2000年6月20日発売
寂しさを、ずっと誤魔化して生きてきたんだと思う…いろんな女性を愛したけれど、家族を持とうとはしなかった父。孤独を奥深くに抱き、家族を持つのが怖かった娘。白い木綿のような不思議な魅力に溢れる、衝撃のデビュー作!第6回小説新潮長篇新人賞受賞作。
ジコチューで、ワガママで、都合よく頼ってくるくせに、こちらが頼りたいときは、冷たいオンナ。それが「調子のいい女」。銀座のナンバーワンホステスが、男どもを騙しつつ、懸命に貯めたお金をもとに、アメリカへ留学した。ボストンの学校で出会った日本人の女は整形で塗り固めた、「調子のいい女」だった。第6回小説新潮長篇新人賞受賞。
農家の跡取り息子・結木輝和のもとにネパール人女性が嫁いで来た。そこから彼の人生は転落の一途を辿り始める。しかし、神の山ゴサインタンの懐に抱かれたとき、彼の魂は癒され、奇跡のように再生されるー。現代人の満たされぬ想いと、漠とした不安を救済する新しいエンターテインメントの世界。第10回山本周五郎賞受賞作。
天然記念物のビャクシンの巨木で有名な伊豆半島・大瀬岬で映画の撮影中に監督が殺害される事件が起きた。事件は未解決のまま数年が経過した。助監督をしていた私は、その映画でヒロインを演じていた女優の自伝を書くために、当時の関係者に話を聞いてまわった。そこから事件の真相も浮かんできた。
天下に覇権成り、朝鮮半島にまで領土的野心を拡げた太閤秀吉。その無謀ともいえる朝鮮出兵には、実は隠された意図があった!!秀吉のその狙いとは、朝鮮・李王朝に累代伝わる「子宝の神器」。その秘宝をめぐって、“はぐれ素破”石川五右衛門が秘術を尽くして戦い、哭き、叫ぶ時代活劇の新機軸。
慶長五年九月、関ケ原の合戦は東軍の大勝に終わる。小早川秀秋の寝返りが西軍を崩壊させた。このとき秀秋、十九歳。家康への報恩と石田三成への不信感が天下の行方を左右した。論功行賞は備前、美作五十一万石。だが、秀秋には荷が重すぎた。日本一の裏切者の、知られざる“その後”を描く長編歴史小説。