2000年発売
ホームズを連れ、石津と食事に出た晴美。焼き肉をたらふく食べた帰り道、見知らぬ少女に声をかけられたホームズは、むっくりと起きあがり彼女についていってしまった!これって、家出!?晴美と石津、片山刑事は、必死の捜査を開始する。一方、少女の家にたどり着いたホームズは、その家の猫のふりをして…。大人気シリーズ、第23弾。表題作のほか、三編を収録。
世界的人気を誇るロックバンド、ロー/レズ。なんとメンバーのレズが、日本のホログラム・ソフトウェア「あいどる」と結婚するという噂が世界を駆け巡った。熱狂的なファンであるチアは、真偽を確かめるべく、東京へと飛ぶ。一方、情報の奥に結節点と呼ばれる特異点を見ることのできる男、レイニーは、レズと「あいどる」の関係を探り出すべく動き出した…。幻視者ギブスンによる21世紀東京の姿。
若い男性刑事だけを狙った連続猟奇事件が発生。手足、性器を切り取られ木に吊された刑事たち。残虐な処刑を行ったのは誰なのか? 女と刑事の狭間を緑子はひたむきに生きる。シリーズ第3弾。
思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンションから飛び降り、自殺を遂げた。動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが…。“子供の論理”を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー。
インディペンデントとしてオイル業界に地歩を築き“ザ・ギャンブラー”と呼ばれた男、佐伯剛。そして彼を慕う二人の青年、池浦謙二、富島新五。池浦は佐伯の指導のもと、オイル業界に自分の全てを懸け、業界のタブーに挑戦する。かたや情報商社を営む富島のもとには、突如として、新エネルギーの模型が持ち込まれ、ペンタゴン情報部(DIA)との暗闘が始まる。そして20年前の研究者殺害が明らかに…。
耶律楚材を得てチンギスは帝国をいっそう強大なものにしていった。しかし巨星チンギスが墜ちると後継者問題が浮上する。息子たちはその座を狙っての権謀術数を巡らす。母や妃、そしてマリアを始めとする女性たちの期待と不安の中、チンギスの三男オゴディが二代ハーンの座に。三代グユク、四代モンケと後継者たちは西へと勢力を伸ばし世界帝国へと膨張を続けるが、分裂の影が忍び寄っていた。金を滅ぼし宋を追うモンゴル、膨張する帝国の行方。
うっかり動作を中断してしまったその瞬間の子猫の頭のカラッポがそのまま顔と何よりも真ん丸の瞳にあらわれてしまい、世界もつられてうっかり時間の流れるのを忘れてしまったようになる…。猫と競馬と、四人の若者のゆっくりと過ぎる奇妙な共同生活。冬の終わりから初夏、そして真夏の、海へ行く日まで。
ソリータは、イタリアから意を決してキャルヴァリー公爵の城を訪れた。かつて公爵が軍人だった頃命を救われた縁で、父の死後ソリータの後見人になっているからだ。しかし、ナポリの伯母に預けたまま公爵はその役目を忘れ果てていた。ソリータは、父の仇であるロシア人に深い憎しみを抱いていたが、あろうことか、当の公爵がロシアのさる皇女と深い関係にあった。その兄弟と共に、ソリータは城に滞在することになったが、偶然驚くべき秘密を耳にする…。
時代伝記小説の大家・角田喜久雄は、大正十四年、探偵文壇にデビューし、戦前・戦後を通じて数々のミステリを発表してきた推理小説の名手でもあった。笛を吹くだけで人を殺すことが出来るのか?人間の心に潜む底知れない悪意を描いて昭和三十三年度の探偵作家クラブ賞を受けた「笛吹けば人が死ぬ」、恐水病に罹った男の異様な犯罪計画を描く「恐水病患者」等、単行本未収録作品一篇を含む全十三篇!著者十代の才気あふれる初期作品から、最後のミステリ「年輪」まで、傑作・代表作を網羅した角田ミステリの精華集。
女は踏みつけにされる側の世界に属している。少女の時にそう悟った主人公はどう生きるのか?彼女は、周りの人間たちのなかに自分の居場所を探そうとする。だが、それは悪意ある罠を仕掛けることにしかならない。それでは他にどんな生き方が?
俺は今昔亭三つ葉。当年二十六。三度のメシより落語が好きで、噺家になったはいいが、未だ前座よりちょい上の二ツ目。自慢じゃないが、頑固でめっぽう気が短い。女の気持ちにゃとんと疎い。そんな俺に、落語指南を頼む物好きが現われた。だけどこれが困りもんばっかりで…胸がキュンとして、思わずグッときて、むくむく元気が出てくる。読み終えたらあなたもいい人になってる率100%。
美貌の北朝鮮女性空軍将校・柳英姫。大連留学で知り合った日本人商社員・西山哲男への想いから、亡命を決意する。亡命実現のためパイロットとなった英姫は、グライダーを使ったソウル奇襲部隊の一員に選ばれる。悪天の中、作戦は決行され、韓国への潜入に成功した英姫だったが…。
西山哲男が権利を持つ、旧ソ連が開発した巨大飛行艇“怪鳥艇”。レーダーを避け、多数の人員・機材を運ぶことのできるその能力に目をつけた中国は、カスピ海に眠る“怪鳥艇”を狙う。一方、北朝鮮の工作員は、亡命に成功し、インド空軍外人部隊に在籍する柳英姫を執拗に追う…。