2004年7月発売
仕事に燃えるママの代わりに、育児に奮闘する洋介。息子を見る妻の眼差しに嫉妬を覚えつつも、平静を装う匡志。血が大の苦手なのに、立会い出産に臨むハルキ。事情はそれぞれ違うけど、子供を愛する気持ちは、みな同じ-頑張るパパの“超現実”を描いたユーモア溢れる小説集。
エベレスト山頂近くにアメリカの人工衛星が墜落!雪崩に襲われた登山家の真木郷司は九死に一生を得るが、親友のフランス人が行方不明に。真木は、親友の捜索を兼ねて衛星回収作戦に参加する。ところが、そこには全世界を震撼させる、とんでもない秘密が隠されていた。八千メートルを超える高地で繰り広げられる壮絶な死闘ー。大藪賞作家、渾身の超大作。
いつもそばにいてくれた彼の、突然の熱い抱擁と愛撫。その奥に潜む意味とは-?生まれたときから同じ家で育てられた、議員の子息である玖珂志束と、使用人の息子であり、今は玖珂家を支える辻本将希。将希への結婚話を、彼の未来のために志束が勧めた途端、普段は穏やかに志束を見つめていた将希の顔は苦しげに歪み、激情に彩られ!?ずっとあなたを愛していた…そして今、根こそぎ奪いたい。主従関係ラブロマン。
榎本悦子は23歳の新米編集者。入社してすぐにまかされた初仕事が作家・赤川次郎の連載小説担当だった。今日はいよいよ最終回の締め切り日。一体誰が犯人なのか見当もつかない『少女漫画家殺人事件』が、ついに完結するのだ。「真犯人」を一番最初に知ることができるのは担当編集者の特権というもの。心躍らせて赤川邸に向かった悦子だが、何と赤川先生が行方をくらましていてー!?三毛猫ホームズや『天使と悪魔』のマリとポチなど、赤川作品の人気キャラクターたちが総出演。さらに作者「赤川次郎」自身も登場する、超豪華な一冊。
一九四五年八月十五日、日本が無条件降伏を受け入れたその日、ソ連は北海道占領作戦を発令した。北千島の小島に侵攻を開始したソ連軍の圧倒的な兵力を前に、本土帰還の望みを砕かれた日本軍将兵たちの孤独で困難な戦いが始まる。一方、米国に調停を求めるため、密使はマッカーサーの許に飛んだ。祖国分断の危機を回避すべく、太平洋戦争最後の戦いに身を挺した人々の壮絶な運命を描く戦史小説。
末妹の死の残像に苛まれつつ、恋愛遍歴を重ねる尹小跳。生来の美貌を武器にのしあがろうとする唐菲。アメリカに渡って結婚。アイデンティティを見失う尹小帆。文革から開放へ。激動の時代を生きた女たちの肉体と魂の遍歴。
隣国の版図拡大をおそれるタンガ・パラスト両国王。彼らは、デルフィニア王妃暗殺を秘かにファロット一族へ依頼した。暗殺集団の威信をかけ最強の術者を送りだすファロット一族ーコーラル城の華やかな喧噪に紛れ、巧妙に、精緻に張りめぐらされる暗殺の罠。リィに最大の危機が迫る。
神代より伝わる秘呪具“天の瓊矛”が大内裏から強奪されたのが怪異の始まりだった。局地的な大地震が起き、太陽は二つに分かれ、熱海沖には一夜にして魔神の横顔にも似た島“真仏島”が隆起する。強奪に巻き込まれ惨殺された辻君の無念を晴らすため、瓊矛奪引に立ち上がった一休宗純の前に、神、仏、魔王を超えた存在“魔仏”たらんとする六代将軍足利義教、魔少年赤松貞村、謎の神官吉田憲法らが立ちふさがる-!中世神話の異様な世界を舞台に展開する怒涛のストーリー。誰が味方かはたまた敵か?巻を措く能わざる面白さ、ここに極まる。
事件が起きたのは、五能線沿いの海辺にある不老不死温泉だった。一人で温泉旅行を楽しんでいた警視庁の刑事は、ふとしたきっかけで知り合った女性に誘われて、一緒に露天風呂に入った。しかし、その女性が翌朝、露天風呂で死体となって発見された。容疑をかけられたのは、警視庁の刑事だった。知らせを受けた十津川警部はすぐに部下の刑事が拘置されている弘前署に向かった。もちろん、その刑事は殺害を否定している…。
相田みつを×川上健一。書と小説のコラボレートによって生まれた新感覚短編集!しみじみと心に染みわたる書と小説が全30編。毎日、暦をめくるように、三十日間、三十の人生と感動に出会えます。
生まれて初めて、ひとを「好き」になった瞬間を、覚えていますか?14歳の少女が恋をした。ばななワールドの新たなる幕開け、心温まる永遠のファンタジー。
ぶらんこが上手で、指を鳴らすのが得意な男の子。声を失い、でも動物と話ができる、つくり話の天才。もういない、わたしの弟。-天使みたいだった少年が、この世につかまろうと必死でのばしていた小さな手。残された古いノートには、痛いほどの真実が記されていた。ある雪の日、わたしの耳に、懐かしい音が響いて…。物語作家いしいしんじの誕生を告げる奇跡的に愛おしい第一長篇。
父の故郷「南山」、母の故郷「多々羅川」、夫と娘を捨てて出奔した「名古屋駅」、作家としての出発点であり、男との複雑な関係も始まった「三鷹下連雀」そして「西荻窪」「野方」、ついに長年の出家願望を成就させた「本郷壱岐坂」。父、母を育み、様々な波乱を経て一人の女流作家が生み出されていった土地を、八十歳にして改めて訪ね、過去を再構築した「私小説」。野間文芸賞受賞作。
霧の中、公園でデート中のカップルが、暴漢に襲われた。二人を助けようとした警察官は、逆にナイフで刺殺されてしまう。そして、助かった二人もなぜか現場から逃げ去ってしまった。数日後、男は女から別れを告げられた。「卑怯者!」という言葉を残して。男は自身の「罪」を償うために刑事に転職するがー。全てを懸けて意地を貫き徹した男を描く、白眉の“証明”シリーズ。
家族を失い、住みなれた“第二地球”から離れ、異次元世界に連れてこられたボビー。課せられた使命は、“トラベラー”-全部で10ある世界の存在を、凶悪な魔の化身セイント・デインから守ること。14歳のバスケ少年にとって、そんな大義は恐怖以外の何ものでもなかったけれど、迫りくる敵から逃げてもはじまらない。何もしなければ、いつかすべてが滅ぼされてしまうのだ。唯一頼れるプレスおじさんとともに、ボビーは敵を追って次なる新しい世界へと足を踏み入れた。そこは“クローラル”、大海に浮かぶ巨大な人工都市。新しい友と出会い、明るい気持ちになったのもつかの間、セイント・デインの恐ろしい計画がふたたび開始される。やがて戦いの舞台は海に沈んだ伝説をもつ、幻の都市ファーへ!息もつけない展開が待つ、波乱の第2巻。