2002年3月発売
一九九六年二月、元KGBのブラートニコフ将軍配下の工作員サウリャクが刑期を終え、出所してきた。ブラートニコフの後継者であるミナーエフ連邦保安局(旧KGB)将軍はサウリャクの私的警護を内務省の友人に依頼、その警護の役目をおおせつかったのが、モスクワ市警の心理分析官アナスタシヤ・カメンスカヤ。ブラートニコフ将軍には裏の顔があり、サウリャクはその秘密の鍵を握る重要人物。ブラートニコフが暗殺された後、身の安全を図るために、刑務所に入っていたのだ。サウリャク出所のニュースは、いち早く対立陣営にも伝わり、彼の身柄を奪還しようとするが、アナスタシヤの巧みな機略により無事モスクワへ。首都では折しも大統領選の最中。候補者のマリコフはブラートニコフの暗殺に関与しており、サウリャクの動向は政治の中枢をも揺るがすことになる。権力者たちの野望が渦巻く中、アナスタシヤは事件の背後に潜む驚くべき事実に迫ってゆく。ロシア・ミステリー界の女王が描く、好評シリーズ第3弾。
花巻の明光寺に居候していた竹智完のもとに、朱雀会の追っ手として久我重明があらわれた。同日、羽柴彦六もまた竹智を訪ねようとしていた…。闘いの行方は!?半年ほど後。鳴海塾で鍛錬を続ける芥菊千代、フジプロレスに入門した室戸武志、武林館で技を磨く加倉文平、久我重明に弟子入りした志村礼二、そして竹智完。若き獅子たちが一堂に集う武林館トーナメントが開催を迎える!超絶格闘ロマン、待望の第四弾!長編スーパー・バイオレンス小説。
女性の目に入れられた義眼に異常な執着を示す男の物語「偽眼のマドンナ」。盗撮のレンズを通した女性に情欲を覚える男の姿を描いた「写真魔」。牧師を天職としながらも内奥に潜む悪を日記に綴る男の数奇な運命を描いた「聖悪魔」。自分を裏切った女と作品を酷評した批評家への復讐をたくらむ悪魔派探偵作家の仕掛けた罠を描いた「地獄横丁」などを収録。
僕はただ、殺しまくりたいだけなのだ。 食べ物を粗末にした女、鯉の泳ぐ池に洗剤を撒いた男、病気の飼い犬を放置した数学教師、子供を虐待する若い母親。 奴らは皆、死ぬべきだーー。 優秀な中絶専門医・古河は、柔らかな物腰と甘いマスクで人望も厚い。 しかし彼の価値観は、幼少期のある出来事により歪みきっていた……。 彼は、死に値すると判断した人間を拉致して地下室の檻に閉じ込め、残忍な手段で次々と、淡々と殺していく。 美しきシリアルキラーの真の目的に気づくとき、あなたは二度驚く。 驚愕のラストが待つ、美しき猟奇殺人!
父のすべてを受け継いだ娘の壮絶な闘い!父の怨念を背に、圧倒的な人気、天性の表現力、底知れぬバイタリティーで旧態依然の政界に激震をもたらす真紀子。角栄の総理就任から三十年。天国と地獄を味わった父のそばで息を呑む権力闘争を見てきた娘の原点に迫る。
角栄の再来、“女ブルドーザー”真紀子の逆襲!父から受け継いだ、政治家としての鋭い嗅覚とずば抜けた破壊的なパワーを武器に、政界再編の目となった真紀子。終わりなき闘いは、角栄の娘の宿命か!?彼女に初の女性総理就任の日は来るのか。
ー西郷と大久保の議論は、感情に馳せてややもすれば道理の外に出で、一座、呆然として喙を容るるに由なき光景であったー。明治六年十月の廟議は、征韓論をめぐって激しく火花を散らした。そして…西郷は敗れた。故国へ帰る彼を慕い、薩摩系の士官達は陸続として東京を去ってゆくー内戦への不安は、現実となった。
西郷に続いて官を辞した、もとの司法卿・江藤新平が、明治七年、突如佐賀で叛旗をひるがえした。この乱に素早く対処した大久保は首謀者の江藤を梟首に処すという実に苛酷な措置で決着をつける。これは、政府に背をむけて、隠然たる勢力を養い、独立国の様相を呈し始めている薩摩への、警告、あるいは挑戦であったであろうか。
斎藤道三、滝川一益、吉川元春、宇喜多直家、丹羽長秀など全十二将、いずれ乱世に生を受けながら、天下を手中に収めえなかった者たち。なぜ彼らは敗者となったのか、明暗を分けた時はいつなのか。各々の生涯を描く時、そこに浮かび上がるのは鮮やかな「敗者の矜持」。生か死か。手に汗握る戦国・敗北の記録。
25年前に別れた恋人から突然の連絡が。「あなたの息子が重体です」。日本を代表するコンピュータ開発者の「私」に息子がいたなんて。このまま一度も会うことなく死んでしまうのか…。奇しくも天才プログラマーとして活躍する息子のデータを巡って、「私」は、原発建設がからまったハイテク犯罪の壮絶な渦中に巻き込まれていく。
修道院で育った汚れなき乙女フランチェス子のオ×××に人面瘡がデキた!「お前はダメ女だ」と朝な夕なに罵倒する人面瘡を、けなげにも“古賀さん”と呼んで共同生活をするフランチェス子の運命やいかに?極北の笑いと奇想天外な物語の裏に、現代人のジェンダーを見つめる醒めた視線が光る、著者の代表作。
香港のビジネス界で、企業乗っ取り屋として名を馳せるマダム九龍ことナオミへ届いた脅迫メール。彼女が買収したテーマパークでのテロの予告だった。やがて、日本でも似た手口の事件が発生する-。真実を知ることが復讐への第一歩なのか。三十余年を経た白骨死体とともに明かされる真実とは?香港、ニューヨーク、日本を舞台に描く愛憎ドラマ。
「損失先送り商品」「サービサー」「バルク買い」-綿密な現場取材をもとに描き出した、不良債権に群がるカネの亡者たちの凄絶な闘いと日本経済の闇。不良債権の内幕小説。