1999年発売
「人は、どんなことからでも学ぶことができる」-祖父のこの教えを実践するように、学校でも、それ以外の場所でも多くのことを学んでいく倫太郎。そんな彼に、またひとつ格好の場所ができた。倫太郎が保育園時代から慕っていたあんちゃんが、少林寺拳法の道場を開いたのだ。倫太郎と仲間たちの可能性は、学校という枠を超えて広がっていく。子どもたちの鮮烈なエネルギーに満ちた、感動の大河小説、シリーズ第二巻。
現代版聖ゲオルク伝説を翻訳するために火山島を訪れた“わたし”。だが文字の群れは散らばり姿を変え、“わたし”は次第に言葉より先に、自分が変身してしまいそうな不安にかられて…言葉の火口へあなたを誘う魅力あふれる代表作。
年少組なのに年長組の子を泣かせたり、突拍子もないいたずらを考えついたりと、いつも保育園の先生を手こずらせてばかりの倫太郎。大人たちからはとんでもない悪ガキだと思われることが多いが、実は鋭い感受性とさりげないやさしさをあわせもった個性的な子だ。倫太郎はどのように成長していくのか、そして周りの大人たちは倫太郎をどう見守っていくのか。灰谷健次郎が満を持して贈るライフワーク集体成、遂に待望の文庫化。
別れた恋人の新しい恋人が、突然乗り込んできて、同居をはじめた。梨果にとって、いとおしいのは健悟なのに、彼は新しい恋人に会いにやってくる。新世代のスピリッツと空気感溢れる、リリカル・ストーリー。
現役自衛官殺人事件の捜査本部が、何の手がかりすらつかめぬまま、解散同然となった。以後の捜査は自衛隊の警務部が行うという。自衛隊は捜査状況の一切を秘匿する。あきらめる報道陣の中で、ひとり事件を追う決心をする男がいた。警察すら手出しできない殺人事件の謎に、何の力も持たぬ男が迫ることはできるか。
恋人が出て行く、母が亡くなる。永久に続くかと思ったものは、みんな過去になった。物事はどんどん流れていくーー数々の喪失を越え、人が本当の自分と出会う瞬間を鮮やかにすくいとった珠玉の短篇集。
アフリカの小国にボランティアとして派遣された産婦人科医・間野祥一は、現地の悠久たる時の流れと不可思議な部族風習の中で次第に自分を見失っていく。やがて帰国した間野の身辺で次々と起こる奇怪な出来事-。これは現実か、それとも妄想なのか?世界で爆発的に流行するインターネットゲーム「ゴスペル」がパンドラの箱を開け、巨大な脳へと人類を導いていく。著者の新生面を拓く、壮大なラビリンス世界の誕生。
1899年ロシアの名門貴族として生まれ、米国に亡命後「ロリータ」で世界的なセンセーションを巻き起こしたナボコフが初めて英語で書いた前衛的小説。早世した小説家で腹違いの兄セバスチャンの伝記を書くために、文学的探偵よろしく生前の兄を知る人々を尋ね歩くうちに、次々と意外な事実が明らかになる。
朝、ゴミ出しに行った純輝はアパート前のゴミ集積所で、ゴミ袋に入って頭だけを出している男を発見。「俺を拾え」と命じられた純輝は気圧されて男を部屋に入れてしまい、ゴミ男・格に居着かれてしまう。拾ってくれたご主人さまに尽くすと言う格だが、強引で俺様でいて高校にも純輝の部屋からきちんと通うマイペースな格に純輝は生活をかき乱されてー。
東御曹司学園首座の東大路斎王は、西御曹司学園の生徒会長・西ノ京紫竹に、突然愛の告白をされる。だが、両校は浅からぬ因縁から犬猿の仲、もしもふたりでいるところを誰かに見られたらたいへんなことに…。そんなある日、ふたりの想像を超えた大事件が勃発!京都を舞台に、クラシカルな恋の大ハプニング。
五千四百七十八回。これは大橋賢三が生まれてから十七年間の間に行ったある行為の数である。あふれる性欲、コンプレックス、そして純愛との間で揺れる”愛と青春の旅立ち”。青春大河小説の決定版!