2004年4月発売
ある年の2月。マサチューセッツ州沖の一つのブイがアラームを発信した。一晩で水温が7度近くも急落したのだ。だが誰もその本当の意味に気づくものはいなかった…。しかしそれこそがやがて全世界を襲うスーパーストームの予兆だったのだ。本書は著者アート・ベルとホイットリー・ストリーバーが膨大な調査資料と研究結果をもとに、いま目の前に迫っている地球の危機に警鐘を鳴らす書である。地球温暖化が海流に与える影響により、スーパーストーム(超大型の嵐)が起こり、地球は新たな氷河期に突入する。著者たちは考古学上の発見(巨大なマンモスが一瞬にして死に至った謎など)、神話の再検討、近年次々に発表された驚くべき研究発表をもとに、迫りくる危機を精緻に予測している。我々はその日を回避することができるのか?それとも人類は最後の日を迎えてしまうのか?映画『デイ・アフター・トウモロー』原作本。
住所はなく、消印は「葛飾」、そして差し出し人の名前は、「すばらしい日本の戦争」……名作『さようなら、ギャングたち』に先立つこと1年、闘争、拘置所体験、その後の失語した肉体労働の10年が沸騰点に達し、本書は生まれた。<言葉・革命・セックス>を描きフットワーク抜群、現代文学を牽引する高橋源一郎のラジカル&リリカルな原質がきらめく幻のデビュー作。 住所はなく、消印は「葛飾」、そして差し出し人の名前は、「すばらしい日本の戦争」………… 名作『さようなら、ギャングたち』に先立つこと1年、闘争、拘置所体験、その後の失語した肉体労働の10年が沸騰点に達し、本書は生まれた。<言葉・革命・セックス>を描きフットワーク抜群、現代文学を牽引する高橋源一郎のラジカル&リリカルな原質がきらめく幻のデビュー作。 序章 ポルノグラフィー 1章 「すばらしい日本の戦争」 2章 十九世紀市民小説 3章 リアルなものはあらずや? 4章 「気のせいですよ、きっと」 5章 同志T・O 6章 愛のレッスン 終章 追憶の一九六〇年代 エピローグ 著者から読者へ
老中水野忠邦の“奢侈禁止令”で、江戸の街は灯が消えたよう。蒔絵師・孝太は禁令を破って、幼なじみの仕事を受けたが…。江戸の庶民の哀感を、心を込めて描く意欲作!!茨城県・長塚節文学賞小説部門大賞受賞。他に市井もの二編、武家もの一編を収録。知らずのうちに涙こぼれる逸品ぞろい。
ある時は幻の珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、そしてある時は戦隊ショーの怪人役と、いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる神出鬼没の名探偵・猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件を描いた「猫の日の事件」、意外な真相が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか三編を収録した、謎解き連作短編集。
まことに小さな国が、開化期をむかえようとしている。-伊予松山出身の三人、無敵を誇ったコサック騎兵を破った陸軍の名将・秋山好古、その弟でバルチック艦隊殲滅作戦をたてた海軍の名参謀・秋山真之、そして近代短歌・俳句の開祖・正岡子規。それぞれの青春は、清新な時代の風をうけ、夢を大きくふくらませてゆく。
この十九世紀末というのは、地球は列強の陰謀と戦争の舞台でしかない。-日清戦争の勝利にわく日本。しかし、思惑が複雑にからみながら列強の干渉は強まる。秋山好古は対コサック騎兵作戦を、秋山真之は対バルチック艦隊戦略を着々とたてはじめる。そして正岡子規はその最後の情熱をかきたて、文学にむかう。
世界一危険な公務員 魔女王・お涼のパリ出張! 破壊大好き、高飛車、強引、etc。世界一危険な公務員・薬師寺涼子警視が、善良なる部下、泉田準一郎警部補を引き連れてパリ出張。空港で不審極まる殺人を目撃した涼子は、国境も平和外交もスッ飛ばし、越権捜査に猛進する。「これは戦争よ(セ・ラ・ゲール)!」見えざる敵の襲撃を受けたお涼サマの宣言が、花の都を揺るがせる!
