺される。愛の行為、テレフォンセックス、乳房整形、近親相姦、HIV…。サイトでは五千人の男女が匿名でセックスに関するあらゆる情報を交換していた。ネット上を自在に動き回る天才殺人鬼の出現に、全米は震えあがった。’90年代最高のサイコ・スリラー巨編。
『EROS』サイトで獲物を探す恐怖のモンスターは、鉄壁のはずのFBIのコンピュータにも侵入し「お前は私の敵ではない」と大胆不敵な宣言!システム・オペレーターの“僕”は女性になりすまし殺人鬼に挑む。ネット上で全人格を賭けての両者の会話が行き交う。「羊たちの沈黙」にも匹敵する興奮のスリラー。
かつて一世を風靡したオペラの花形歌手でありながら、今は酒に溺れ場末の酒場で歌うルイーザ。高名な外科医の祖父と優秀な弁護士の姉を持ち、そのコンプレックスゆえに家を飛び出したティーンエイジャーのマーラ。医療の理想と現実の狭間で苦悩する精神科の青年医師ヘクター。そして、駐車場脇の塀から聖母マリアが血の涙を流しているという妄想に取り憑かれたホームレスのマデリン-生まれも育ちもまったく違う四人の孤独な男女が街角で出会う時、シカゴの街を大きな感動で包みこむ奇跡が起こる…。V・I・ウォーショースキー・シリーズで人気のサラ・パレツキーが混迷の世紀末に贈る、愛と奇跡と感動のストーリー。
聖徳太子はガン死だったー時代作家・大和田博が、妻の歴史学者・伸子の研究からヒントを得て書いた小説「聖徳太子の謎」は衝撃的なテーマで大反響を呼んだ。しかし、大学内で伸子と対立する実力者・桃井は新聞に批判文を発表、伸子の左遷を図る。その矢先、桃井が高原の別荘で惨殺された。そこには「天ばつ」の血文字が…。作中作、多重構成のプロットなど、ふんだんに趣向を凝らした、快作ミステリー。
ポートモレスビー占領の成功によって、オーストラリアからの南方資源地帯への空爆の恐れがなくなる-日米戦争は転機を迎えた。そして、残るはインド洋だ。闘将有馬正文率いる機動部隊が、コロンボ襲撃に成功する。しかし、大英帝国の威信を背負ったイギリス東洋艦隊が、その行く手を待ち受けていた。昭和21年7月、朝焼けのインド洋で、日英双方とも相手の艦隊を発見。日本側から、180機の編隊が飛び立つ。その10分後、イギリスの攻撃隊170機も飛び立った。高空での接触を皮切りに、戦いの火ぶたは切られた!日英両艦隊の運命、そして、世界の運命は。
ある夜、大学生の翔はゆきずりの美女に一目惚れした。なんとか近づきたいと尾行した翔は青山霊園で美女を見失う。さらに彼女が名乗った名前のOLは既に自殺して青山霊園に葬られていることが判明した。やがて、夜だけその美女が翔の前に現れるようになると同時に不可思議な事が…。そしてついには隣人が殺された!名探偵貴船があやかしの謎に挑む書下ろしミステリー。
徳川八代将軍をめぐり、御三家、尾張家と紀州家との間で繰り広げられた暗闘の数々。尾張藩は雑賀一族の再興を取り引き条件に、狙撃術に卓越した雑賀孫四郎を、吉宗の暗殺者に仕立てる。芝・増上寺で吉宗の命を狙う孫四郎の背後に忍び寄る影の正体は…。徳川家の血と血の争い、その中に否応なく巻き込まれた暗殺者に迫りくる父子宿命の闘い。