1998年発売
マックスはかつてネットワークの花形リポーターだったが、今は田舎町の系列局に飛ばされている。その町で平凡に暮らしていたサムは、ある日突然レイオフされた。ささいな偶然の積み重なりがサムを人質犯へと変貌させ、事件を中継するスクープを得たマックスに返り咲きのチャンスを与えた。彼らが“主演”する大事件が全米でテレビ放映された時、男たちの運命は狂いはじめたー。
ねむれる森の美女さながら永いねむりについてしまった美しく幼ない姫に魅入られるかのごとく数奇な運命をたどる腹違いのひとりの童子ー中世の京の都を舞台にくり広げられる男と女の不可思議な生涯を物語る「ねむり姫」ほか、実母の生んだ牝狐を愛し命を奪われてしまう男の物語「狐媚記」など、古今東西の典籍を下敷きに構築されたあやかしの物語六篇。
御殿場での放火殺人。女声の密告電話で、犯人と名指しされた女には完璧なアリバイがあった。犯行時刻、寝台特急「さくら」に乗車していたのだ。殺された孤独な男をめぐる二人の女の思惑と殺意。そして、仙台での隠された事件が謎を深める。ご存じ浦上伸介の、緻密な調査と名推理が辿り着いた、迷宮の出口とは。
北陸・福井出身の祖父は奉天会戦に出征。日露戦争後、満州で馬賊となり事業を起こした。父親はその事業を継いで奉天の成功した実業家となる。一人娘のルイは、上品な亡き母とは比較にならぬ父親の後妻、妖艶な苑子と“女の争い”を演じる。そして激しい行動力で、関東軍の敗色濃いノモンハンへ恋人を追って行くが、その恋人とはなんと…。旧満州全盛期。自由奔放に生きる“炎の娘”ルイ。日本人社会に繰り広げられる愛欲の葛藤。壮大なドラマは『風と共に去りぬ』に迫る。
三方面から怒涛のように侵攻したソ連軍によって“偽国”満州は崩壊した。若き戦争未亡人となったルイは、気力を喪失した男達に代わって家長の役割を負った。日本人同士の醜い争い、中国人、朝鮮人の冷たい視線、激しい抗日暴動の中で、今日食うためにどう金を稼ぐか、必死の日々が続いた。その渦中、あれほど憎んだ苑子が実は…。“偽国”満州の崩壊。敗戦の地獄図。歴史に翻弄される女達をささえ、若く美しい主人公ルイは、渾身のパワーを振り絞って生き抜く。
20年前に北九州から上京した時に着ていた旧陸軍の外套の行方を求めて、昔の下宿先を訪ねる1日の間に、主人公の心中には、生まれ育った朝鮮北部で迎えた敗戦、九州の親の郷里への帰還、学生時代の下宿生活などが、脱線をくり返しながら次々に展開する。 他者との関係の中に自己存在の根拠を見出そうとする思考の運動を、独特の饒舌体で綴った傑作長篇。
平サラリーマンの菅野雪也は歯科医院で治療に怯える様を不気味な歯科医・二木に惚れられてしまう。予約をすっぽかせば家まで迎えにこられ、しぶしぶ通院する日々。しかも治療のはずが二木の手は雪也の下半身にまで及び、いつしか雪也は歯医者の匂いに股間が反応するという体に成り下がってしまうが…!?相良友絵のコメディH、歯医者で炸裂。
「抵抗しないなら、承諾と見なすよ」風紀委員長の藤島と無理やりつきあうことにされてしまった羽岡明良は、なぜか生徒会の会長、副会長、会計からも迫られ、わずかの間に校内の至る所で四人と次々にエッチする羽目に陥ってしまう。身体は感じまくっても気持ちの追いつかない明良はいつしか総受け状態に!!水島忍の贈る、らぶらぶえっちストーリー登場。
日露戦争前後のアメリカ、娼婦となりながらも前向きに生きた日本人女性の旅路。明治30年代のアメリカ。静子は雑貨店経営者の妻として、サンフランシスコで暮らしていた。しかし詐欺師の富井の陰謀で中国人が経営する娼館に売られてしまう。自殺まで考えた静子だったが、やがて本来の明るさをとり戻し、風船のように自由に生きていこうと、“風船お玉”と名のる。富井を追って全米を旅するお玉は、マフィアと戦い、日本人を助けるうち、“義侠娼婦”と呼ばれるようになった。
美しすぎて死神に狙われた室田春代の運命は 美貌の元高校教師・室田春代のまわりには、常に死者の影がつきまとう。継父は教え子に生命維持装置を外されて亡くなったし、教え子は教室から身を投げて自殺。夫は部下に射殺され、その部下も自殺してしまった。春代がすべてを操る犯人!?だが春代は「私は死神に狙われてるの」と国友刑事に異常接近中。