名誉も誇りもない、そして戦闘を前提としていない、世界一奇妙な軍隊・自衛隊。世間が高度成長で浮かれ、就職の心配など無用の時代に、志願して自衛官になった若者たちがいた。軍人としての立場を全うし、男子の本懐を遂げようと生きる彼らを活写した、著者自らの体験を綴る涙と笑いの青春グラフィティ。
国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇! “まだ生まれて来ない者”たちへの希望を拓く、感動の長篇小説 かけがえのない友の死を濾過し、ひときわ澄んだ光を放つ、大江文学の到達点! チェンジリング【Changeling:英】 美しい赤ん坊が生まれると、子鬼のような妖精がかれらの醜い子供と取り替える民間伝承が、ヨーロッパを中心に世界各地に見られる。チェンジリングとは、その残された醜い子のことを指す。 国際的な作家古義人(こぎと)の義兄で映画監督の吾良(ごろう)が自殺した。動機に不審を抱き鬱々と暮らす古義人は悲哀から逃れるようにドイツへ発つが、そこで偶然吾良の死の手掛かりを得、徐々に真実が立ち現れる。ヤクザの襲撃、性的遍歴、半世紀前の四国での衝撃的な事件…大きな喪失を新生の希望へと繋ぐ、感動の長篇! 序章 田亀のルール 第一章 Quarantineの百日 (一) 第二章 「人間、この壊れやすいもの」 第三章 テロルと痛風 第四章 Quarantineの百日 (二) 第五章 試みのスッポン 第六章 覗き見する人 終章 モーリス・センダックの絵本
時代ミステリーの傑作遂に待望の文庫化! 「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」--江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。その後、評判の良かった差配人が姿を消し、三つの家族も次々と失踪してしまった。いったい、この長屋には何が起きているのか。ぼんくらな同心・平四郎が動き始めた。著者渾身の長編時代ミステリー。
謎が謎呼ぶ楽しさ満載「宮部ワールド」へ! 「俺、ここでいったい何をやっているんだろう」。江戸・深川の鉄瓶長屋を舞台に店子が次々と姿を消すと、差配人の佐吉は蒼白な顔をした。親思いの娘・お露、煮売屋の未亡人・お徳ら個性的な住人たちを脅えさせる怪事件。同心の平四郎と甥の美少年・弓之助が、事件の裏に潜む陰謀に迫る「宮部ワールド」の傑作。
近頃、どうして階段が急にきつくなったのだろう?-中年男性の悲哀をユーモラスに描き、あまりにも身につまされる内容が大評判を呼び、盗作が相次いだという幻の名作「あなたの年齢当てます」。犬の立場から人間の上手な飼い方を綴った「愛人マニュアル」ほか、思わずチェシャ猫の笑いを浮かべさせる日常生活のスケッチ19篇。しゃれた笑いにごぶさたのあなたに、笑いの達人コーリィ・フォードが最高のプレゼントを贈ります。
冒険好きな若夫婦のトミーとタペンスが、国際探偵事務所を開設した。平和で退屈な日々は、続々と持ちこまれる事件でたちまち慌ただしい毎日へと一変する。だが、二人は持ち前の旺盛な好奇心と若さとで、猟犬のごとく事件を追いかける!おしどり探偵が繰りひろげるスリリングな冒険を描いた短篇集。新訳で登場。
優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス。
オックスフォード大学史学部の学生ネッド・ヘンリーは、第二次大戦中のロンドン大空襲で焼失したコヴェントリー大聖堂の再建計画の資料集めの毎日を送っていた。だが、計画の責任者レイディ・シュラプネルの命令で、20世紀と21世紀を時間旅行で行ったり来たりさせられたネッドは、疲労困憊、ついには過労で倒れてしまった。シュラプネルから、大聖堂にあったはずの「主教の鳥株」という花瓶をぜひとも探し出せと言われていたのだ。二週間の絶対安静を言い渡されたものの、シュラプネルのいる現代にいては、ゆっくり休めるはずもない。史学部のダンワージー教授は、ネッドをのんびりできるにちがいない、19世紀のヴィクトリア朝へ派遣する。ところが、時間旅行ぼけでぼんやりしていたせいで、まさか自分が時空連続体の存亡を賭けた重要な任務をさずかっているとは夢にも思っていなかった…。ジェローム・K・ジェロームのユーモア小説『ボートの三人男』にオマージュをささげつつ、SFと本格ミステリを絶妙に融合させ、ヒューゴー賞・ローカス賞のほか、クルト・ラスヴィッツ賞を受賞したタイムトラベル・ユーモア小説。